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軍事利用 2019.08.31

イスラエル軍がVRトレーニング テロ組織の地下トンネルを再現

軍事トレーニングでVR/ARの導入が進んでいます。AFP通信は、イスラエル軍がVRを用いた軍事訓練を導入していると報じました。

水滴の落ちる地下トンネル

VRを体験中の兵士の視点を映し出すコンピューターの画面には、非常に狭い道が見えます。ヘッドセットを装着した兵士は、バーチャル空間の壁を手探りしながら頭を動かし、上下左右をくまなく見渡します。

「天井から落ちる水滴まで、全て見ることができます」と兵士は感想を述べました。「そこにいるかのように感じます(中略)湿度や息苦しさもあります」

兵士がヘッドセットを通して見ているのは、VRで再現された地下トンネルです。レバノンのイスラム教シーア派原理主義組織ヒズボラが、イスラエルとの国境付近に掘削した地下トンネルを元にしています。これらは、イスラエル軍及び市民への攻撃目的で作られたということです。

2018年12月に、イスラエル国防軍はこのようなトンネルの掃討を実施。6つの地下トンネルを発見、破壊したと言います。トンネルの中には、地下55メートルの深さに達するものもありました。

テクノロジーは必須要素

「テクノロジーは、戦闘における不可欠な要素です」とイスラエル国防軍ヤハロムトレーニングセンターのある将校は語り、そのために大規模な投資を行ったとします。
今回のコンテンツではヒズボラの地下トンネルをデジタルスキャン。ヘッドセットを通して体験できるようにしています。

将校によれば、実際の戦地での訓練は、常に可能なわけではありません。そこで役立つのがVRです。自陣を離れることなく、危険な環境に慣れることができます。イスラエルでは3年前からバーチャルトレーニングを導入し、すでに100名もの兵士が体験したということです。このトレーニングでは、爆発物の除去作業等の訓練も行えます。

バーチャルトレーニングで準備

ある兵士は地下トンネルでの任務について、「地下何十メートルもの深さにいることは、気持ちの良いものではありません(中略)何であれ、準備が重要です」と話し、バーチャルトレーニングが「地下トンネルに入る準備をより整えてくれた」と言います。

イスラエルはこのような“VRルーム”でのトレーニング後、地下トンネルのモックアップでも訓練を行い、さらに実戦に備えています。

(参考)The Times of Israel


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