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開発 2022.06.17

Adobeの3Dモデリングソフト「Adobe Substance 3D」がメジャーアップデート。研究プロジェクトも発表

2022年6月14日、Adobeは3Dモデリングソフトシリーズ「Adobe Substance 3D Collection」のメジャーアップデートを発表しました。一部ツールのApple M1/M2シリーズSoCへのネイティブ対応などを含むアップデートが、6月14日付でリリースされています。

Apple Mシリーズへネイティブ対応などが実現。3D造形ワークフローを担う新製品も発表

Adobeによれば、「Adobe Substance 3D」ツールは前年比100%の成長を遂げ、月間アクティブユーザー数は数十万人に達しているとのこと。今回発表されたメジャーアップデートの主な内容は、以下のようなものとなっています。

・「Adobe Substance 3D Painter」「Adobe Substance 3D Designer」「Adobe Substance 3D Sampler」の、Apple Mシリーズへのネイティブ対応(6月14日リリース)。
・新しい「Adobe Substance 3D Materials SDK」にて、開発者が独自のプラグインを作成し、他のアプリケーション内でAdobe Substance 3D MaterialとModelエンジンを使用することが可能に(6月14日リリース)。
・「Adobe Substance 3D Plugin for Unity」がアップデートされ、Unityエンジン内で直接Adobe Substanceパラメトリック素材の読み込み、適用、修正が可能に(6月末リリース)。

さらに、年内に新製品「Adobe Substance 3D Modeler」をリリースし、「Adobe Substance 3D」がカバーする機能に3D造形ワークフローを追加する予定であることも発表。「Adobe Substance 3D Modeler」はデスクトップおよびVR環境で動作し、コンセプトアートの作成、スケッチやプロトタイピング、精緻なキャラクターや小道具の作成、シーン全体を構築できます。

また、Adobeは今年の夏より、「Adobe Substance 3D」の無償利用を、世界中のすべての学生および教員に拡大することも発表しました。

研究機関がメタバース体験強化するための研究プロジェクトを発表

今回の「Adobe Substance 3D Collection」メジャーアップデートに合わせて、Adobeの研究機関・Adobe Researchは、メタバース体験を強化するための以下の研究プロジェクトを発表しました。

・Adobe ResearchとAdobe Commerceが提供する新しいAR および 3D ショッピングツールは、オンラインに存在する豊富な商品情報を店舗でのショッピング体験に組み込みます。顧客がモバイルデバイスでスキャンした商品ごとに、パーソナライズされたショッピングのヒント、商品価格比較、レビュー、詳細情報にアクセスできます。
これにより、購買客は店頭に居ながらにしてより良い購買決定を下すことができ、小売業者はニーズに合わせてリアルタイムで対応できるツールを手に入れることができます。B2B企業であれば、この技術を利用して倉庫における在庫管理を最適化することもできます。

・ARでの顧客体験を最適化するために、視覚的な詳細を損なわずにロード時間を短縮する新しいインテリジェントな手法を先行発表しました。AIを活用したこの新しいアプローチでは、顧客の視線の動きに基づき最も関連性の高いARコンテンツから優先的に描画するため、通常必要とされるロード時間を数分の1に短縮しながら高品質なAR体験を提供できます。
これにより、多くの企業が悩まされている、大規模で複雑なARシーンのロード時間の遅さに起因する問題を軽減できます。この技術はAdobe Aeroに年内搭載される予定です。

AdobeのCreative Cloud担当エグゼクティブ バイスプレジデント兼CPO・Scott Belsky氏は、パリで開催された顧客向けイベントにて「先見性のある企業は、3Dや没入型コンテンツの制作能力を高めることで『メタバース対応』を進めています。これは、3Dの専門知識を持つクリエイティブアーティストにとって大きなチャンスです。今回発表したイノベーションは、その数が急速に増加しているAdobe Substance 3Dのユーザーに新たなスーパーパワーを提供します」とコメントしました。


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