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業界動向 2018.05.31

建設・製造の現場が劇的に変わる 3DデータのAR/VR活用を進めるソリューション「AR CAD Cloud」

VRやAR(拡張現実)などを産業で活用する流れが進んでいます。2017年から2018年にかけて、国内外で多数の大手企業がAR/VRに参入。AR/VRのデバイスも様々な企業から発売されており、活況を見せています。

こうした状況の中、国内の建設業・製造業の企業でもAR/VRの活用が始まっています。建設会社ではARのデバイスを使い、建造物のミニチュアを現実空間に表示して工事の進捗を共有・管理する試みや、設計図面を投影して現実の建設現場などで利用するケース、製造分野ではVRを用いて遠隔でデザインや設計データを共有するなど、すでに現場への導入が進んでいます。


(画像:Microsoft HoloLens 公式サイト

AR/VRに必要なデバイスやソフトウェアは、高性能で価格的にも数万円から数十万円と、一昔前に比べてぐっと敷居が下がりました。実験的な取組を経て様々な産業での活用事例が見られるようになってきています。

デジタルデータの可視化や複数人数でのモデルシェアによる合意形成の迅速化、危機管理系の研修・トレーニング、施工管理の効率化など、ビジネスにおいてAR/VRのメリットは多いことが導入のきっかけとなっています。

敷居が下がったとはいえ、AR/VRコンテンツを建設業・製造業で活用するためには、企業が持つ豊富な3D CAD/BIMデータといった3DモデルをAR/VRで使用できるように変換・最適化する必要があります。

国内では3Dデータが多数あるものの、活用に課題


日本国内には大量の3D CADデータが存在していますが、これらのデータをAR/VRで利用するためには、いくつかの乗り越えるべき課題があります。

雑多なソフトウェア環境やファイルフォーマットが存在することに加え、CADデータはそのままAR/VR開発用のデータとして読み込むことができず、データ変換を行わなくてはならないことが挙げられるでしょう。さらにCADデータはそのままではデータ量が膨大で取り扱いが難しくなるため、CADデータのリダクション(3Dデータのポリゴン数を削減し、データを軽量化すること)が必要となるなど、3D CADデータからAR/VRコンテンツに加工するまでのプロセスで多くの手間がかかってしまいがちです。

それゆえ、現状は国内に多くの3Dデータがあるにも関わらず、AR/VRでの3Dデータ活用がなかなか進んでいませんでした。

こうした現状を打破するために開発されたのが、3D CAD/BIMデータをAR/VRデバイス向けに自動変換するソリューション「AR CAD Cloud」です。

3Dデータを手軽にAR/VRで利用できる「AR CAD Cloud」



(画像:AR CAD Cloud

「AR CAD Cloud」は、3DのCAD/BIMデータを、AR/VR向けに自動で最適化するソフトウェアです。AR CAD Cloudを使用することで、マイクロソフトのデバイス「HoloLens」やVRデバイスを用いて、3DデータをVR/ARですぐに確認できるようになります。特別なノウハウが不要かつ自動化されていることから、AR/VRでの利用を手軽に行うことが可能な点が特長です。

本ソフトウェアは株式会社ホロラボが開発を手がけ、販売をソフトバンクコマース&サービス株式会社が担当しています。株式会社ホロラボは、マイクロソフトからパートナープログラムの認定を受けている、実績のある開発会社です。

AR CAD Cloud(ダイジェスト動画)

「AR CAD Cloud」では、3D CAD/BIMデータをアップロードし、クラウド上で自動最適化処理を行うことで、データ変換やリダクションを簡単に実現できます。その後AR/VRデバイスにダウンロードすることで、3Dデータを実際の現実空間や仮想空間上に表示、立体視で確認することができます。

まずは使用したい3Dデータをドラッグ&ドロップし、クラウド上にアップロード。自動でデータの軽量化や調整が行われます。

その後、軽量化されたデータをHoloLensでダウンロードします。アップロードやダウンロードはインターネット環境がある場所で行う必要があります。

HoloLensを起動、モデルを選択すると、目の前に3Dモデルが出現し、現実の空間に重ね合わせて表示することができるようになります。


(AR CAD Cloudは、データをアップロードし、その後クラウド上で自動最適化処理を行い、最終的にはAR/VR/デバイスにダウンロードすることで表示する)

実際に筆者もAR CAD Cloudを経由した3D CAD/BIMデータをHoloLensで見ましたが、3Dデータを2Dのモニタで見るのに対し、より立体感やスケール感をもって確認できることが大きなメリットだと感じました。HoloLensは周囲の現実空間を認識するため、3Dモデルを表示したまま歩き回って様々な角度から確認することも可能になっています。

単なる表示ではなく、複数人数でのモデルシェアやVRにも対応


さらに直近のアップデートにより、マルチデバイスへの対応が行われています。HoloLensだけではなく、マイクロソフトによるPC向けの没入型ヘッドセット(※)を用いて確認したり、Webブラウザ向けに変換し、スマートフォンなどでも確認できるようなデータ形式で出力することも可能です。

※没入型ヘッドセット:Windows Mixed Realityヘッドセットという名称でLenovo、Acer、HP、DELL、富士通から発売されているPC向けのVRヘッドセット。対応PCにUSBケーブルとHDMIケーブルを接続するだけで、高品質なVR体験が可能となる。

さらに、AR CAD Cloudでは、複数人数でひとつの3Dデータをシェア・共有できる機能も搭載されています。遠隔地であってもデータを共有することが可能となっているため、例えば東京の本社と大阪のオフィスで、音声通話を使いながら同一のモデルを同時かつ複数人数でチェックすることもできます。

これらの機能を持つAR CAD Cloudを利用することで、事前に設計レビューを立体的に行うことや、遠隔地で同期しながら確認し、生産性向上や合意形成を迅速化することが可能となります。

5月開催の「Unite Tokyo 2018」や「de:code 2018」で実機デモを展示、相談可能


AR CAD Cloudの販売を行うソフトバンクコマース&サービス株式会社と開発を担当する株式会社ホロラボは、本日2018年5月7日から9日にかけて開催中の「Unite Tokyo 2018」に登壇・出展します。


(画像出展:Unite Tokyo 2018 公式Webサイト

「Unite Tokyo 2018」はゲームエンジン「Unity」の国内最大のカンファレンスイベントです。ゲームエンジンと名付けられてはいるものの、多くのAR/VRコンテンツの開発では、Unityが採用されており、HoloLensの3Dコンテンツはおよそ9割がUnityで制作されています(「AR CAD Cloud」も、Unity向けにコンバートして出力する機能を備えています)。

出展ブースでは、実際にHoloLensを装着して「AR CAD Cloud for BIM」を試すことができるほか、担当者と直接話すことで、具体的な相談を行うことができます。

登壇時間は5月8日の午後5時40分から6時10分まで、セッション「HoloLens/Unityによる産業向けAR/VR開発の勘所とソリューション」となります。セッション内容は非プログラマーでも分かりやすい内容となっており、HoloLensおよびWindows Mixed Realityの開発ノウハウや、事例に基づく産業分野でのAR/VRの活用ヒント、自社ソリューションを育てていく上での知見が得られます。

AR/VRの建設業・製造業での活用や、3DデータのAR/VRにおける利用を検討している方は要チェックです。

さらに5月22日から23日にかけて、日本マイクロソフトの主催する開発者向けイベント「de:code2018」にもブース出展(Autodeskブース内)を行います。こちらでもHoloLensを使用て「AR CAD Cloud for BIM」を体験し、導入検討や活用について相談可能です。

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