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VRゲーム・アプリ 2022.12.30

2022年に発売されたVRゲーム振り返り 特に話題になったタイトル10選

2022年もPCVR、Meta Quest 2、そして今年発売のPICO 4などから、多くのVRゲームが発売されました。この記事では、今年発売されたVRゲームの中で、特に話題を呼んだタイトルを10本ピックアップして振り返ります。

一部のタイトルは、各プラットフォームのオンラインストアで開催中の大型セールの対象にもなっています。年末年始のこの機会に遊んでませんか?

「Zenith: The Last City」

「ファイナルファンタジー」に「ソードアート・オンライン」といった日本のRPG、アニメなどから影響を受けたVRMMORPGです。遥か数世紀前の大厄災の再来を阻止するため、プレイヤーは勇者となり、狂暴化した魔物たちとの戦いを繰り広げていきます。

VRリズムゲーム「Beta Saber(ビートセイバー)」風の戦闘システム、100時間を超える圧倒的なボリューム、どこにも登れて、空も飛べたり泳ぎもできてしまう自由度の高いアクションの数々が特徴です。

多人数同時参加型のマルチプレイ、フレンドを誘っての巨大ボスとの戦闘など、MMORPG特有の要素も網羅。期間限定開催のイベントも用意されています。

VRとしては初めての大規模なMMORPGということで、発売前から大きな注目を集めていた本作は2022年1月に発売。当初の発表通り、その後も定期的なアップデートが実施され続けており、収録コンテンツも発売当時以上のものになっています。本稿執筆時点でも早期アクセス版の位置づけですが、PC(Steam)版の情報によれば期間は1年予定で、ちょうど2023年1月にそのタイミングを迎えます。今後、どういった発展を続けていくのか。そして、日本語には対応するのか。動向が注目されます。

◇Meta Quest 2(Quest Pro)版
https://www.oculus.com/experiences/quest/3594982710558708/

◇PC(Steam)版

「オノゴロ物語 ~The Tale of Onogoro~」

大正時代の日本を思わせる異世界を舞台にしたVRアクションアドベンチャーゲーム。VR脱出アドベンチャーゲーム「Last Labylinth(ラストラビリンス)」を開発したあまた株式会社による新作です。

前作「ラストラビリンス」では衝撃的な演出と謎解きを発表して大きな話題となりましたが、今作は全体的に明るい雰囲気で、発表当時はその作風のギャップも注目を集めていました。

プレイヤーはVRヘッドセットを通してこの異世界へと召喚されたゲーマーのという設定で、巫女の「ハル」と共に聖地「オノゴロ島」に迫りくる大厄災を阻止するため、冒険を繰り広げていきます。

蒸気仕掛けの神具「陰陽銃」で「気の力」を吸い取り、様々な仕掛けを解いていく謎解き要素を前面に出した作りが特徴です。

冒険をサポートしてくれるハルは、鎖で足を拘束されているため、それにちなんだ独特な謎解きも満載です。また、キャラクターの台詞はフルボイスで、ハル役には「ラブライブ!」の絢瀬絵里役などで知られる声優・歌手の南條愛乃さんが起用されています。

2023年にはPSVR2版も発売予定です。新ハードでは、どのような体験が楽しめるようになるのかが注目されます。

◇Meta Quest 2(Quest Pro)版
https://www.oculus.com/experiences/quest/2302319493201737/

◇PC(Steam)版

◇PlayStation VR版(※12/26より発売中)
https://store.playstation.com/ja-jp/product/UP1181-CUSA37628_00-0554751544041063/

「Cities: VR」

都市建設シミュレーションゲーム「Cities: Skylines(シティーズ:スカイライン)」のVR向け完全新作です。大都市の市長になり、予算内で道路に線路といった交通インフラ、商業区などの区画を整備しつつ、自分だけの街を作り上げていきます。

オリジナルの「シティーズ:スカイライン」を遊んだことがない初心者でも大丈夫。チュートリアルが充実しており、都市の建設規模もオリジナルよりも多少縮小していて、管理が行き届きやすくなっています。

また上空から街の景観を眺めたり、市民、自動車が行き交う様子を確かめたりできるVR版ならでは視点機能も搭載。ポインタによる指定を基本とした操作のため、直感的に各種コマンドを選べるようになっています。

