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ゲーム・アプリ 2022.02.28

少女と繰り広げる冒険活劇! 和風スチームパンクVRゲーム「オノゴロ物語」を先行体験

2022年3月18日(金)に発売を予定している新作VRアクションアドベンチャーゲーム「オノゴロ物語 ~The Tale of Onogoro~」。公式サイトで様々な情報が公開され、期待が大きく高まっています。

今回は発売に先立ちゲームの序盤プレイと、本作のディレクター兼プロデューサーの高橋宏典氏にインタビューを行なうことができたのでその模様をお届けします。

要石に囚われた少女とともに謎を解け!

本作は平行世界の日本で、スチームパンクと大正時代を組み合わせたような設定になっています。冒険の舞台はオノゴロ島という空に浮かぶ島です。昔は聖地で限られた人しか入れない島でしたが今は観光地としても賑わっており、地表からもロープウェイでこの島を訪れることができます。

本作の主人公(プレイヤー)は新作のVRゲームをプレイしようとヘッドセットを被ったところ、平行世界の日本に似た世界に繋がってしまいます。自分の前には鎖に繋がれて自由を奪われている少女「コセ・ハル」がいて、プレイヤーに助けを求めてきます。

この「ハル」というキャラクターが、本作でプレイヤーと共に旅をするパートナーキャラクターです。

彼女が囚われているのは「要石」と言う名の巨大な石で、そこから鎖が伸びており、拘束しているという構図になっています。プレイヤーはその場に落ちている「陰陽銃」という道具を使うことで「要石」を動かして、「ハル」とともにその場から移動できます。

「ハル」の姿をよく見ると人体の腕や足の部位が機械のようなものになっていることがわかります。これは「アラキダ・マサタケ」というキャラクターにより拘束された上に体の各部位を奪われているのです。

ゲームシステム的には「要石」に囚われている「ハル」を「陰陽銃」で移動させながら、冒険を進めていくことになります。というのもステージ内の閉じた扉やギミックを動かすためには「ハル」の協力が必要不可欠だからです。

今回プレイできたChapter1は神社の表参道のようなエリアになっており、広い道とその横に商店らしき建物が並んでいるのが見えました。ここはチュートリアルを兼ねたエリアになっていて、最初はハルと協力して扉を開く方法を教わり、次は謎を解かないと開かない扉に挑戦、そしてモンスターとの戦闘といった具合になっています。

さすがにChapter1で戸惑う部分はほとんどありませんでしたが、どうしても次の扉を開くスイッチが見つからなかったり、敵の集中砲火を受けてしまうシーンもありました。両方とも冷静に対処すれば問題なく進めるでしょう。

少女と一心同体となって、巨大ボスを倒せ!

最後に待ち受けているボスモンスター「カミ」はさすがに歯ごたえがある難易度になっていました。このボスモンスターとの戦いは道中に出現する雑魚モンスターとは比べ物にならないほど困難なものになっていました。

まず攻撃パターンが雑魚モンスターとは全く異なります。今回戦ったのはChapter1のボスモンスター「コトアヤネ」で、巨大な鳥状のモンスターです。飛び回りながら上空からエネルギー弾のようなものを発射してきたり、タイミングによっては「ハル」を上空高くに連れ去ることもあります。

「ハル」が落下するとダメージを受けてしまうので、落下前に陰陽銃を使ってハルをうけとめる必要があります。文字にすると簡単なのですが、これがなかなかに難しい。筆者はプレイ中何度か挑戦したのだが、うまく受け止めることができませんでした。

「ハル」とプレイヤーは体力を共有している一心同体の関係です。プレイヤーがダメージを受けても、ハルがダメージを受けてもお互いの体力が減っていってしまいます。

そこでハルがダメージを受けると体力を回復する必要があるのですが、回復にはハルと両手を繋いで一定時間を経過させる必要があります。どのタイミングで攻撃するか、回復を挟むのか、頭を使いながらの戦闘を体験することになりました。

ふれあっていくうちに少女と心が通っていく

体力回復以外の点もそうですが、ゲーム中の「ハル」とのコミュニケーションが本作で最も印象的でした。

生身の人間のように自然な振る舞いをする「ハル」。ゲームをプレイする前はなんてことのないゲームの1人の登場キャラクターくらいに考えていたのですが、ゲームを始めるとあまりにも自然な振る舞いをする彼女に特別な感情を抱いていることに気が付きました。

