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活用事例 2019.10.30

香港デモのVRゲームを学生が制作、配信目指す

2019年、香港では若年層を中心とする大規模デモが継続しています。このデモに参加する学生達が、「最前線の抵抗者」の視点からデモを体験するVRゲームを制作、オンラインでの公開配信を目指しています。

催涙ガス、警官から逃れ抵抗

英国のメディアロイターは、寂れた高層ビルの一室で開発者への取材を行いました。ゲームは短いながらも作り込まれたファーストパーソンシューティングで、プレイヤーは催涙ガスをかわしたり、身を潜め、警官の追跡から逃げるといったアクションを取ります。

VRヘッドセットを装着すれば、360度の没入感と共に体験が可能。”自由のために戦え”、”五大要求、一つも欠けてはならない”、等の現実に使われるスローガンが書かれた、色とりどりのポストイットメモをスキャンするインタラクティブな要素もあります。

「最前線の抵抗者たちが、どのような危機に直面しているか体験できます」Lamと名乗る30歳の開発者は、顔をマスクで覆ったまま取材に応じました。「ゲームをプレイした後、外に出て(=デモに参加)行かなければならない、という意味ではありません。我々は、自由のために戦う人々が外に出れば良いと思っています」

暴力や違法行為を容認はしない

二人の同級生とともにゲームを制作したLamは、ゲームはデモ参加者に暴力や違法行為を容認するものではないと話します。そのような意図は、ゲームのオンラインでの公開を阻害するものだ、と彼女は説明しました。しかし一方で、確かに「デモ参加者を支持」する立場だということは認めています。このゲームこそが、一つの抵抗方法なのです。

香港のデモを巡っては10月上旬、デモ参加者を取り扱ったモバイル向けRPGが、グーグルのアプリストアから削除されました。またeスポーツの大会で、デモを支持する発言をしたプレイヤーが出場停止処分を受けるという出来事も起きています。学生は、既にゲームを配信会社に提供したとのこと。11月のリリースを希望しているといいます。

(参考)Reuters


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