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投資 2023.07.18

フランスの”マイクロOLED”開発企業が2,100万ユーロ調達、AR/MR分野等に活用

フランスのマイクロOLED開発企業MICROOLEDは、2,100万ユーロ(約32.5億円)の資金調達を行いました。資金はフルカラー・高輝度OLED事業の拡張、セキュリティ分野、スポーツアイウェア向けARプラットフォームの展開強化などに使用されます。

今回の資金調達ラウンドは、Jolt CapitalとBpifranceが管理するInnovation Defense Fundが主導。過去の株主であるCipio PartnersとVentechも再投資を行っています。

半導体由来の特許を多く持つテック企業

MICROOLEDは2007年、フランス・グルノーブルにて設立。近隣のCEA/Leti(フランス原子力庁電子・情報技術研究所)と連携しており、半導体産業由来の特許を170以上を有します。これらの特許技術で製造された同社のマイクロOLEDは、屋外用光学機器、暗視用メガネ、眼科医療機器、そしてARグラスに使用されてきました。

2021年には、MICROOLEDのAR部門ActiveLookが、スポーツアイウェア向けARプラットフォーム「Next」を発表。スポーツなどのアクティビティにおいて、リアルタイムの視覚情報をARスマートグラスに表示するシステムを開発しています。

AR/MRヘッドセットにも採用されるマイクロOLED

「マイクロOLED」は有機EL技術を使用した極小ディスプレイで、解像度・画素密度ともに高く、高輝度・低消費電力を実現します。主にデジタルカメラのビューファインダーなどに使用されているほか、6月にAppleが発表した「Vision Pro」にも採用されており、AR/MRヘッドセットでの実用化も進んでいます。

AR分野に技術・資金を投入

同社はAR市場における軽量化のニーズに応えるため、サイズが0.2インチから0.6インチまでのコンパクトな製品ラインナップを提供し、消費電力を1mWにまで低減するなど、成長するAR分野に積極的です。

MICROOLEDのCEO、エリック・マーセリン=ディボン氏は、「イノベーションは当社の戦略の中核であり、この新たな資金調達により、AR分野で最も破壊的な技術を市場に投入する努力を倍増させることができます」とコメントしました。

(参考)プレスリリースMICROOLED


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