プレイヤーと手を繋いだり、問いかけにプレイヤーがうなずくというシステム。それは表示される選択肢をコントローラーで選択するという体験でなく、非常に人間らしいやりとりでした。ゲームを初めて十数分もするとゲームのキャラクターとはとても言えない特別な感情を抱いてしまったのです。あまりにも人間らしい動きをする「ハル」にドキドキするほどでした。VRの没入感もその気持ちをより高めたように思います。

プレイヤーにとって「ハル」との冒険は、もちろん特別な体験になります。ある意味では一方的に助けを求められている身勝手な存在とも言えるのですが、ゲームをプレイしていくと「彼女のために役に立ちたい、彼女を救うために冒険をしたい」と、そう思わせる魅力がありました。

「ハル」と過ごす特別な冒険の時間

プレイを通して感じた本作の1番の特徴は「ハル」というパートナーキャラクターと一緒に冒険の旅をしていくというゲームシステムです。パートナーキャラクターと進んでいくという点は、あまた株式会社の前作タイトルである「Last Labyrinth(ラストラビリンス)」と似ている構造になっています。

大きく違うのは「ラストラビリンス」ではプレイヤーは車椅子に拘束され自由を奪われていたのですが、本作は逆にパートナーキャラクターが拘束されているという構造です。

謎解きも面白いし、巨大ボスとの戦闘は歯ごたえがあり楽しいです。それらも本作の魅力です。ただ1番印象に残ったのはとても人間味あふれる魅力的なパートナー「ハル」と過ごす冒険の時間です。

ただのゲームキャラクターとは言わせない魅力的な少女。彼女のためなら多少の困難が待ち受けていようとも冒険に出ようという気持ちになりました。

ディレクター兼プロデューサー高橋宏典氏インタビュー

――本日はよろしくおねがいします。まずはゲームの概要について、あらためてお教えいただけますか?

高橋氏:

前作は「VR脱出アドベンチャー」というジャンルでしたが、今回は「VRアクションアドベンチャー」というジャンルです。対応プラットフォームはMeta Quest/Quest 2で、2022年春にローンチ予定です。

設定をちょっと補足しておくといわゆる異世界物ではあるのですが、平行世界の日本という国で、大正時代っぽいスチームパンクな感じの世界になります。

プレイしていただいたChapter1が表参道だったので、日本の伝統的な感じのものが多かったと思うのですが、先に進むにつれて繁華街っぽくなったり、蒸気工業地帯のようになっています。

ステージをパズルのような感じで、パートナーキャラの「ハル」と協力しながら謎解きをしていって、学習したパズルのギミックなどを応用しながら、カミと呼ばれる巨大なクリーチャーと対戦していくというゲームになっています。

特徴としては前作の「ラストラビリンス」と同じで、大きなカテゴリとしてはVRでストーリーを体験していくアドベンチャーゲームです。

我々のチームの特徴でもあるのですが、前作では「カティア」というパートナーの少女と協力しながら謎解きをしていくというゲームでした。今作でも巫女の「ハル」という少女と協力しながら謎解きをしていきます。2人で協力しないと開かない扉などが出てきたり、「カミ」と呼ばれる巨大なクリーチャーとの戦いもあります。

ストーリーはプレイヤーが新作のVRゲームをやろうとVRヘッドセットを被ったら、それを通じて平行世界であるハルの世界とつながってしまったという感じです。ハルが「手伝えという感じでグイグイ来るので、「まぁ手伝うか」という流れになっています。

ハルは見ての通り体のあちこちが「アラキダ・マサタケ」というキャラに奪われていて、ボスと戦うことで体のパーツを取り返していくという感じになっています。プレイヤーは「陰陽銃」という装備を使ってこの世界でインタラクトしていくという設定です。

ボスは5種類いて、ザコ敵で眷属という小さなカミなども出てきます。「アラキダ・マサタケ」は元々「ハル」と同じ大神宮というカミ鎮めの組織に所属する神職だったんですけども、良からぬことを企んでいる様子です。

舞台のオノゴロ島は聖地なのですが、宙に浮いているラピュタのような島で今は観光地としても賑わっているという設定です。地表との間にロープウェイがあって、昔は聖地だったので限られた人しか来れなかったんですけど、今はカジュアルに来ることができます。今は全島避難命令が出ていて一般人は避難しているという設定ですね。島をぐるっとしながらカミ鎮めをしていくという感じですね。

ゲームを進めていくと蒸気工場地帯や、後半は聖地というか裏参道でいわゆる日本の昔の磐座信仰のようになっていて、岩自体が御神体なので、巨石地帯みたいな感じで神秘的な感じになっています。

