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VRChat 2023.10.19

VRChatで大規模演劇祭が開催! 盛り上がりを見せる「VR演劇」の最前線

「VRChat」をはじめとしたソーシャルVRでは、いまVR空間で実施される演劇「VR演劇」が盛り上がりを見せています。多くの注目を集める公演も開催され、中にはヴェネツィア国際映画祭にノミネートされるものまで登場しています。

そんな「VR演劇」にフィーチャーした大型演劇祭イベントメタシアター演劇祭が、11月23日(木)から11月26日(日)にかけて開催されます。演劇をはじめとした、様々な”舞台に立つ”演目を、「VRChat」上で多数観覧できるイベントになる予定です。

3つの劇場で様々な演目が上演予定。シェイクスピア「真夏の夜の夢」も上演

「メタシアター演劇祭」は、ソーシャルVR「VRChat」にて実施される演劇祭です。期間中、特設の劇場にて様々な演劇やパフォーマンスが上演される、サーキット型のイベントとなっています。

本演劇祭には、「VRChat」で活動する日本語圏のカンパニーやパフォーマーが参加を表明。演劇はもちろん、お笑いや落語、剣舞、さらにはアイドルまで、さまざまな”舞台に立つもの”が集まっています。


(小劇場「シアターカスパール」)

舞台となる劇場は、大中小の3種類が展開されます。小劇場「シアターカスパール」は、小規模演目に最適な舞台で、主に落語や漫才などの公演が予定されています。


(中劇場「シアターバルタザール」)

中劇場「シアターバルタザール」は、上手・下手のある、最もスタンダードな劇場です。演劇に加え、音楽ライブの開催も予定されています。


(大劇場「シアターメルキオール」)

大劇場「シアターメルキオール」は、360度の舞台が用意された大型劇場です。現時点ではダンスやライブといった演目が予定されています。


(内覧会での様子。大劇場に巨大な和室が出現しているが、これは舞台装置担当者の操作で瞬時に”出現”する)

いずれの劇場も、舞台装置をその場で瞬時に作成・呼出できる仕掛けや、暗転装置が内蔵されています。現実の劇場でもなかなか難しい「瞬時の場面転換」ができるのが特徴です。

また、各劇場とは別にエントランスとなる空間もオープンされます。広々とした町並みを模した空間には、バーチャル空間のコミュニティの紹介や現実の演劇作品の紹介などの展示が、10団体ほど設置される予定です。

11月25日(土)と11月26日(日)には、シェイクスピア作品の喜劇「真夏の夜の夢」のVR演劇が公演予定です。VRで活躍するアクターなどが出演し、「メタシアター演劇祭」主催のぬこぽつさんが脚色・演出を担当。また、本公演は日本シェイクスピア協会が後援を発表しています。

主催のぬこぽつさんは、2022年11月にシェイクスピア「マクベス」の公演も主催し、脚色・演出を担当しています。「VRChat」で利用する「かわいいアバター」の姿で、悪行を重ねるマクベスを演じることで、「役の人格」が「HMDをかぶっている物質現実の人格」と「アバターに身を包む仮想現実の人格」を上回るのか……をテーマに掲げた意欲的な公演となり、大きな反響を得ています。

ぬこぽつさんによれば、本演劇祭は「音楽イベントのような『コミュニティをまたいだ大型イベント』が、VRChatの演劇やパフォーマーにはなかった」のが大きな開催理由なのだそう。大きなお祭りを開催し、VR演劇やパフォーマーという文化をさらに盛り上げたいという、熱い想いが込められたイベントになっているようです。

「メタシアター演劇祭」は、11月23日(木)から11月26日(日)の4日間にかけて開催。また、新宿のXRコミュニティスペース「NEUU」にてリアルイベント開催も予定しているとのことです(詳細は後日発表)。

ヴェネチア映画祭にも進出。注目を集める「VR演劇」

VR空間で上演されるVR演劇は、近年注目を集めています。特に、アクターチーム「カソウ舞踏団」とアバター制作ブランド「黒猫洋品店」による演劇型アバター紹介イベント「テアトロ・ガットネーロ」や、VR劇団「ぱんだ歌劇団」によるミュージカル演劇など、注目を集める公演も登場しています。東京を拠点に活動する劇団「コメディアス」も、近年ではVR演劇に精力的に取り組んでいます。

また、2022年には「VRChat」にて上演されるVR演劇「Typeman」が大きな話題になりました。「VRChat」内の舞台で、VRヘッドセットをかぶった観客の行動にあわせてリアルタイムに進行する本演劇は、第79回ヴェネチア国際映画祭のXR部門「Venice Immersive」にノミネートされ、評論家による独自選出賞「Premio bisato d’oro 2022(プレミオ・ビサト・ ドーロ/金鰻賞)」にて最優秀短編賞を受賞しています。

世界的な映画祭でも注目されるVR演劇が、日本国内で今後どのように発展していくのか。その最前線ともいえる「メタシアター演劇祭」に注目していきたいところです。

「メタシアター演劇祭」概要

開催場所 VRChat内特設ワールド
開催日時 2023年11月23日(木・祝)~11月26日(日)
参加方法 会場はVRChatの「Group機能」でオープン。予め指定のGroupに参加の上で、時間になったらGroupインスタンスへJoin。
出演団体 audaman(落語)、X of foX(漫才)、maropi工房(演劇)、劇個みのはな(演劇)、青春コネクト(演劇)、劇団四頭筋(演劇)、VR劇団moment(演劇)、クリプトアイドルメタバース(アイドル)、桜兎フルガ(アイドル)、Ne:MESIS(VR剣舞)など多数
協賛企業・団体 NEUU新宿/デジタルハリウッド大学/かえでラボ/youyou2002/ROOX
協力団体 特定非営利活動法人バーチャルクロスリンク/バーチャルパーティー
特別協力 Gugenka
メディアパートナー メタカル最前線
後援団体 ぱんだ歌劇団/VRCねこらじ/名曲喫茶華麗堂/SEISO NO OWARI/バーチャルライフマガジン/NEO -未来のファンク都市-/前田拓郎法律事務所/BANZAI STUDIO/#体験型VR演劇 晴れときどき猫団/WithVR/ティグリスタ/Ne:MESIS/Platform
主催 VR演劇コミュニティ「メタシアター」
公式サイト https://sites.google.com/view/metatheatervr/top

(参考)提供資料


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