今回は、バーチャル空間を縦横無尽に駆けまわるVR剣戟アクションゲーム「ALTAIR BREAKER(アルタイルブレイカー)」のレビューをお届けします。Meta Quest 2やValve Indexなどに対応しており、Steam版とQuest版が現在発売中。価格は2,490円(税込)です。
爽快なアクション、奥深い戦術性、仲間たちとの交流
「ALTAIR BREAKER」は、過去にVR剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」をリリースした株式会社Thirdverseの新作です。
本作の特徴は3つ。
1つ目は、剣と盾をたずさえて臨む、ハイスピードな剣戟アクション。剣で敵を切断するだけでなく、敵を打ち上げることによってスキをつくり、連続で斬りまくる空中コンボに繋げられます。また、遠くにいる敵を攻撃する「ショックウェーブ」や、囲んできた敵を一気に殲滅(せんめつ)する必殺技の「剣舞モード」なども利用可能。状況に応じて使い分けられます。
防御アクションは、バリアとパリィの2つがあります。敵からの攻撃を弾いてカウンターを狙うか、はたまた防御して次の反撃の機会をうかがうのか……状況に応じて取れる戦術が多数あることで、バトルの楽しみ方が広がっています。
2つ目は、VR空間を自由自在に使ったアクション。壁をつかんで登ったり、グライダーで高低差を活かしてフィールドを移動します。これにより、本当に自分がこの世界を冒険しているという興奮が高まります。中には特定のアクションを利用しないと取れないアイテムも。マップは一定のかたちのフィールドがランダムで登場するので、効率的な移動ルートを考えるのも楽しいかもしれません。
3つ目は、ボイスチャットありの最大4人での協力クロスマルチプレイが可能なこと。英語版と日本語版の2言語で発売されているため、世界中のユーザーとマッチングが可能です。バトルの難易度も、協力プレイ前提で設計されているとか。
仮想世界「ALTAIR」を戦闘兵器から取りもどせ!
──AIがシンギュラリティを生み出すために創造された仮想世界『ALTAIR』。
かつては雲海に覆われた美しい浮島群だったが、既に島の大部分が崩落し、今は実験用の戦闘AI兵器が彷徨う虚空に浮かぶ廃墟の島と成り果てていた。──
ディストピア的な導入から始まる「ALTAIR BREAKER」では、虚空島という島がバトルフィールドとなっています。島の中央には、仰ぎ見るサイズの巨大な剣がささり、周囲は空に浮いた逃げ場のない浮島……。まるでファンタジーの世界に本当にやってきてしまったかのよう。
島には、オーバーテクノロジーとも感じられるような、いくつかの台座が点在しています。
これらを使って、バトルで取得したアイテムで成長させたり、マルチプレイのマッチングを設定したりできます。つまり、虚空島はプレイヤーにとってのバトルフィールドでもあり、ベースでもあるのです。
さっそく仲間を
呼び出してみよう!
設定画面で、ネットワーク上のプレイヤーとランダムでマッチングするか、友人同士だけで固有パーティーをつくるかを選べます。
なお筆者がランダムマッチングした方は、ボイスチャットは利用していませんでした。ボイスチャットで戦略を相談しながらのバトルもやってみたいものです。ちなみに、バトルステージは、ステージが進むごとに時間帯が変わり、夜になると敵が強くなります。仲間とカバーしあって敵を倒していく必要がありそうですね。
バトルでレベルを上げて、戦術の幅を広げよう!
「ALTAIR BREAKER」は最初のチュートリアルで、片手剣スタイルのみ選択できます。
利き手に剣、反対の手に盾を構えて戦うスタイルです。しかし、ただ武器を振り回すだけでなく、特定のモーションをとる必要があります。
例えば、剣で敵を切り上げると、敵を空中に吹き飛ばせます。また剣を横にして掲げ、手を剣にあてれば、SPを消費して「剣舞モード(広範囲必殺技)」が利用できます。「アニメの中で観たようなアクションを自分がしているなんて!?」とワクワクする瞬間でした。
敵を倒せばレベルアップポイントを獲得できます。レベルアップのポイントはバトルへの貢献度で付与されるので、積極的に敵を倒しに行きましょう!