ゲームの概要としてはこんな感じでハルと協力しながら謎解きをしていって、カミを倒して最終的には「アラキダマサタケ」を討伐するというストーリーになっています。

――本作は大正時代をモチーフにした世界になっていますが、この世界観にしたきっかけを教えて下さい。

高橋氏:

「仮想のキャラクターと何かをやろう」というテーマだけはあって、最初の立ち上げの時に世界観などをどうしようという話をしたときに、チームにフリーハンドでアイデア出しをしてもらったんですね。そのときにもう少しファンタジーっぽい世界観とか色々ある中で、リードアニメーターの福山敦子が出した“和風”というのがあって、「和風のゲームはあんまり無いし、いいんじゃない?」みたいなノリで(笑)

元々和風というか日本の歴史が僕個人としても好きだったので、いろんなアイデアが出てきた中で、「我々は日本のチームだし、日本のVRゲーム開発会社として特徴のある世界観を出そうと思ったときに、和風というのはありだよね」というのもあって、こういう形になりました。

――「和風であれば、神様や巫女さんが登場するだろう」という流れでしょうか?

高橋氏:

巫女も最初は狐の使いみたいなイメージでした。和風で巫女さんっぽいキャラが出てるというところから、「じゃあ謎解きのメカニクスをいれるなら、それってどういうふうな世界観がいいかな」とか「大きいカミ様と戦ったりするのもありだよね」とか、そのように世界観を詰めていって、今に至ると。

「和風と言えば神社っぽいのが出るよね」みたいなところから、チーム内で色々ディスカッションしていって今の世界観に至るみたいな感じですね。

前作から受け継いだ「こだわり」

――「ラストラビリンス」の続編という形でしょうか?

高橋氏:

同じチームが作った新作という位置づけですね。同じチームが開発しているので似ているというか“らしさ”はあると思いますが、続編ではありません。

――「ラストラビリンス」からコアなこだわりは受け継がれているのでしょうか。

高橋氏:

ディレクターの私としての興味として、仮想のキャラクターとコミュニケーションをしていくというのをテーマとして持っているので、その部分はあると思います。ただチームのメンバーとしては、キャラクターモデルを作っているリードアーティストのキャラクター造形のこだわりもありますし、アニメーションを監督しているアニメーターのこだわりなどがチームとしてマリアージュと言いますか、みんなのこだわりがよりキャラクターの実在感や存在感というものを高めていると思います。

――「ラストラビリンス」では「カティア」というパートナーと一緒に進んでいくのがキーでしたが、今作の「オノゴロ物語」も「ハル」というパートナーと進んでいくのがキーポイントでしょうか。

高橋氏:

そうですね。そこは我々のチームの強みがある、というところもありますし、ディレクターの私としても仮想キャラクターと何かしながら進んでいくゲームはまだまだポテンシャルがあると考えています。VRゲームでパートナーキャラと一緒に何かをやっていくゲームって意外とないと思っていて、そこで我々のチームのユニークさを出せると考えています。

そこで「次のタイトルをどうしようかな」と考えたときに、仮想のキャラクターと協力しながら進んでいくゲームにしたい、と考えました。そのコアをぶらさずに引き続きやっていこうということでスタートしたのが本作です。

――今作を一言で表現するとしたらどのようなワードになりますか?

高橋氏:

タグラインは「救え、その手で。」です。パートナーである「ハル」との2人の冒険譚と思っているので、2人で協力しながらカミを鎮めていって、「アラキダ・マサタケ」を討伐しましょうという、パートナーとの2人での冒険譚を関係性を含めて描いています。

――ゲームを進めていく中で「ハル」と手を繋ぐシーンなど「パートナーがそこに存在している感じ」を感じさせる仕組みを感じました。

高橋氏:

前作の「ラストラビリンス」のお話からすると、主人公は車椅子に拘束されているという設定でした。まったく動けない状況で片手にボタンを握らされており、頭にレーザーポインターがついていて、ボタンを押すと首を振って見ている先にレーザーが飛ばせます。


(ラストラビリンス)

例えば、あのモニターを調べたいなと思ったら、プレイヤーはそちらを見てボタンを押す。すると、カティアが目的地に向かって、その場のモノを操作したり調べたりしてくれると。カティア自体も何語かわからない言葉で話しかけてくるんです。

言葉ではコミュニケーションが取れないので、レーザーポインターと「はい」「いいえ」のジェスチャーだけでコミュニケーションを取りながら謎解きを進めていくというある意味エクストリームな設定のゲームでした。

