米国の調査会社ガートナーが、「先進テクノロジーのハイプ・サイクル:2018年」を発表しました。今後5~10年において高度な競争優位性をもたらす可能性が高い一連のテクノロジーに注目し、これからの動向を分析しています。
ガートナーの「ハイプ・サイクル」
ガートナーが毎年公開している「ハイプ・サイクル」は、新興技術の可能性の多くは過大評価、あるいは過小評価されがちであるため、その技術の成熟度を見極めることを目的としてグラフに表示したものです。
グラフは横軸に大きく5つの段階に分かれており、「黎明期」、過度な期待の「ピーク期」、「幻滅期」、「啓蒙活動期」、「生産の安定期」の順番に沿って発展するとしています。各期間の詳細な説明はガートナーの公式サイトで参照できます。
ハイプ・サイクルの2018年版では、先進技術のトレンドとして「AIの民主化」「エコシステムのデジタル化」「DIY(自己流)バイオハッキング」「透過的なイマーシブ・スペース」「ユビキタスなインフラストラクチャ」の5つを挙げています。AR/MRはバイオハッキング(遺伝子実験)に関する技術として言及されています。
ARは幻滅期のほぼ底に
昨年の発表で幻滅期の最中にあり、これからさらに下降すると予測されていたARは、幻滅期のほぼ底に達したとされています。今後は幻滅期を脱して啓蒙活動期へと入り、5~10年の期間をかけて一般へと普及するという予測です。
ARKitやARCoreといったプラットフォームが発表され、VRよりも速く普及するという調査結果もあるARですが、ガートナーの分析ではVRよりも普及に要する期間は長く予測されています。
MRは幻滅期に入ろうというフェーズ
MRは昨年の調査で明示されていませんでしたが、幻滅期に入ろうとしているという予測です。これからさらに下降し、普及までに5〜10年を要するとしています。
VRは普及の段階へ
一方VRは2018年版のハイプ・サイクルから姿を消しました。啓蒙活動期を経て、一般への普及段階に入ったと考えられます。現在VRコンテンツは一般向けのエンタテイメントにとどまらず、ビジネスや医療、教育分野など用途の拡大を見せています。