日本マイクロソフト株式会社は、日産自動車株式会社によるMR(Mixed Reality、複合現実)技術の活用事例を公開しました。日産自動車はMRデバイス「HoloLens 2」などを活用し、作業者自身による技能トレーニングと指導担当者の負荷軽減を試みています。
HoloLens2を技能習熟トレーニングで活用、作業負荷の軽減を実現
この取り組みにおいてマイクロソフトは、、日産の次世代のクルマづくりコンセプト「ニッサン インテリジェント ファクトリー」に基づき「インテリジェント作業支援システム (IOSS)」を構築しました。IOSSにはHoloLens 2と「Dynamics 365 Guides」が採用されており、実際の製品とMRによる作業指示を同時に見ながら、技能習熟トレーニングを進めることが可能です。
マイクロソフトによれば、日産のEV専用パワートレインの生産ラインにおいて、作業員が目視検査でモーターの品質チェックを行うためのトレーニングに活用されているとのこと。IOSSの導入によって、「作業手順の学習時間が短縮され指導者の手間も大きく軽減した」とコメントしています。
日産はマイクロソフトのIOSSについて、他社のAR/MRソリューションと比較した際、コストと使いやすさを理由にHoloLens 2とDynamics 365 Guidesの採用に至ったとのこと。特に作業手順の指導に使うガイドコンテンツの作りやすさが優れていた点がポイントだったとしています。
他工場への展開も推進
日産は、IOSSをトレーニング以外の用途にも展開を予定しています。同社によれば、IOSSは、MRを活用して作業のガイダンスを三次元的に表現・表示できるシステムとして、様々な用途への応用を想定して開発されているとのこと。今後は日産の各工場への展開をはじめ、連携している他メーカーの工場への展開も推進するとしています。
(参考)プレスリリース