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業界動向 2019.11.13

OculusのCTO、VRの現状には「満足していない」

OculusのCTOであるジョン・カーマック氏は、VR分野の現状について「VRの進歩の速度には満足していない」とコメントしました。これは2019年11月11日に開催された、VR業界における様々な功績への表彰イベントVR Award 2019にて表明したものです。

ジョン・カーマック氏は、Oculus(現在はフェイスブック)のVRプロジェクトに最初期から携わっているプログラマー。ゲームにおけるFPSジャンルの生みの親であり、コンピュータグラフィクスに関する数々の実績でも知られています。

イベントでの発言

カーマック氏は、同イベントで生涯業績賞(Lifetime Achievement Award)を受賞。しかしこれについて「受賞は早すぎたかもしれない」とコメントし、VR業界やVR分野の現状について、ビデオメッセージで以下のような見解を述べました。

私はオフィスで不機嫌になることがよくあります。これはVRの発展スピードについて、私がまったく満足していないことが理由です。VRヘッドセットを装着した際、私はそこに魔法を見て取りますが、私の頭はすぐに終わっていない仕事や、VRのためにやるべきことを思い出してしまいます。自身の業績を気持ちよく振り返るには、もう少し時間が必要でしょう。

すべてのテクノロジーは、実際に多くのユーザーに利用されなければ意味がありません。よって私は、このVRという新しいキャンバスを人々に届けるという、未来への道筋を築く仕事を行っている人々を、なによりも支援していきたいと思っています。

カーマック氏とフェイスブックの現況

現在、フェイスブックはOculus Quest(オキュラス クエスト)やOculus Rift S、Oculus GoといったVRヘッドセットを開発・展開しています。同社(とカーマック氏)は、特にOculus Questについて精力的に取り組んでおり、2019年9月に行われたOculus Connect 6では、PC接続可能な「Oculus Link」と、前面カメラを活用したハンドトラッキング機能が発表されました。

今回のコメントでは、カーマック氏は、自身が“満足”と感じるVRの発展度合いについて、具体的な説明を行いませんでした。しかし同氏の発言からは、「Oculus Link」やハンドトラッキングをひとつの通過点と捉えているように読み取れます。カーマック氏が描くVRの(理想的な)発展とはどのようなものなのか。技術面と普及面の双方から注目していきたいところです。

(参考)PC Gamer


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