テクニカルライターのJanko Roettgers氏が自身のニュースサイト「Lowpass」で、Metaのメタバース担当副社長Vishar Shah氏の独占インタビューを掲載しました。Metaが7月29日に発表した新作シューティングゲーム「Super Rumble」は、同社のソーシャルVR「Horizon Worlds」の人気復活とモバイル対応に向けた「広範なリブートの一環」だとしています。また、本作の開発を担った社内スタジオ「Oura Interactive」の存在も明らかになりました。
Metaが社内でゲームスタジオ「Ouro Interactive」を立ち上げ
Janko Roettgers氏は7月28日、個人メディア「Lowpass」に「独占: MetaのHorizon Worldsリブートの内幕(Exclusive: Inside Meta’s Horizon Worlds reboot)」と題したニュースレターを掲載しました。
Roettgers氏はニュースレター内でMetaの新作VRゲーム「Super Rumble」を紹介。これはMetaのソーシャルVR「Horizon Worlds」内でリリースされたタイトルであり、同社が新たに立ち上げたゲームスタジオ「Ouro Interactive」が制作していることが明らかにされています。
Metaは400万ダウンロードを突破した人気VRゲーム「Beat Saber」を手がけたBeat Gamesや、VR版「バイオハザード4」を開発したArmature Studioなど、複数のゲームスタジオを買収済み。「Oculus Studios」ブランドのもとゲーム開発を進めていました。今回、Metaは「Horizon Worlds」の改善を図り、新たなゲームスタジオを立ち上げたものと予想されます。
「Horizon Worlds」のリブートや、主要SNS間のアバター連携を狙う
2021年に公開された「Horizon Worlds」は、さまざまなトラブルや批判にさらされ、2022年末には月間アクティブユーザー数(MAU)が20万人を下回るなど、Metaの主要SNS(Facebook、Instagram等)と比べて、幅広いユーザーの人気を得られていません。
このことについて、Metaのメタバース担当副社長Vishar Shah氏は、人気が低迷する「Horizon Worlds」の再出発(リブート)に向けて、水面下で様々な取り組みを行ってきたことを明かしました。一例として、「Horizon Worlds」のモバイル向けアプリは、リリースを延期して全面的に作り直しています。
さらにShah氏は今後もクロスプラットフォーム化のためのインフラ構築や、アバターの相互運用性を実現したいと回答。将来はアバター対応が予想される「Meta Messenger」に「Horizon World」のアイテムやアバターを配信可能とする構想にも言及しています。
Shah氏は、以前からMetaがメタバースとAIの両方に投資していることにふれ、「メタバースは死んでいない。メタバースの誇大広告(Hype)は死んだ」と述べたうえで、「これはまだ始まったばかりの10年の旅だ」と強調しました。