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PlayStation VR 2017.10.21

新型PSVRと旧型を実機比較!変更点レビュー

PlayStation 4(PS4)につないで、VRゲームやアプリが楽しめるデバイス「PlayStation VR(プレイステーションVR・PSVR)」。発売1周年となる2017年10月14日に最新モデルが発売され、またVR対応・専用ゲームやアプリも続々と発表されています

本記事ではPSVRの新型モデル(CUH-ZVR2)と、旧型モデル(CUH-ZVR1・2016年発売)の違い・変更点について、実機を用いて解説します。

目次

1.新旧PSVRの違いを実機でチェック
1-1.リモコンの機能がヘッドセットに統合
1-2.ディスプレイ位置調節ボタンがPSVRの上面に移動
1-3.イヤホン収納スペースが追加
1-4.プロセッサーユニットがHDRパススルーに対応、形状も変更
1-5.スペック面はほぼ変更なし
1-6.新型PSVR、変更箇所まとめ
2.実際に装着してみての感想
3.マイナスを取り除くためのアップデート

新旧PSVRの違いを実機でチェック

早速新型と旧型のPSVRを並べて比較してみます。左が新型モデルのPSVR、右側が旧型モデルのPSVRです。正面からパッと見たところ外観に大きな変更点はなさそうですが、細かな箇所がアップデートされています。

リモコンの機能がPSVRに統合

旧型のPSVRのケーブルにはリモコンが接続されています。このリモコンは電源ボタンや音量調整ボタン、マイクミュートボタンを備えていました。またオーディオ用の端子も取り付けられており、さまざまな機能が集約されています。

新型PSVRではリモコンが撤廃され、それぞれの機能がヘッドセットに統合されています。音量調整ボタンや電源ボタンはヘッドセット下部に移動しました。PSVRをひっくり返してみると、電源ボタンが中央、音量調整ボタンとマイクミュートボタンが向かって右側(装着した時は自分から見て左側)、マイク部分は向かって右側に配置されていることが分かります。旧型ではリモコンをたぐりよせて音量調整を行っていましたが、今回の変更によりその必要がなくなったと言えます。

リモコンの機能がヘッドセットに統合されたことに伴い、オーディオ用の端子は後頭部に移動。PSVR装着時に頭を固定するためのバンドと一体化しています。

ディスプレイ位置調節ボタンがPSVRの上面に移動

旧型PSVRでは、ピントを合わせるためのディスプレイ位置調節ボタンが下面右側に配置されていましたが、新型PSVRではボタンがヘッドセットの上面右側に移動しています。これは事前の主な変更点としてアナウンスされていなかったこともあり、旧型PSVRに慣れている人は戸惑うかもしれません。一方で新しく購入する人にとっては問題ないでしょう。

イヤホン収納スペースが追加

新型PSVRではイヤホンを収納できるスペースが追加されています。頭部にPSVRを固定するバンドの側面に、差し込むような形でイヤホンを収納できます。付属のイヤホンであればきれいに入りますが、それ以外のイヤホンを使う場合はサイズに注意が必要です。

プロセッサーユニットがHDRパススルーに対応、形状も変更

PSVRの付属品であるプロセッサーユニットにも変更が加えられています。プロセッサーユニットとは、PSVRとPS4、そしてテレビやモニターを繋ぐ小型の箱型ユニットです。

旧型PSVRに付属しているプロセッサーユニットは、HDR映像(ハイダイナミックレンジ映像)に対応していません。PS4から出力したHDR映像をHDR対応のテレビで表示したい場合、プロセッサーユニットを取り外してPS4とテレビを直接接続する必要がありました。

新型PSVRに付属するプロセッサーユニットはこの問題を解消しています。PSVR・PS4・テレビモニターをプロセッサーユニットで接続していても、HDR映像をパススルーでPS4から出力できるようになりました。いちいちケーブルをつけかえる必要がなくなったため、PS4のHDR映像対応コンテンツをテレビでプレイしてすぐにPSVRを楽しむことができますし、その逆も可能です。

また、新型モデルに付属するプロセッサーユニットはサイズが少し小さくなり、デザインも角ばった形状から丸みのある形状に変更されています。

スペック面はほぼ変更なし

上記の変更点以外にも新型モデルと旧型モデルの間には違いがあります。カタログスペック上ではヘッドセットの重さは新型モデルの方がわずか(10g)に軽くなっているほか、内容物から接続用のケーブルが1本減っています(PSVRとプロセッサーユニットを接続するケーブルが1本に集約されたため)。PSVRに表示される映像の解像度や、リフレッシュレート等には変更はありません。

新型PSVR、変更箇所まとめ

新型PSVRは細かな変更により、ユーザビリティの向上を図っています。一方でグラフィックやリフレッシュレートに関する変更点はなく、今回の新型モデルはあくまで小規模なアップデート(マイナーアップデート)にとどまります。

新型PSVR

旧型PSVR

リモコン

ヘッドセットに統合

ある

電源ボタンの位置

ヘッドセット下部中央

リモコン

音量ボタン、マイクミュートボタンの位置

ヘッドセット下部左側

リモコン

マイクの位置

ヘッドセット下部右側

ヘッドセット下部左側

ディスプレイ調節ボタンの位置

ヘッドセット上部右側

ヘッドセット下部右側

イヤホン収納スペースの有無

ある

ない

HDR映像のパススルー出力

できる

できない

PSVR本体の重さ

約600g(ケーブル除く)

約610g(ケーブル除く)

実際に装着してみての感想

ここまで紹介してきた変更について、実際にPSVRを使用してチェックしてみました。

VR対応のゲームは体や頭を動かすケースが多くなるため、旧型のPSVRではリモコンやケーブルが体に当たってしまいがちです。しかし今回の変更によりリモコンが撤廃・ケーブルが削減されているため、筆者はやや没入感を削がれにくくなったように感じました。PS MoveやPlayStation VR シューティングコントローラーといった周辺機器を使う場合はより大きく体を動かすことになるため、今回の変更がより効いてくるのではないでしょうか。

一方でYoutubeやDMM.comなどの動画をPSVRで見る場合は、今回の変更による恩恵をあまり感じられませんでした。普段から座って動画を視聴している場合、リモコンやケーブルが体に当たるケースはほぼありません。

筆者はこれまで旧型のPSVRを使っていたため、各種ボタンの配置変更は初めこそ迷いましたが、徐々に慣れていきました。リモコンが見つからないといったトラブルも起きなくなり、使い勝手は向上していると言えそうです。

しかし一点だけ操作に困ったところがあります。それは音量調節。旧型モデルのリモコンは縦一列に並んでおり、ボタンの順番さえ覚えていれば問題なく使えました。ですが新型モデルでは円形に並べられているため、最初は音量アップとダウンの場所が少し分かりづらいと感じました。

ただし音量アップとダウンのボタンは少し飛び出しており、音量アップボタンには小さな突起がついているので、少し経てば慣れるとは思います。

マイナスを取り除くためのアップデート

新型モデルのPSVRに加えられたアップデートは、魅力をプラスするというよりも没入感を削ぐ部分や不便さといった「マイナスと捉えられてしまいがちな要素」を取り除いたような印象を受けました。PSVRを日常的に使う人であれば、VR体験中のストレスが軽減されると思われます。

今回の変更は決して大きくはありませんが、旧型モデルと比較して着実に体験が向上しているように感じました。

PSVRは、今後発売されるソフトやアプリも多数発表されています。

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