電通グループがRobloxとパートナーシップ契約を締結しました。電通グループ内のR&D組織らが連携し、Roblox向け没入型広告のフォーマット開発やクリエイター協業、IPホルダー誘致などを進めます。
日本最大の広告代理店グループが本格参入
電通グループはこれまでにも自動車業界や消費財業界の顧客企業に、Robloxユーザーとのコミュニケーション機会を提供してきました。その後、6月28日付でRobloxの優先パートナー・プログラム「Roblox Partner Program」に創設メンバーとして参加し、パートナーシップ契約締結に至りました。
今後はグループ内のR&D組織「電通イノベーションイニシアティブ」（以下DII）とXRイベント/コンテンツ開発を手掛ける「XRX STUDIO」が提携して、「新しい広告体験の開発やIPビジネスを幅広く提供」するとしています。
具体的には没入型広告フォーマットの共同開発、ゲームクリエイターとの協業、インフラ構築、日本の有力IPホルダー誘致などを推し進めるとしています。また、GeekOut株式会社がパートナーシップをサポートし、今後も提携を続けます。
若年層が支持する巨大メタバース「Roblox」
「Roblox」はプレイヤーが自身でゲームを制作したり、他のプレイヤーが作ったゲームを遊べるオンラインゲームプラットフォームです。ゲーム内仮想通貨「Robux」を用いたアバターやファッションアイテムの売買が盛んで、ファッションイベントや音楽ライブが定期開催されるなど、最大規模のメタバースのひとつとして知られています。
（出所：Roblox）
直近の四半期決算発表によると、Robloxの全世界日間アクティブユーザー数（DAU）は6,610万人超、ユーザー自作のコンテンツ（UGC）は3,200万以上に達します。特に北米圏で絶大な人気を誇り、主なユーザー年齢層は17歳～24歳と若年層が占めています。また、同四半期のユーザー総滞在時間は145億時間にもおよびます。
Robloxは電通をグローバルな提携先に指名
Robloxの発表によると、今回の提携は「日本におけるRobloxとの既存のパートナーシップをグローバルなコラボレーションに拡大」する位置づけです。優先パートナー・プログラムの創設メンバーには、電通のほかにDubit、Playwire、Sawhorse、The Gang Group、Vayner3などが挙げられています。いずれもメタバースやゲーム分野において、コンテンツ制作、データ分析、コンサルティングなどを手掛ける企業です。
（優先パートナー・プログラム参加企業のThe Gangは、11億回以上訪問されたゲーム「Strongman Simulator」や、VANSとのコラボゲーム等を展開している。出所：The Gang）
優先パートナー・プログラムの発表に際して、Robloxの最高製品責任者マニュエル・ブロンスタイン氏は、この取り組みを「誰もがRobloxプラットフォーム上で創作し、販売し、収入を得ることができる経済を構築するという当社の長期的ビジョンに向けた新たな一歩」だとコメントしています。
