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活用事例 2018.08.15

VR/ARの標準規格目指す「OpenXR」導入始まる

クロノス・グループはバンクーバーで開催中のSIGGRAPH 2018にて、VRやARの標準規格「OpenXR」のデモを初めて公開します。

デバイス・アプリ間の仕様標準化の取組

「OpenXR」は様々なVR/ARプラットフォームでのデバイス・アプリ間の仕様を標準化する取組で、関連企業から構成される共同組織クロノス・グループにより、2016年末から策定が進められています。クロノス・グループはこれまで、グラフィックスAPIであるOpenGLやVulkanなどを策定してきました。

下図のように仕様が標準化されていない現状では、エンドユーザーにとって個々のデバイスの導入コストがかかります。

しかし「OpenXR」により標準化が進めば、アプリケーションデベロッパーはコードの書換なしにより広い市場にリーチできます。またデバイスメーカーはどのランタイムにも対応可能、さらにVR/ARランタイムベンダーも、対応できるアプリとデバイスが増加します。このように標準化によるウィンウィンの構築を図ります。

「OpenXR」の設計は拡張可能なため、位置トラッキング、視点設定などの機能を簡単に追加できます。一例としてはアクションベースのインプット機能があります。これは、「テレポートする」「ジャンプする」といったアクションを定義し、それぞれを「ボタンをクリックする」「スライダーを動かす」といった動作と対応させる機能です。OpenXRにより、現在存在しない物も含め、異なるハードウェア間でアプリケーション利用可能となります。

「OpenXR」デモ初公開

このような「OpenXR」のデモが、今回SIGGRAPH 2018にて初めて公開となります。エピックゲームズ「Showdown」のVRで、StarVRの新型ヘッドセットStarVR ONE及びマイクロソフトのWindows Mixed Reality(MR)ヘッドセットの両方に対応しています。異なるデバイスで動作させるための変更は、一切不要です。

今後も参加企業を募集

本取組にはVR/ARのハードウェア・プラットフォームを開発するOculusやHTC、Valve、ソニー、Samsung、Googleらに加え、ゲームエンジンを提供するUnityやエピックゲームズ(Unreal Engine)、チップセットメーカーのARM、インテル、クアルコム、GPUメーカーのAMDやNVIDIAなど、VR/AR関連企業の多くが参加しています。昨年11月にはマイクロソフトも参加を決定しました。

現在はOpenXR 1.0の暫定リリースに向け活動しており、今後も協力企業を募集するとしています。

VRに関する規格では、PC接続の規格としてグラフィックボードメーカーとヘッドセットメーカーが新たにVirtualLinkという規格を定めています。VRヘッドセットの数は増えて続けており、業界の発展のためにも規格化には今後も期待したいところです。

(参考)Khronos Group


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