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テック 2019.11.29

MRデバイス「HoloLens 2」価格・購入方法・スペックなど最新情報まとめ(2019年11月版)

2019年11月7日より、日本を含む国や地域で法人向けに出荷が開始された、マイクロソフトの新型MRデバイス「HoloLens 2(ホロレンズ 2)」。前世代機の「HoloLens」と入れ替わり、導入事例が増えることが推測されます。

本記事では、HoloLens 2とはどういったデバイスなのか?、何ができるか?などの特徴や、前世代機からの改良点、スペック、価格、購入方法などをまとめて紹介します。

目次

1.HoloLens 2とは
2.初代HoloLensとは何が違うのか
2-1.視野角・解像度が2倍以上に
2-2.ハンドトラッキングが大幅改善
2-3.視線追跡機能が追加
2-4.装着の快適性を向上
2-5.より産業向けに設計
2-6.クラウドサービス「Azure」との連携
3.HoloLens 2のスペック
4.価格や購入方法
5.HoloLens 2の最新情報を知りたい人へ

HoloLens 2とは

「HoloLens 2」は、マイクロソフトがMixed Reality(複合現実、MR)を実現するデバイスとして2016年に発売したMRデバイス「HoloLens」の次世代機です。2019年2月にスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2019(MWC2019)」にて発表されました。

HoloLensは、PCやスマートフォンと接続する必要がなく単体で動作し、透過型のレンズを通して現実にバーチャルなデジタル情報を表示することができるデバイスです。現実にある壁や床といった周囲の環境をセンサーで認識するため、3Dオブジェクトを机や上に配置したり、壁に貼り付けたりといったことが可能です。

これまでにも産業利用を中心に、HoloLensを活用して作業効率化や経費削減を図るといった実験的な導入が多数進められてきました。

初代HoloLensとは何が違うのか

視野角・解像度が2倍以上に

HoloLens 2は前世代機に比べ、視野角が2倍以上広くなり、ピクセル密度も2倍以上、片目2Kの解像度を実現しています。実際に体験してみると、まだ視野角が広いとまでは言えませんが、HoloLensの課題の1つとして挙げられていた「視野角が狭い」という問題解消に近づけるべく、広視野角で高精細なグラフィックスに進化しています。

ハンドトラッキングが大幅改善

視野角に並ぶ改良点として言えるのが、ハンドトラッキングの大幅改善です。前世代機では一部の指を使った非常に限られたジェスチャー操作しかできませんでした。HoloLens 2では、両手の10本の指の動きを認識できるようになりました。これにより、表示されている3Dオブジェクトを文字通りつかむことや、細かく操作するといったことが可能です。


(発表会では、現実には存在しないピアノを弾く様子を披露していた。HoloLens 2が装着者の手をきちんと認識・追跡していることが分かる)

視線追跡機能が追加

HoloLens 2には眼球の動きを認識するアイトラッキング機能が搭載されています。デモでは、虹彩認証(Windows Hello)による自動ログインと視線操作が紹介。空間に設配置したPDFファイルを視線でスクロールして読む機能が披露されました。

装着の快適性を向上


(後頭部のダイヤル)

HoloLens 2には様々な性別や人種、年齢をもつ数千人の頭の形状を元にした設計が施されています。デバイスの固定は、多くのVRヘッドセットでも主流の固定方法となっている「後頭部でダイヤルを回して固定する」形式に変更されました。電源は後頭部側面に、バッテリーやプロセッサーは後頭部に搭載され、重量バランスが配慮されています。

また、ディスプレイは不要な時は上に跳ね上げることのできる「フリップアップ機構」を採用。MRの表示を一旦止めて視界を確保したいときに、グラス部分を上に跳ね上げることができる機能です。

発表会に登壇したHoloLensの生みの親アレックス・キップマン氏は、前世代機に比べ「3倍快適になった」として、より長時間快適にMR体験を続けられるようになったと語りました。

より産業向けに設計

HoloLens 2は産業向けにフォーカスして設計されており、箱を開けたときからすぐ使えるアプリケーションが提供されます。前世代機から現場での用途としてニーズが高い、「レイアウト」や「リモートアシスタント」などが最適化されて利用可能です。作業内容などマニュアルや操作方法を表示する「Dynamics 365 Guides」も提供されます。

(発表会ではTrimble社のカスタムHoloLens 2が披露)

また、HoloLens 2ではカスタマイズが可能な「HoloLens 2 Customization Program」が設けられており、用途に応じて調整・カスタマイズが可能です。

クラウドサービス「Azure」との連携

マイクロソフトはHoloLens 2と同社が展開するクラウドサービス「Azure」との連携による「Azure Mixed Reality」サービスも提供しています。

