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テック 2023.01.30

NTTドコモ、産学連携で触覚共有技術「FEEL TECH」開発

NTTドコモは、モノに触れた時の触覚を相手の感じ方に合わせて共有する技術「FEEL TECH」を開発・発表しました。本技術は慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科、および国立大学法人名古屋工業大学大学院工学研究科との共同で開発。将来的には「職人やスポーツ選手が持つ、触覚の認識」や「昔触った感覚を鮮明に思い出す体験」、「ECサイトでの製品の手触りの再現」などを提供できる、としています。

超高速6G回線で”人間の拡張”を

ドコモは「身体のユビキタス化」、「スキルの共有」、「感情の伝達」、「五感の共有」、「テレパシー・テレキネシス」を通しての“人間の拡張”をビジョンとして掲げています。このビジョンは超高速回線である6Gを用いて、人間の神経伝達速度を超える伝送速度で人の動きや感覚をネットワークを介して違う場所に届けることを目指すもの。同時に、これは感覚等の情報を届ける相手の特性に合わせて変換・調整し、安全により伝わりやすくする技術の実現でもあります。

同社は“人間の拡張”を通して、多様性の享受やハラスメントなどの社会的課題の解決にも貢献し、一人ひとりが輝き寄り添いながら、あらゆる可能性が広がっていく社会“Wellbeing Society”の実現を目指しています。

感覚共有のためのインターフェース・人間拡張基盤

“人間の拡張”を可能にするため、ドコモが開発しているのが「人間拡張基盤」です。同社によると​​「人間拡張基盤」では、共有相手の触覚に対する感度特性の事前取得や、共有したい触覚記録のアーカイブ保存が可能です。これらの機能により、任意の相手やデバイス、多人数での触覚共有、さらには時間を超えた触覚共有が実現できるとしています。つまり「人間拡張基盤」は、感覚や動きを伝達する一種のインターフェース機能と言えます。

今回発表された触覚共有技術「FEEL TECH」は「人間拡張基盤」、触覚を把握する機器(センシングデバイス)、再現する駆動機器(アクチュエーションデバイス)にて構成されます。本技術はセンシングデバイスで「触った時の力・振動」を圧力計測し、アクチュエーションデバイスを用いて振動を再現します。なお、アクチュエーションデバイスで再現する触覚は、視覚となる映像と合わせた形で共有されます。

ドコモによると、本技術によって映像や音、文字や言葉による表現だけでは伝えきれなかった感覚を相手に共有できるため、医療や伝統工芸などの感覚を重視する技術への活用が期待できるとのこと。またECサイトで洋服などの商品の手触りまで伝えられるようになるなど、VRやARだけでは味わえない、よりリッチな購買体験も将来的に実現可能としています。

「FEEL TECH」は、2023年2月2日からオンライン開催する「docomo Open House’23」および2023年2月27日からスペインで開催の「MWC Barcelona 2023」で紹介される予定です。

(参考)プレスリリース


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