Home » 2020年、XR産業の展望は? プレイヤー14社が語る


業界動向 2020.02.17

2020年、XR産業の展望は? プレイヤー14社が語る

ゲームエンジンで知られるUnityは、2020年のエンタープライズ分野におけるXR(AR/VR/MR)の展望についてレポートを発行しました。14社15名の関係者から寄せられた、2020年の見通しを紹介します。

Augmented Reality(AR)

Magic Leap

空間コンピューティング技術により、製品の設計製造、従業員教育の方法は変わりつつあります。空間のビジュアル化で、設計製造のプロセスはより効率化できます。
2020年には、さらに多くの企業が、空間コンピューティング技術や3D空間ビジュアル化を活用すると期待しています。

PTC

2020年、ネットワークのスピード、クラウドコンピューティングといったものには新たな進歩があるでしょう。これを背景に、ARはエンタープライズ分野でさらに高い付加価値を実現できるようになります。
クラウド上のデータに素早くアクセスするというニーズが5G通信で叶えられれば、ARソリューションは一層強力なものとなるでしょう。

AR Insider

産業界でのAR導入には、当初の期待よりも時間を要しています。導入のキーとなる要素を3つに分解すると下記のとおりです。
・People
経営層だけでなくすべての階層の個々人に対して、ARによるROI改善を自分ごととして捉えてもらうこと
・Product
現場レベルでのリサーチに基づき、オペレーションの中の本当に困っている点にアプローチすること
・Process
トップダウンのイノベーションではなく、専門分野をまたいだプロトタイプ化を行うこと。経営上の数字だけでなく人を中心とした導入を行うこと。

Taqtile

2020年は空間コンピューティング技術が、魅力的なデモ、実証実験やパイロットプログラムの段階を脱却するときです。作業者はより一貫して、効率的にタスクを遂行可能になり、一方で人や機械を傷つけるリスクは低減することができます。

Trigger

2019年、アーリーアダプターの企業は試験的に少数のARヘッドセットを購入していました。しかしARのポテンシャルや必要性に気づき、ツールの拡充や、自社のデータとの連携を進めていくと考えられます。2020年はこのように、企業がカスタマイズされたソリューションへ投資する年になります。

Unity

ARに必要なことは、周囲の世界のデータを素早く処理することです。従ってユーザーエクスペリエンス設計は、単に各デバイスに合わせた設計を行うのではなく、周囲の世界との各インタラクションに合わせた設計が必要になります。だれとどこにいるのか、時刻、ユーザーの声、といったものです。

Virtual Reality(VR)

Oculus

ここ数年のアプリケーションテスト期間を経て、多くのVRユースケースが利益に結びつくことがわかってきました。2020年は、インフラ構築やワークフローの統合など、規模の拡大が必要な時になります。またベンチャーキャピタルの注目も高まっており、新たな投資の波が来ます。多くのスタートアップやイノベーションが登場するでしょう。

HTC VIVE

来る年は、これまでで最も強固なイノベーションのエコシステムが見られるでしょう。アイトラッキング、ジェスチャー認識、空間コンピューティングといった技術がXR体験の基盤となります。技術革新に伴い、様々な分野や規模の企業にとって、XR体験はより広くアクセス可能なツールとなります。

Innerspace

VRトレーニングのトレンドとして、企業は次の2つのポイントをより強化したいと考えています。
・より深い内容で、本物に近いVRトレーニング
・ヒューマンエラーの原因に対する精通

Innoactive

企業は、より大きなスケールで3Dアセット、VRアプリケーションといったデータにアクセスできる環境を志向するようになっています。プラットフォームを問わず、どこでもリアルタイムにアクセスできる状態です。
今後はこのような、データ周りのインフラ構築に時間が割かれるでしょう。

Mixed Reality(MR)

NVIDIA

下記3つのトレンドにより、AR/VRは飛躍的に成長するでしょう。
・より速く、強力なグラフィック性能
・分散したグラフィックスを利用するための、クラウドベースのモバイルXR
・エンタープライズ分野へのXR浸透

Tech Trends

企業のXR活用について研究やユースケースが増えるに連れ、実験的な段階から脱却しつつあります。よりターゲットを絞り、業界に合わせたアプローチを取ったXRの活用への変化です。エンタープライズ向けXRは、次の成長ステージに入るところだと言えます。

Talespin

VRトレーニングは新たなスキルの習得を助けるだけでなく、役割やシーンに応じたスキルセットを、リアルタイムに提供することができます。データへの随時のアクセス、3Dデータの活用、リモートコラボレーションといった対応から、仕事のパフォーマンスをこれまでにないレベルへ高めることができるでしょう。

Varjo

2020年、産業分野でのAR/VR活用はMRへとシフトするでしょう、そして、AR/VRへ戻ることはありません。VR/ARデバイスがすべてMRデバイスになっていく兆候が初めて見られる年となります。パススルーのXRやVarjoのWorkspaceを活用し、コンピューティングの革命が始まる年です。

Unity

2020年、VRとARは試験運用から大規模導入へとシフトします。導入・維持コストの低下によりROI改善にも結びつきます。様々な分野で、VR/ARの広い採用が見られるでしょう。

(参考)Unity


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード