Oculus RiftやHTC ViveでハイエンドのVR体験をするには、ゲーミングPCが必要です。特にグラフィックボード(GPU)の性能が重要となっています。
PC向けヘッドマウントディスプレイのOculus Riftを動かすには、NVIDIA GPU推奨動作環境はこれまでGTX970、最低動作環境はGTX960とされていました。
今回、現在主力とされているGTX10番台で推奨動作要件がGTX1060とされ、より低価格であるGTX1050 Tiが最低動作要件となりました。GTX970、GTX960に関しては引き続き「代替可能なグラフィックカード」としてそれぞれ記載されています。
より安価なPCでVRを
NVIDIAはより強力なGPUであるGTX1060、1070、1080の発売に続き、2016年10月には低価格なGeForce GPUの最新版、GTX1050及び1050 Tiを発表しました。
今回は、そのなかでも上位にあたるGTX1050 Tiが、推奨環境ではないもののOculus動作要件を満たす最低動作環境として、公式によって発表されました。
同社のサポートセンターに準拠したOculus最低動作環境は以下の通りです。
グラフィックスカード | NVIDIA GTX 1050 Ti / AMD Radeon RX 470以上 |
代替可能なグラフィックスカード | NVIDIA GTX 960 / AMD Radeon R9 290以上 |
CPU | Intel i3-6100 / AMD FX 4350以上 |
メモリ | 8GB以上のRAM |
ビデオ出力 | 互換性のあるHDMI 1.3ビデオ出力 |
USBポート | USB 3.0ポート1つ、USB 2.0ポート2つ |
OS | Windows 8.1以降 |
Oculus Riftの最低動作環境は、同社独自のASW(非同期スペースワープ)レンダリング技術のおかげで、推奨動作環境から分離され、より位置段階低いグラフィックボードでVR体験が可能としています。
このことから、Oculus最低動作環境のPCではOculus Riftは動作するものの、Oculus推奨動作環境を同じく推奨としているHTC Viveの体験はできない可能性があります。
GTX1060の日本国内での実勢価格は、搭載するメモリ次第ですが2.2~3万円程度、GTX1050 Tiは1万5,000円程度とグラフィックカードの価格だけ見ると、3分の2から半額程度となります。
NVIDIA GeForce GTX 1050 Ti スペック
グラフィックスプロセッシングクラスタ | 2 |
ストリーミングマルチプロセッサ | 6 |
CUDAコア(単精度) | 768 |
テクスチャユニット | 48 |
ROPユニット | 32 |
ベースクロック | 1290 MHz |
ブーストクロック | 1392 MHz |
メモリクロック | 3504 Mhz |
メモリデータレート | 7 Gbps |
L2キャッシュサイズ | 1024K |
ビデオメモリ合計 | 4096 MB GDDR5 |
メモリインタフェース | 128ビット |
総メモリ帯域幅 | 112 GB/秒 |
テクスチャ率(双線形) | 61.9ギガテクセル/秒 |
製造プロセス | 14nm |
トランジスタ数 | 33億 |
コネクタ | DisplayPort 1つ、HDMI 1つ、デュアルリンクDVI 1つ |
フォームファクタ | デュアルスロット |
電源コネクタ | なし |
推奨電源 | 300ワット |
熱設計電力(TDP) | 75ワット |
熱閾値 | 97℃ |
(参考)
Road to VR / Inexpensive GTX 1050 Ti Gets Official Thumbs-Up for Oculus Minimum Spec(英語)
http://www.roadtovr.com/nvidia-geforce-gtx-1050-ti-oculus-minimum-specification-virtual-reality/
Oculus Rift公式サポートページ
https://support.oculus.com/help/oculus/170128916778795/
Mogura VRはRoad to VRとパートナーシップを結んでいます。