Magic Leapは10月9日~10日(現地時間)、初の開発者会議「L.E.A.P.カンファレンス」をロサンゼルスで開催しました。その基調講演ではソフトウェアのロードマップを示したほか、マルチユーザー化に向けた取組も発表されました。
2019年までのロードマップ公開
Magic Leapは今年8月にデバイスMagic Leap Oneの出荷を開始。空間コンピューティング技術を進めるべく、OSやアプリの開発を急いでいます。
L.E.A.P.の基調講演で、同社のソフトウェア部門・シニアバイスプレジデントのYannick Pellet氏は、2018年末から2019年にかけてのソフトウェアロードマップを示しました。ここではそのうち4つのトピックスを紹介します。
コントローラーを2つに
講演によると、2019年の第1四半期、同社は片手に1つずつ、2つのコントローラーのサポートを開始するということです。現在Magic Leap Oneで使用できるのは、位置も認識する6DoFのコントローラー1つのみです。ペアのコントローラーを利用可能になれば、開発者にとってもアプリケーションの幅が広がります。また、Oculus RiftやHTC Viveといった他のハイエンドのVRヘッドセットが2つのコントローラーであることを考えると、より慣れた環境で開発が可能になるとも言えます。
ユーザーの眼で生体認証
またロードマップでは、”Iris Detection Login”についても触れられています。これはヘッドセットのアイトラッキング技術を活用し、ユーザーの眼を使った生体認証でログインするというものです。他のユーザーが利用できないようデバイスにロックをかけたり、個々のユーザーを認識してログインなしにスタートできたり、といった利用方法があります。
Javascript互換のOS導入
OSに関しては、現在採用するオリジナルのLuminOSに対し、2019年第1四半期に”MagicScript”を導入予定です。このOSはJavascriptと互換性を持つといい、Javascriptの開発者にとってコードを書くのが容易になるというメリットがあります。
より広い空間を認識
更にロードマップが掲げるのは、”Large Scale Mapping”です。Pellet氏は詳細について触れませんでしたが、恐らくはデバイスがより広い空間を認識する機能だと考えられます。開発者にとっては、家全体のような広い空間に向けたアプリケーション開発が可能になるのかもしれません。
ソーシャル機能やマルチユーザー向けAPI
一方ユーザーエクスペリエンス部門のデザイン担当、Savannah Niles氏が紹介したのは、Magic Leap Oneのソーシャルな機能です。
「Avatar Chat」はARチャットアプリで、離れた複数のユーザーがコミュニケーションを取れるものとなっています。会話には、カスタマイズしたアバターや絵文字を使用。アプリの紹介からは、Magic Leap Oneがジェスチャーや瞬きを認識する様子が確認できたといいます。
年内にはカスタマイズの選択肢を拡大する他、今後数週間で開発者向けにアバター制作ツールをリリースする予定です。
また大きな発表として、Magic Leapは今秋、開発者向けにマルチユーザーのゲーム・アプリ開発用APIを公開すると明らかにしました。現在同社が提供するアプリの多くは、シングルユーザー向けのものです。「Avatar Chat」やAPI公開の動きからは、同社が次のステップへと進んでいる様子が見て取れます。
(参考)Road to VR
Magic Leap to Add Two Controller Support, Iris Login, Javascript Support, & More
Magic Leap to Launch ‘Avatar Chat’ Next Month, Developer Tools to Create Multiuser Apps
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