Oculus Rift、Project Morpheus、HTV Vive……。高性能なVRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)は今年末から来年上旬にかけて登場予定です。
5月19日さらに新たなVRHMD「FOVE」がKickstarterを開始しました。目標金額は25万ドル、6月4日までのキャンペーンとなっています。
FOVEはPCに接続してゲームを遊んだり、エンターテイメントのみならずヘルスケアやSNSなど様々な用途で使うことを目的としているVRHMDです。Oculus Riftと同様に頭の動きに合わせた360度のVRを楽しむことができます。
その最大の特徴は、「視線認識」。プレイ前に目の動きを登録(キャリブレーション)することで、頭の動きだけでなく、目の動きでポインタなどを動かすことが可能になります。この機能は他のVRHMDには全く搭載されておらず、FOVEの最大の売りといえるでしょう。
目線を読み取り、VR内のキャラクターとコミュニケーションがとれる
肢体不自由の方が目線でピアノを演奏することを目指したプロジェクト
FOVEの主な性能は以下の通りです。
解像度:WQHD(2560×1440)
視野角:100度
フレームレート:60fps(90fpsまで引き上げ予定)
視線認識精度:0.2度以下(予定)
視線認識頻度:120fps
重量:400g
要求PCスペック:2560×1440の解像度で100fps以上の動作が可能なもの
開発用のキットは2016年初の出荷を予定しています。
Kickstarterの主な出資額と報酬は以下の通りです。
349ドル:製品版(200名限定)
375ドル:製品版(400名限定)
399ドル:製品版
499ドル:開発者キット(100名限定)
等
本プロジェクトはSCEでゲーム開発に携わっていた日本人の小島由香氏と、顔認識の専門家Lochlainn Wilson氏の2名の下、開発が行われています。
筆者は2015年3月に実機を体験しましたが、視線の認識が非常に正確で速かったのがとにかく印象的で期待できるものでした。頭によるターゲッティングと異なり、本来目も使っている人間の動きを完全に再現したものとなっており、とにかく目を向けると自然に照準が合うという感動を味わえるデバイスです。性能を見る限り更に向上しているようなので、引き続き注目したいところです。(早速349ドルを出資しました)
視線を合わせた瞬間にレーザーが飛ぶのはきわめて自然な動きで圧巻の一言だ(プロトタイプ版なのでデバイスは黒色)
(参考)
FOVE:The World’s First Eye Tracking Virtual Reality Headset – Kickstarter(英語)
https://www.kickstarter.com/projects/fove/fove-the-worlds-first-eye-tracking-virtual-reality