世界規模のデジタルツインを開発するblackshark.aiが、2,000万ドル(約23億円)を調達しました。今回の資金調達は「地理空間データへのアクセスと洞察を大規模に加速し、メタバース・イノベーションを推進するため」と発表されています。
世界規模のデジタルツインを開発
オーストリアに拠点を置くBlackshark.ai。衛星データとAIをベースに、地球のセマンティック3Dデジタルツインを生成しています。blackshark.aiが開発した技術は、地理空間データや3Dシミュレーション環境を世界規模で利用できるプラットフォームです。
blackshark.aiの共同設立者兼CEOのマイケル・プッツ氏は次のように説明しています。
「我々のプラットフォームは、ペタバイト級の衛星データをほぼリアルタイムで処理し、建物の足跡・高さ、土地利用、水域、道路や線路などのインフラ資産といった意味的な情報を正確に抽出することができます」
昨年リリースされた「Microsoft Flight Simulator」は、同社の技術によるものです。地球全体を3Dモデル化したフライトシミュレータで、地球全体を写真のようにリアルな3Dで表現しています。
今回の資金調達について
今回のラウンドでは、マイクロソフトのベンチャーファンドであるM12とPoint72Venturesが共同でリードしました。また、Google Earth共同創業者であるブライアン・マクレンドン氏、元Airbus Defense and SpaceのCEOであるダーク・ホーク氏、Applied IntuitionのCEOであるカサール・ユーニス氏が顧問として参加しています。
デジタルツイン関連では、地球全体のみならず建物内、都市レベルなど様々なレイヤーで動きが活発になっています。2021年9月に施設管理向けのデジタルツインソリューションの3i Inc.が約27億円(当時)を調達し、メタバース・プラットフォーム事業の拡大を言及していました。7月には、世界中でデジタルツイン・プラットフォームを展開するMatterportが上場を果たしています。
国内では、スペースデータが衛星データと3DCG技術を活用して地球上の構造物を3Dモデル化するAIアルゴリズムを開発。また、国土交通省による「Project PLATEAU」や東京都によるデジタルツインのプロジェクトサイト開設、東京大学とユーカリヤによるデジタルツイン構築プラットフォーム公開など、デジタルツイン関連のニュースが盛んになっています。
(参考)blackshark.ai