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テック 2017.09.18

ロボットを遠隔操作し爆弾処理 VRを活用し安全に

爆発物や危険物を処理する際、従来は人員が直接近づいて処理作業を行なっていましたが、これは大きな危険を伴う作業でした。現在はロボットを遠隔操作することによってこれらの作業を安全に行うことができますが、VRを活用することで、ロボットの操作を従来よりも直感的に行うことができる技術が登場しました。

世界展開をしている研究機関SRIインターナショナルは、爆発物処理用のロボットである「Taurus Dexterous Robot」を開発しています。このロボットを使い、ロボットアームをモニターとコントローラーを通して遠隔操作して、爆発物の解除や危険物の撤去などを行います。

Oculus Riftを用いてTaurusを遠隔操作

SRIインターナショナルは今回、VRを用いて「Taurus」を遠隔操作する技術を開発しました。ユーザーはVRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)Oculus Riftを装着し、手にはTouchコントローラーを持って約15ポンド(約7キログラム)のロボットアームと、その先端部分の可動するハサミを操作することができます。この技術はWIREDによって紹介されました。

「(この技術によって)ユーザーは遠隔地でロボットを操作する際、より没入できて、現場にいるような感覚になる」と、SRIの研究・開発ディレクターであるMark Baybutt氏はWIREDに語っています。

ヘッドセットを装着すると、ディスプレイにはロボットの拡大レンズの映像が表示され、Touchコントローラーで使用できる機能のアイコンが表示されます。また、コントローラーを通してハプティック(触覚)を感じることもできるため、遠隔地にいるロボットをより直感的に操作することができます。

画期的な技術、しかし課題も

SRIの遠隔操作ロボット技術のディレクターを務めるThomas Low氏が米メディアVRScoutに語ったところによると、この技術は画期的でありながらも現段階では実用的ではないとのこと。「現行のVRヘッドセットはロボットの高画質映像の表示に適していない」と語ります。

さらに、同氏によると「現行のコンシューマー向けのVRヘッドセットでは、Taurusのカメラ映像を完全に表示することができない」とのことですが、「しかし、ユーザビリティが向上し、かつ導入コストが安いといった点を考えると、(ディスプレイの低解像度という)短所を補っている」と語っています。

「将来、高解像度の映像を表示できるHMDが登場すれば、現場で使用できるレベルにまでアップグレードできる」とのことです。現段階ではあくまでデモ技術ですが、HMDの性能の向上と共に実用化の可能性が高まる技術であり、今後の発展に注目されます。

(参考)
VRScout / This Robot Disarms Bombs Through Virtual Reality(英語)
https://vrscout.com/news/taurus-bomb-robot-virtual-reality/

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