比較すると「ハル」はちゃんと分かる言葉で話してくれますし、ある意味でシチュエーションが逆になっていて、前作では自分が行動に制約がある状態で、謎解きをするとカティアが車椅子を押して次の部屋に移動させてくれるという。

今作は逆で「ハル」が要石に囚われていて動けないので、シチュエーションが逆転しているところもありますし、手つなぎみたいなフィーチャーに関しては前作にはなかったんですけど、今作は立場が逆になっているので「2人の繋がりを感じられるような要素があったほうがいいよね」ということで手をつなぐことで結界を解除したりだとか、2人の関係性をよりゲームシステムで表現できないかなということで、今作で初めて入った要素ですね。

――今作では言葉も通じるし、プレイヤーは動けるしで、様々な点が真逆ということですね。

高橋氏:

前作はパートナーキャラクターに助けてもらっていたのですが、今作はパートナーのキャラクターを助けてあげると。もちろんプレイヤーにしか操作できないものと、パートナーキャラクターにしか操作できないものがあるので、協力しながらゲートを開けたりと謎解きをしていかないといけないのですが、プレイヤーのほうが自由度高く動けるので、プレイヤーがパートナーのハルを助けてあげる感じですね。

――こういった仕組みにしたきっかけを教えて下さい。

高橋氏:

「ラストラビリンス」のゲームデザインを考えていた時期が2016年くらいなのですが、その当時のVR機器ってどういう状況だったかと言うと、PSVRと
Oculus Riftが出た年くらいなんですね。

当時のPSVRのレギュレーションには「周りが危ないので座ってプレイしましょう」って書いてあって、Oculus Riftが最初出たときもXboxコントローラーが同梱されていたんです。ハンドプレゼンスを使おうとするとViveコントローラーを2つ持つか、PSVRのオプションのPS Moveを買うしかないという、2015年終わりから2016年はそういう状況だったんですね。

今でこそ立って手をブンブン振り回しても平気という感じですが、2015、2016年はまだVR市場はみんな自由に動かないよという状況でした。マジョリティとしてはそんなにスペースを使わないで使用するだろうし、全員がハンドコントローラーを持ってるわけじゃないという状況だったので、そういう制約の中で没入感が高いゲームを作れないかなというところから、引き算でゲームデザインしていったのでああいったゲームデザインになっています。

逆に今だと時代やタイミングを考えるとMeta Quest 2の普及もありますし、VRのゲームも基本はハンドコントローラーがあるという前提というタイミングになってきているので、プレイヤーはハンドコントローラーを持って、ある程度自由に動けるというのはVRゲームプレイヤーのニーズとしては当然というか、標準的なプレイスタイルでしょうというのがベースにはなっています。

そこからキャラクターとのコミュニケーションというのをゲームデザインに落としていく中で、我々のチームとしてはキャラクターとのコミュニケーションを成立させていこうと考えたときに、結果としてシチュエーションが逆になったということです。

――意図的に逆にしたわけではないんですね。

高橋氏:

そうですね、プレイヤーが自由に動けるということで、「逆にパートナーを助けるというシチュエーションがあってもいいんじゃない」というところから「要石に囚われていて自由に動けないのでプレイヤーが運んであげないといけない」といった今のゲームデザインになっています。また見た目的にも囚われているというのがわかりやすいという理由もありました。

――「ハル」のモーションもすごく印象的でした。細かい仕草などにも非常にこだわられている印象で、その上で2人で手を繋ぐ要素などもあり感情に訴えるものを感じました。

高橋氏:

「ラストラビリンス」は手付けのアニメーションで表現していて、その結果「カティア」の存在感がものすごく際立つというのは前作のプレイヤーさんには評価いただいたと思っています。

今作でもこのパートナーキャラの存在感が偽物感がすぎると成立しません。動きの可愛らしさや、快活さ、そして拘束されているという状況でも気丈で頑張るキャラクターなので、アニメーションや、声を入れていただいた南條さんの演技の凄さで、非常にがんばり屋さんなキャラクターとして描けたと思います。

グイグイ来る感じのキャラクターで、一歩間違えるとイラッとしてしまうかもしれないのですが、南條さんの演技の偉大さもあって「頑張ってる子だから助けてあげようかな」というようなキャラクターには描けたと思います。

国内VRゲームを盛り上げていくために

――ディレクター、プロデューサーとして考える本作の魅力を教えて下さい。

高橋氏:

