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テック 2017.05.22

物を見たら情報が表示されて購入 Paypalが考えるARを使った決済技術

Web上で支払いをする際に便利なのが、Paypal(米国)、Alipay(中国)などの電子決済システムです。米電子決済大手Paypalは、この利便性を実世界へと持ってこようとしていることが新たに出願した特許から分かりました。特許の詳細によると、ARヘッドセットを身につけたユーザーの視界に映るものを認識し、決済する場合はヘッドセット上に決済情報を表示してそのまま決済できるシステムを提案しています。

Paypalの考えるARヘッドセットを使った実世界での決済方法

現在、Paypalはショッピングサイトでの購入時に利用する電子決済システムとして利用されています。Paypalを使ったオンラインショッピングはクレジットカードの番号をその都度入力したり、相手先の銀行口座に振り込んだりせずに、決済ボタンを押すだけで簡単に支払うことができます。出願された特許はこの手軽さを実世界で実現しようとするものです。特許の名称は、「情報を決定するためのARの利用」という題名ですが、説明されているのは実世界でPaypalを使った取引方法についてです。

具体的な特許の中身を確認すると、以下のような文言が見受けられます。

”拡張現実デバイスを使用して対象オブジェクトを識別し、対象オブジェクトに関する関連情報を提供するためのシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品が開示される。

例として、コンピュータへの実装方法は、画像内に存在する複数のオブジェクトの中から関心のあるオブジェクトを識別するステップと、識別に基づいて関心のあるオブジェクトのリアルタイム情報を決定するステップと、前記画像に関連付けられたユーザ選択に基づいて前記対象オブジェクトを含む取引を処理するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法


特許中で述べられていることと、特許中で描かれている上図を合わせて考えると、ユーザーがこのシステムを使用してバスのような特定の対象物に関わることができることを示しています。このシステムは最終的に、チケットを購入してバスに乗るというオプションをユーザーに伝える前に、ルート、時間、料金などのバスに関する情報までも提供しています。

実世界での取引も囲い込もうとするPaypal

このような実世界を認識して決済を行うシステムが実現すると、Paypalにとても膨大な新しい取引が発生する可能性があります。Paypalが自社でARヘッドセットを開発しているという情報はありません。利用にはARヘッドセットが必要となります。

今後それらのARヘッドセットが普及し、このようなシステムが活用できる水準までになったとき、このようなアイデアが活用される可能性が高いと考えられます。

(参考)
Paypal Wants To Create AR Systems That Let You Purchase What You See – (英語)
https://uploadvr.com/paypal-ar-system-buy-see/

 

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