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活用事例 2017.11.07

VR作品が史上初のアカデミー賞受賞 逃げる不法移民の視点を体験

10月27日、米国の映画芸術科学アカデミーはメキシコの映画監督アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ氏が制作したVR体験『Carne y Arena』にアカデミー監督賞を授与するとの発表を行いました。昨今、エミー賞などの様々な映画祭でVR作品がノミネートや受賞をしていますが、アカデミー賞でVR作品が受賞するのは今回が初となります。

イニャリトゥ氏は過去にもアカデミー賞を複数回受賞しており、2015年公開の『バードマン』、2016年の『レヴェナント:蘇りし者』では2年連続で受賞しています。そして今回受賞した『Carne y Arena』は、同氏が制作した初のVR体験です。

ルームスケールのVR体験とVR映画を融合

本作の制作にはVRコンテンツスタジオのILMxLABと、アカデミー賞受賞歴を持つエマニュエル・ルベツキ氏が参加しています。

『Carne y Arena』はルームスケールのVR体験とVR映像を組み合わせた体験型のインスタレーションによって、米国ーメキシコ間の国境を越えようとする不法移民の姿を描く作品です。視聴者は国境を警備する兵士やヘリコプターから逃れる移民の集団の中に紛れ込んだかのような体験が可能です。

映画芸術科学アカデミーの代表者であるJohn Bailey氏は、本作について以下のように述べています。

「イニャリトゥ氏によるマルチメディアアートと映画体験は、感情的にも身体的にも没入できるものだ。(中略)VRという新技術を用いた画期的なブレイクスルーである以上に、米国とメキシコ間の国境に横たわる政治的で、社会的な問題と直結している」

『Carne y Arena』の授与式は11月11日にハリウッドで開催される第9回Governorsアワードにて行われる予定です。また、本作は現在ロサンゼルス・カウンティ美術館にて11月12日まで展示が行われています。

(参考)
VRScout / Iñárritu’s ‘Carne y Arena’ Just Won an Oscar(英語)
https://vrscout.com/news/inarritu-vr-experience-oscar/

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