本サービスの「Spatial Anchor」は、空間情報を端末同士で共有し、複数台のHoloLens 2で同じ3Dオブジェクトを見ることができます。ARKit対応のiOSやARCore対応のAndroidとも連携し、プラットフォームを超えて空間情報を複数人で共有することも可能です。


(左が10万ポリゴン、右が1億ポリゴン)

また「Remote Rendering」は、デバイス単体では描画が難しい高ポリゴンの3Dモデルをクラウド上でレンダリングし、より精細なモデルを表示することができます。発表会ではHoloLens 2単体では10万ポリゴンでしか表示できない3Dモデルを、Remote Renderingを使って1億ポリゴンで描画する様子も披露されました。HoloLens 2のプロセッサにはクァルコムのSnapdragon 850が採用されています。

Windows Blogsでは、HoloLens 2とAzureを活用したデモが紹介されています。日本語が話せないプレゼンターが、自身の3Dモデルを利用して日本語でプレゼンしている様子が映し出されています。こちらはテキスト読み上げ機能「neural TTS」という技術が使われており、自身の声でフランス語やポルトガル語といったさまざまな言語で話すことが可能とのことです。

HoloLens 2のスペック

公式サイトに記載されているスペックは以下の通りです。

・ディスプレイ

光学方式

シースルー・ホログラフィック・レンズ (導波路)

解像度

2k 3:2光エンジン

ホログラフィック密度

>2.5 k 光点  (ラジアンあたりの光点)

目をベースにしたレンダリング

3 次元での目の位置に対するディスプレイの最適化

・ センサー

ヘッドトラッキング

4台の可視光カメラ

アイトラッキング

2台の赤外線カメラ

デプス

1-MP ToF (Time of Flight))深度センサー

IMU

加速度計、ジャイロスコープ、磁力計

カメラ

8-MP(静止画)、1080p30(動画)

オーディオ&マイク

マイクアレイ

5チャンネル

スピーカー

空間音響を搭載

人間の動きの把握

ハンドトラッキング

両手完全連動モデル、直接操作

アイトラッキング

リアルタイム追跡

音声認識

オンデバイスのコマンドとコントロール、インターネット接続を利用した自然言語

Windows Hello

虹彩認識によるエンタープライズグレードのセキュリティ

・ 環境認識

6DoF トラッキング

世界規模の位置追跡

空間マッピング

リアルタイム環境メッシュ

Mixed Reality キャプチャ

ホログラムと物理環境の複合写真、複合ビデオ

・プロセッサと接続

SoC

Qualcomm Snapdragon 850 コンピューティング プラットフォーム

HPU

第2世代オーダーメイド ホログラフィック処理装置

メモリ

4GB LPDDR4x システム DRAM

ストレージ

64-GB UFS 2.1

WiFi

Wi-Fi: Wi-Fi 5  (802.11ac 2×2)

Bluetooth

5.0

 USB

USB Type-C

・サイズ

シングル サイズ

メガネの上に装着可能

重量

566g

・ソフトウェア 

ソフトウェア

Windows Holographic Operating System
Microsoft Edge
Dynamics 365 Remote Assist
Dynamics 365 Guides
3D Viewer

処理能力

バッテリー駆動時間

2~3時間 (連続使用の場合)

充電

USB-PD ((急速充電の場合)

冷却

パッシブ  (ファン非搭載)

電池

リチウム搭載

価格や購入方法

HoloLens 2の国内向けデバイス単体(商用版)の価格は383,800円(税別)です。販売はデバイス単体、およびリモートアシスタントツールがセットがなった月額パッケージ「HoloLens 2 with Remote Assist」、開発者向けの「HoloLens 2 Development Edition」の3種類で展開されます。

HoloLens 2 単体

HoloLens 2 with Remote Assist

HoloLens 2 Development Edition

HoloLens 2 デバイス

Dynamics 365 Remote Assist

保証

商用目的の使用権限

Azure クレジット 500ドル分

Unity Pro および PiXYZ プラグイン
(3 か月間無料)

デバイス購入制限

なし

なし

ユーザーごと1台

価格

383,800円(税別)

1ユーザーにつき月額125ドル~(※)

月額99ドル~(※)


購入方法はデバイス単体はマイクロソフト ストアの法人サポート窓口、および認定リセラー(日本ビジネスシステムズ株式会社株式会社大塚商会)から購入可能。「HoloLens 2 with Remote Assist」は認定リセラーから購入が可能となる予定です。「HoloLens 2 Development Edition」の購入希望者は開発者プログラムに参加して詳細を確認してください。

(※米国における参考価格。また、リース型ではなく割賦型の支払い方法。日本国内における価格や支払い方法、期間などの詳細は現在準備中とのこと)

HoloLens 2の最新情報を知りたい人へ

Mogura VR Newsでは、HoloLens 2に関する最新情報を随時掲載しています。「HoloLens 2のことをもっと知りたい!」という方は、下記をチェックしてみてください。


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