初バトルで用意されたステージは全部で5つ。ステージごとに出てくる敵を殲滅すると、次のステージへ移動するためのゲートアイテムが取得できます。4つ集めるとボスステージへ移動できます。
ちなみに1回目のプレイでは、ボスを倒しきることができません。HPゲージを削りきると「次元移動」して逃げてしまうのです。いったん虚空島ベースに戻り、体制を整えることに。そして次のバトルへ向かうのです。なお、周回するごとに敵は強くなるので、レベルを上げ、武器を育成して、地道にスキルを磨いた上で、ボスを倒しきりましょう。
武器を成長させて強敵に挑め
虚空島ベースでモノリスを利用して武器を育成しましょう。武器はオーソドックスな剣をはじめ、棍棒やモーニングスターなど打撃武器もあります。
宝箱には、育成用アイテムをはじめ、コイン、クリスタルが入っています。ステージ転移の前に集めましょう。中には上位武器や盾が入っている宝箱もあるようです。
武器のレベルが上がると攻撃力があがります。どの武器を成長させて敵に挑むのか、悩みがいがありますね。
バトルを彩るサウンドも印象的
このゲームのもうひとつの魅力はサウンドです。スピード感のあるバトルを彩るのは、天の声ナビゲーターステラの声と、血沸き肉躍る重厚なバトルサウンド。ゲーム専門サウンドメイカーのノイジークローク社CEO坂本英城氏の手によるものです。ステージの時間(昼間、夕方、夜)が切り替わると、バトルサウンドも変更されます。
個人的に一番好きなのは、ボス戦のBGMです。重低音とスピード感があり、強敵を倒すための焦りと猛りが感じられるサウンドです。
VRアクションゲーム初心者の登竜門的な作品
一通り体験した感想としては、「VRゲーム初心者にとって自分のゲームスキルをあげられるゲームかも」と感じました。ゲーム上級者にとっては、パリィとバリアの使いわけなどは朝飯前のスキルかもしれませんが、初心者にはタイミングをつかむことが難しいです。こういったスキルをうまく活用できるようになれば、強敵にも立ち向かえるようになるかと思います。
最初のうちは、マッチングの相手次第で、味方が敵を倒しきってくれるようなこともあるかもしれませんが、その間に何度も練習を繰り返せば、VRアクション自体に慣れていくことができるでしょう。
初心者の方向けに、攻略のコツを2つ紹介しておきます。ひとつは「敵のタイプごとに戦闘スタイルを変える」ということ。敵は「剣士タイプ」と、弾幕を張ってくる「魔導士タイプ」と2タイプいます。
剣士タイプは切り上げて吹きとばしコンボを決めれば対応できます。魔導士タイプは早めに距離を詰め、先に殲滅するとよさそうです。「剣舞モード」はSPを多く使うので、なるべく無駄打ちをしないように、SPゲージに気を配りましょう。
もうひとつは「事前の環境設定」です。快適なプレイをするために、酔いやすい方はオプションの環境タブで「周辺視野設定」を大きめに設定することをおすすめします。移動中の視野外部が暗くなり、画面中央に集中しやすくなるため酔いにくくなります。
これから個人的に挑戦したいと思っているのは、壁のぼりアクションのバトル活用法です。壁を登って、グライダーから飛び降りて、そのまま敵を斬る……そんな華麗な戦い方ができるのか……? 今度やってみたいと思います。
前作「ソードオブガルガンチュア」の進化系といえる、剣戟の爽快感を味わえる「ALTAIR BREAKER」。VRアクションゲーム、そしてクロスプレイ初心者の方の私でも楽しむことができました。上級者の方は、育成を仕上げたアバターでよりスピード感のあるバトルを楽しめそうです。
『ALTAIR BREAKER』の購入はこちら。
https://altair-breaker.com/ja/