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業界動向 2020.10.13

視線追跡技術のFOVE、プラットフォームをアプデ 視線データ収集やソフト開発支援に照準

株式会社FOVEは、視線追跡VRプラットフォームのアップデートを実施しました。アップデートにより、眼振計測や表情認識に⽤いられる眼の形状データなどが取得可能に。研究者や商用利用向けの拡張性の⾼い視線データの収集やソフトウェア開発・研究が可能になりました。

VRヘッドセット開発からソフト開発へ照準

FOVEは視線追跡技術に関する日本のスタートアップです。2016年に鴻海やサムスンから12.3億円を調達しました。同年、着用者の視線と瞬きを認識できるVRヘッドセット「FOVE 0」を発売し注目を集めましたが、以降VRヘッドセットに関する情報は公開されていませんでした。

視線追跡技術は脳震盪の検出や脳の健康状態の測定など医療の場での活用も進んでいます。FOVEは、2020年8月に認知機能の評価測定ソフト「認知機能セルフチェッカー」を開発。アイセイ薬局グループの30店舗において本機を設置するサービス提供を開始しています。VRヘッドセット開発から、産業向けに視線追跡技術を活用するためのプラットフォーム提供に軸足を変更したように見受けられます。

今回のプラットフォームアップデートでは、研究者向けのPro版、商用利用向けのEnterprise版、無償のBasic版それぞれでアップデートが実施されています。

Pro版では、眼振計測に活⽤される眼の回旋⾓度や、表情認識に⽤いられる眼の形状データが取得可能に。また、⽚⽬ずつキャリブレーションを行え、斜視の⽅でも視線追跡機能を利用できるようになったとのこと。

Enterprise版では、短時間でキャリブレーションができるSingle point calibra機能やGUIカスタマイズ⽤のAPIが新たに⽤意されています。⼤⼈数向けのソフトウェアをカスタマイズしたUXで提供可能に。またJetson NX SoCsにも対応し、「FOVE 0」設置が可能にりました。

Basic版では、新たにUbuntu Linuxにも対応し、C/C++/ C#/Pythonで記述された開発者向けSDK、UnityおよびUnreal Engines向けのプラグインにもアップデートが行われました。

FOVEの開発環境やランタイム環境は以下の通りです。

・開発環境

OS

開発ツール

Windows 8.1以降

FOVE C/C++/C#/Python
Unity
Unreal
SteamVR

Ubuntu Desktop 20.04 LTS
(NVIDIA binary driverが必要)

FOVE C/C++
Unreal(コーディングが必要)
SteamVR

・ランタイム環境

OS

開発ツール

Windows

FOVE C/C++/C#/Python
Unity
Unreal
SteamVR

Ubuntu Desktop 20.04 LTS
(NVIDIA binary driverが必要)

FOVE C/C++
Unreal
SteamVR

Jetson Xavier NX (L4T)
(Enterprise 版のみ)

FOVE C/C++
Unreal


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