本作が発表されたのは2021年12月のこと。当初はオリジナルの「シティーズ:スカイライン」をVRで遊べるようにしたリメイクと思われていましたが、その後に独自の新作であると発表され、注目を集めました。また発売後には新マップを追加するアップデートも実施。本稿執筆時点では独自の新作としての立ち位置を確立している印象です。

ちなみにほぼ同じタイミングで、似たようなコンセプトを持つ「Little Cities」という街づくりシミュレーションゲームがQuest 2向けに発売されるということもありました。(※最終的には「Cities: VR」から少しだけ時期をずらす形で発売されています)

◇Meta Quest 2(Quest Pro)版
https://www.oculus.com/experiences/quest/4046879905345967

「Moss:第2巻」

3人称の視点構成、プレイヤー自らが仕掛けに介入するゲームシステムを特徴としたVRアクションアドベンチャーゲーム「Moss」。その続編となります。ストーリーは前作のエンディング後からはじまります。主人公は白いネズミの「クイル」。残酷なアーケインの野望を阻止するため、雪原などの新たな土地を乗り越えながら冒険を繰り広げていきます。

基本的なゲームシステム、3人称視点を前提としたマップ構成などは前作のまま。そこに新マップ、新武器が導入され、より起伏に富んだ内容となっています。前作を遊んだプレイヤーからの意見も反映され、特にボリュームは前作以上に。戦闘もパズルも、より洗練されています。

2022年12月開催の「The Game Awards」では「Best VR/AR」受賞の栄誉に輝きました。
2023年にはPSVR2版が前作「Moss」と一緒に発売予定です。アイトラッキングに対応していたり、グラフィック面が強化されていたりと、これまでとは異なる作品になるとのことです。

◇PlayStation VR版
https://www.playstation.com/ja-jp/games/moss-book-ii/

◇Meta Quest 2(Quest Pro)版
https://www.oculus.com/experiences/quest/4395292760584049/

◇PC(Steam)版

「RUINSMAGUS ~ルインズメイガス~」

2021年にクラウドファンディングを実施し、950万円以上もの支援金を得たことで注目を集めたVRアクションRPG。大きな遺跡を中心に構える「遺跡都市グランアニムス」を舞台に、新人魔法使いの主人公(プレイヤー)がヒロインのアイリスと共に様々な困難に立ち向かいながら、遺跡の最深部に眠る秘密に迫っていくというストーリーが描かれます。

攻撃から防御、回復といったあらゆる行動をコントローラ本体を直接動かすだけで簡単に繰り出せる”なりきり感”の高い操作スタイルが特徴。遺跡に一度でも足を踏み入れれば、後戻りは不可能になるなど、探索パートも緊張感を煽る仕上がりとなっています。

戦闘時に用いる魔法(ガントレット)と盾にも複数の種類が用意され、それぞれを戦況に応じて付け替えたりするという戦術的な立ち回りもできます。性能を強化できるカスタマイズ&アップグレード機能もあり。

本編の「クエスト」の数は25以上!。グランアニムスの街中を散策でき、行く先々で出会うキャラクターたちとの交流も楽しめます。台詞はフルボイスで、各キャラクターたちに実力派の声優陣が起用されているのもポイント。2022年の日本産VRゲームにおける代表作のひとつと言ってもいいでしょう。

発売後にも有料ダウンロードコンテンツや無料アップデートによるクエストの追加などが提供され続けています。PSVR2版も発売予定です。

◇Meta Quest 2(Quest Pro)版
https://www.oculus.com/experiences/quest/6669173709823400/

◇PC(Steam)版

「RUNNER」

違法な運び屋を営む主人公「Mina」となり、警察とドローンの軍隊による追撃を振り切りつつ、物資を届けることに挑むVRバイクシューティングゲーム。自走するバイクを制御しながら、拳銃、ロックオンミサイルなどの武器で追手の敵を迎撃していくという昔懐かしのレール型のスタイルとなっています。

特筆すべきはその世界観。「AKIRA」、「攻殻機動隊」、「バブルガムクライシス」などの名作日本アニメへの強烈な影響が現れたものになっています。しかも、本作の発売日には当時のアニメを意識した演出、日本語歌詞による主題歌が流れる特別な紹介映像も公開されました。

