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活用事例 2017.10.10

AR普及後を描いた話題の動画 製作者がLeap Motionに

VR/ARデバイス用のハンドトラッキング技術を開発するLeap Motionが、ロンドンに新たなデザイン研究スタジオを設立することを明らかにしました。同研究所の所長にはデザイナー/映画製作者のKeiichi Matsuda氏が就任する予定です。

同氏はARが普及した後の近未来を描く短編映画『Hyper Reality』をはじめ、先端技術を活かしたビジョン性の高い作品の制作で知られています。

10月9日、Leap Motionは新たなデザイン研究所をロンドンに新設すると発表、同研究所の所長にKeiichi Matsuda氏が就任します。同氏はVP of Design and Global Creative Director(デザイン担当副社長兼グローバル・クリエイティブ・ディレクター)という肩書きで同研究所を主導します。

提携を進めるLeap Motion

Leap Motionは2010年に創業したスタートアップ企業で、VR/ARで使用できるハンドトラッキング技術/デバイスを開発しています。同社の『Leap Motion Controller』というトラッキングデバイスはヘッドセット前面に装着するだけで、手にコントローラーを持たずに、VR空間内での操作を手で直接行うことができるセンサー型のデバイスです。今年2月にはクアルコムと提携して一体型VRヘッドセットの開発にも取り組んでいます。また、直近では2017年8月に約55億円の資金調達を発表しています。

Leap Motionはロンドンに新設した研究所も含めて世界規模で人員を募り開発チームを拡大、トラッキング技術を中心として開発を進める方針です。またワイヤレスの一体型VRヘッドセットの開発も進めていくとのことで、今後に注目されます。

Keiichi Matsuda氏が所長に就任

同研究所の所長に就任するKeiichi Matsuda氏は、就任に際して以下のようにコメントしています。

「現在の私たちのライフスタイルが今後どうなるのか予測はできません。分かっているのは、テクノロジーが今後の世界を完全に変えてしまうことです。(中略)私たちには様々なリスクや挑戦を通して、道筋を見つけ出すという責任があります。また住みたいと思える世界に関する、ポジティブで包括的なビジョンを打ち立てないといけません。私は(所長就任にあたって)これまでの経験をデザインやビジョンの構築に活かすことで、変革を起こしていきたいと考えています」

ビジョン性の高い作品を制作

同氏はこれまでにもVR/AR/MRをはじめ先端技術を活かした様々な作品を制作しており、映像からインタラクションデザイン、建築にまで及びます。過去には短編映画『Hyper Reality』を制作しています。AR普及後の近未来を描いた本作は、内容のリアルさやそのビジョン性の高さで話題となった作品です。

また、彼の新作となる短編映画『Merger』も公開を予定しています。同氏の活動は世界で注目を集め、これまでにロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館やシカゴ美術館、ニューヨーク近代美術館でも展示を行なっています。

2012年の『Leap Motion Controller』の発売以来、組み込まれている製品を含めても市場に製品を投入していないLeap Motion社。研究開発を進める同社がVR/AR分野でどのような形でその成果を結実させるのか、特に一体型VRでヘッドセットへの組み込みに注目が集まります。


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