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活用事例 2023.10.13

山梨県甲府市、メタバースにひきこもり相談窓口を設置。アバターで相談しやすく

山梨県甲府市健康支援センターはひきこもり支援施策として「甲府市メタバース 心のよりどころ空間」を開設しました。NTTコノキューのプラットフォーム「DOOR」を活用、アバターを通して、本名や顔を出さずにコミュニケーションや専門家への相談ができます。


(完全予約制の「森の相談ルーム」。出所:甲府市)

完全予約制でアバターを使った相談が可能

「甲府市メタバース 心のよりどころ空間」は2つのルームに分かれています。「心のよりどころ空間」は誰でも入場でき、ひきこもりに関する情報や相談方法などがまとめられています。甲府市民向けの「森の相談ルーム」は完全予約制で、1回あたり原則50分まで精神保健福祉士に相談できます。申し込みにはメールアドレスとニックネームが必要です。


(誰でも入場可能な「心のよりどころ空間」。出所:甲府市)

高齢化するひきこもり当事者・家族、アバターで相談しやすく

甲府市福祉保健部の調べによれば、同市内のひきこもり当事者は、民生委員・児童委員が把握しているだけでも128人いると推計され、全体の71.3%が40歳~60歳とのことです。この調査は「当事者の生活を支える親などの高齢化により、社会的に孤立する8050問題(7040問題)に陥る可能性の高い世帯が相当数ある」と指摘しています。

さらに、調査協力者の意見として、家族が相談することをためらい、「なるべく周囲に隠し通せるなら隠しておきたい意向」が挙げられています。また地域交流や近所づきあいの減少などから、ひきこもり当事者の発見が困難であり、本人と顔を合わせることもないため、情報も不確かだとしています。こうした状況を受け、甲府市は「アバターでコミュニケーションがとれるメタバース上であれば、ご本人も相談しやすくなるのではと考えた」とのこと。

バーチャル技術を活用して社会的な孤立を防ぐ政策は、2022年頃から全国的に複数の試みが見られます。一例として、福岡県「おいでよ きもちかたりあう広場」は若年者向けレクリエーションなどを開催しており、京都府「ぶいきゃん2023 京都」は、不登校学生の居場所支援を行っています。

(参考)甲府市


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