ゲーム本編も全7セクター(ステージ)構成ながら、敵の出現パターンなどに法則性がなく、遊ぶたびに違った展開になるという特徴的な要素を搭載。それらに対して前回の経験と知識、アドリブで応じていく手に汗握る戦闘……という名の運送業務が楽しめます。苛烈な攻撃に対しても、Minaが持つ特殊能力「R.U.S.H」を使えば時間の流れを遅くすることが可能。武器も遠距離に限らず、近距離のエネルギーサーベルが用意されていて、それで斬り返すといったSFな世界観ならではのアクションも楽しめます。

最初の発表当初から、1980年代後半から1990年代前半に放送していたアニメっぽさが全開で、直撃世代であれば嫌でも注目してしまう魅力がありました。それから少し時を経て、2022年10月に発売を迎えましたが、アニソン風の主題歌が流れる紹介映像まで公開されるというのには度肝を抜かれた方も多いのではないでしょうか? 惜しむらくは、本稿執筆現在も日本語に未対応なことですが、ここまでのことをした以上は字幕だけに限らず、音声も含めたローカライズをして欲しいと願うばかりです。

◇Meta Quest 2(Quest Pro)版
https://www.oculus.com/experiences/quest/6501835653220720/

「DYSCHRONIA: Chronos Alternate(ディスクロニア クロノスオルタネイト)」

犯罪発生率0.001%を誇る海上都市「アストラム・クローズ」にて起こるはずのなかった殺人事件が発生。特別捜査官「ハル」が犯罪の真相に迫っていき……というVR捜査アクションアドベンチャーゲームです。「東京クロノス」、「ALTDEUS: Beyond Chronos(アルトデウス: ビヨンドクロノス)」で知られるMyDearest株式会社開発による新作です。

前2作は伝統的なアドベンチャーゲームを元にした作りでしたが、本作では敵に気づかれないよう行動する潜入捜査を始め、アクション的な要素が増加。統合人工知能「ユースティス」に対して証拠を突き付けて事件の真相に迫る「審問パート」でも、プレイヤーが自ら手足を使って犯行を再現するという、従来のコマンド選択型の枠組みからの脱却を図った体験が楽しめます。

舞台である海上都市を自由に移動できる「捜査パート」でも、ハルの特殊能力「メモリーダイブ」で特定の対象に刻み込まれた持ち主の記憶を辿るといった、独自の要素を実装。グラフィック面でも数千匹の魚、クジラが視界を覆うなどのQuest 2(Quest Pro)専用タイトルならではの派手な表現が用意されています。

「東京クロノス」、「アルトデウス: ビヨンドクロノス」と話題作を続けて発売してきたMyDearestの新作ということで、発売前からも積極的に生配信を実施するなど、話題を振りまき続けていたのが印象的です。従来型アドベンチャーゲームの枠組みを脱する試みの数々も注目を集め、発売後はゲームとしても盤石な評価を獲得するに至っています。

エピソード分割型の販売形式を採っていて、本稿執筆時点では「Episode II -終局の銃弾-」までが実装済み。残る最終エピソードは2023年春に発売予定で、非VRのNintendo Switch版、PSVR2版も相次いで発売される予定となっています。果たしてどんな結末を迎えるのか……配信の時が待たれる所です。

◇Meta Quest 2(Quest Pro)版https://www.oculus.com/experiences/quest/5040861172638649/

「ALTAIR BREAKER(アルタイルブレイカー)」

VR剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」を開発した株式会社Thirdverseの新作にして、”新時代のVR超絶剣戟アクション”を称した作品。仮想世界「ALTAIR(アルタイル)」を舞台に、凶悪な戦闘AIたちとの戦いを繰り広げていきます。

”超絶剣戟アクション”に相応しい、現実世界では到底不可能な空中コンボ、必殺技による広範囲攻撃などの派手なアクションをVR特有の直感操作で楽しめるのがポイント。剣戟に限らず、グライダーで滑空したり、壁をよじ登るといった移動周りでも縦横無尽な動きが気軽にできます。

オンラインマルチプレイにも対応。最大4人までが参加でき、Quest 2とPC(Steam)版とのクロスプレイも楽しめます。ボイスチャット機能があらかじめ備わっているため、声でコミュニケーションをとりながら戦闘に参加できます。

音楽を「龍が如く」シリーズなどで知られる坂本英城さん、サポートAI「ステラ」の声優にアニメ「SSSS.GRIDMAN」の新条アカネ役などで知られる上田麗奈さんと、演出周りにも力が入っています。