「ハル」と一緒に冒険をしている感覚でしょうか。旅というと大げさかもしれないですが、仮想キャラクターとのコミュニケーションを通して、それぞれのプレイヤーごとにキャラクターに持っている感情や、思い出というか感慨みたいなのは変わると思うんです。そこは前作の「ラストラビリンス」と同じで、前作は脳トレに近いハードな謎解きで、しかも失敗すると死ぬという、ある意味エクストリームな作品だったんですけど(笑)。

今作はもうちょっと冒険譚的な感じで、描くテーマもシチュエーションも違っているので、より2人でいろんな困難を乗り越えていくという関係性みたいなものを体験していただきたいと思います。

冒険をする中で特別な感情をキャラクターに持ってほしいなというつもりで作っていますので、以前手掛けた「どこでもいっしょ」とかもそうですね。

――Chapter1をプレイしただけでも、最初はゲームキャラクターの1人としか思ってなかったのが、実在感のようなものは強く感じました。

高橋氏:

ありがとうございます。やはりそこをより感じていただければと思います。ボイスの収録のときもそうだったのですが、ベラベラ喋るというと表現が違うかもしれないのですが、ボスと戦っているときも弱点や攻撃のタイミングを教えてくれたりと、色々声掛けをしてくれるというところなども結構頑張って作りました。

――ちなみに苦労された点などはありますか?

高橋氏:

苦労したところは割と全体苦労したのですけど(笑)、前作の「ラストラビリンス」もそうだったんですけど、謎解きのレベルの部分がやっぱりバリエーションを考えていかないといけないので……。

今回は全体で6Chapterあってボリュームとしてもそれなりにあるので、謎解きも考えてるだけじゃなくて、テストプレイをして「難しすぎる」とか「簡単すぎる」とか、バランス調整とかで作り直したりというのがトライアンドエラーがかかったというのはありますね。

――ゲームが進んでいくと難易度が上がる構造ですよね。

高橋氏:

アクション性があるので、謎解き自体が複雑になっているのもありますし、ザコ敵がワチャワチャと出てきて邪魔をしたりもあります。純粋な謎解きだけの難易度というよりも、敵も出てきたりするクリアする難易度としては後半のほうが謎解きのステップも若干複雑になっていますね。敵もでてきますので「お邪魔がいるのを倒しながら謎解きをやらないといけない」と、ちょっとずつ難易度は上がっていますね。

――やりこみ要素はありますか?

高橋氏:

エンディングは1種類ではありません。隠しアイテムのようなものがマップの様々なところにあり、そのあたりの特定条件を満たすと、別のエンディングが見れたりとか、衣装が解放されるというやりこみ要素はありますね。

――ボリューム感はどのくらいでしょうか?

高橋氏:

謎解きにハマる人とハマらない人、アクション性の高いボス戦などでドハマりすると、実際テストプレイヤーとかテスターでもやったのですが、同じ面を延々2日間プレイするような人がいたかと思うと、スルッと行く人もいたりしましたね(笑)

おそらく標準的には10時間前後くらいだと思います。初回プレイ時はわからなくてリトライとかもあると思うのでそのくらい、イベントなども全部の尺をリニアに見ていくとボリュームがあるので10時間くらいじゃないかなぁと思います。

解き方がわかるとプレイ時間も短くできるでしょうし、実はリーダーボード機能を搭載していて、早解きするとスコアが上がるようになっています。これは報酬があるわけではなく、ひたすらクリアタイムを縮めていくという遊びですね。

――今回はQuest platfromで発売されますが、Steamなど別のプラットフォームでの展開は予定されていますか?

高橋氏:

将来的には検討していければと思っています。

――いよいよ発売も間近だと思いますが、今の気持ちをお教えください。

高橋氏:

怖いものを期待されている気もするのですが……(笑)。「ラストラビリンス」をお好きな方は意外に思われるかな、と思ってドキドキしています。「え、怖くないの?」みたいな(笑)。

ただ「ラストラビリンスに興味はあるけど、怖そうでプレイできません」という声もいただいていたので、題材としては幅広い方に遊んでいただける題材になっているのかなと思ってはいますので、Quest、Quest2をお持ちの方には幅広く遊んでいただけるんじゃないかなとドキドキしながら情報公開の日を待っています。

MyDearestの岸上健人さん( 「アルトデウスBC」総合プロデューサー)もおっしゃていましたけど、日本で国産のオリジナルVRタイトルを作っているところはそんなに増えていないな、というところがありまして、国産VRゲームをもっとみんなで盛り上げていきましょうという気持ちは個人的にありますね。

――本日はありがとうございました。

「オノゴロ物語 ~The Tale of Onogoro~」
公式サイトはこちら。
https://onogoro.info/

©2022 Amata K.K.


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