11月には大型アップデートも実施され、ボリュームが拡充。2023年にはPSVR2版も発売予定で、マルチプレイの参加プレイヤー数が増える可能性が見込まれます。

なお。前作「ソード・オブ・ガルガンチュア」も一時停止中にあるオンラインサービスが2023年に再開予定。時期は上旬を予定しているとのことで、詳細発表が待たれます。

◇Meta Quest 2(Quest Pro)版
https://www.oculus.com/experiences/quest/4599090550122539/

◇PC(Steam)版

「Among Us VR」

根強い人気を誇る宇宙人狼系アクションゲーム「Among Us」(アモング・アス、またはアマング・アス)のVR版。ゲームルールは非VR版のオリジナルと共通。「クルー(乗組員)」、「インポスター(詐欺師)」の2陣営に分かれ、宇宙船を舞台にそれぞれに課せられた条件の達成に挑みます。クルーは宇宙船内で発生中のトラブルの修理(タスク)の全完了、およびインポスター全員の追放。インポスターはクルーの人数をインポスターよりも少ない人数まで減らすことが主な目的です。

VR版は視点が1人称視点になり、実際に宇宙船内でそれぞれの立場になりきった気分でゲームを楽しめます。見下ろし視点のオリジナル版と異なり、プレイヤーの背後が見えないことも大きなポイント。これにより、クルーの時にインポスターから不意打ちを喰らった際の恐怖度が底上げされています。

ゲーム中に発生するミニゲームにも一部、今回のVR版独自の新しいものを追加。ボイスチャット、クイックテキストチャットなど、コミュニケーション機能周りも網羅されているほか、ジェスチャーによるやり取りも可能です。

もちろん、オンラインマルチプレイにも対応。PC(Steam)版とのクロスプレイも可能ですが、参加人数はオリジナルの4~15人から4~10人までと、多少減っています。

2022年12月の「The Game Awards」にも「Best VR/AR」にノミネートされましたが、最終的には前述の「Moss:第2巻」が受賞するに至っています。

日本でも人気を博している「Among Us」のVR版だけに、発表当初から大きな関心が寄せられていた作品。目の前にほぼ等身大のクルー、インポスターが動き回るというVR版ならではの迫力に満ちています。

日本語にも対応しています。オリジナルを遊んだ人もどれほど違うのか、軽く試してみてはどうでしょう?

◇Meta Quest 2(Quest Pro)版
https://www.oculus.com/experiences/quest/4948428055244413

◇PC(Steam)版

「Gorilla Tag」

上半身のみ(下半身なし)のゴリラになって、他のゴリラ(プレイヤー)たちとの鬼ごっこに興じるマルチプレイ専用のVRアクションゲーム。小さな箱庭状のフィールドの中を駆け巡りつつ、鬼ごっこをします。最終的に鬼がプレイヤー全員を捕まえてしまうとゲーム終了。その後、別の誰かが鬼になって再スタートするということの繰り返しです。

非常に単純な内容ですが、最大の特徴となっているのが操作性。手に持ったコントローラを直接動かし、地面や壁を前のめりに引っかき、前進するというスタイルです。一見、直感的で簡単そうですが、常に引っかき続けないと進めないため、結構体力を使います。同時にゴリラの特性を再現しきっていて、人間に秘められし野生の本能を刺激。つい人間性を忘れてしまうほど動かしては駆けずり回ってしまう楽しさを持っています。

鬼ごっこに限らず、カラーボールが備え付けられたスリングショットを用い、相手が背負った風船を割る「ペイントボール」といった特殊な対戦モードも収録。オンラインにも対応しており、最大で3~4人が参加できます。さらにクロスプレイにも対応。PC版、Quest版のプレイヤー双方で鬼ごっこもペイントボールも楽しめるようになっています。

2021年2月のPC(Steam)版配信以来、累計プレイヤー数が450万人を突破するなど、絶大な人気を獲得した本作。2022年12月より、ついに正式版が配信開始となり、ゴリラのカスタマイズなどの新要素が多数追加されました。

また、PC(Steam)版に関しては当初の無料配信ではなく、有料配信へと切り替わっています。Quest版は本稿執筆時点でも無料で配信中。ただし、デジタルコンテンツが複数同梱されたバンドルパッケージは有料です。

◇Meta Quest 2(Quest Pro)版
https://www.oculus.com/experiences/quest/4979055762136823/

◇PC(Steam)版


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