オーストラリア空軍が次世代部隊向けにHoloLensを検討

オーストラリア空軍とSaabオーストラリア社はマイクロソフトのMRデバイスHoloLensを使い、次世代(第5世代)の戦闘部隊のためにどのようなARアプリケーションが有効かを検証するためのデモやテストを行いました。

オーストラリア軍の軍人向けにデモを実施

2016年10月にオーストラリア軍の軍人50名は、マイクロソフトのHoloLensの体験を行いました。このデモのプレスリリースによると、HoloLensを使ってAR技術がどのように戦略立案、脅威管理、訓練を支援できるかについて検討しています。

オーストラリア空軍の長官であるLeo Davies氏は、以下のように述べています。

「軍事的なコミュニケーション、ビジュアライゼーション、トレーニングにおいてAR技術は強い影響力を持っています。AR技術は進化を続けていて、今回のデモの目的は、将来のARを使った防衛用アプリケーション(計画立案やトレーニング)に対する関係者の認識と関心を高めることでした。」

このデモを担当したSaab社でMRアプリケーションプログラムを率いているInger Lawes氏は、ARが持つ軍事訓練を進化させる可能性について好意的な意見を述べています。「トレーニング環境では、トレーナーと研修生の双方が豊かな視覚情報かつインタラクティブな体験を共有でき、現実世界にホログラムでデジタルイメージを重ね合わせることができます。」

また、軍事科学者であるKevin McDonald氏は、オーストラリア軍の兵士が脅威に対抗するのにHoloLensが活用できると述べています。「今回公開したシナリオやシミュレーションは、AR技術が特定の状況での意思決定や行動に対する有用性を示しており、また、どのようにして脅威への対応を決めるのかも支援します。」

オーストラリア軍によるHoloLensの採用は、「Plan Jericho」と呼ばれる次世代(第5世代)への戦闘部隊へと発展するための大きな計画の一部です。Plan JerichoのDirecterであるPete Mitchell氏は、ARがより主流になるにつれて技術が”指数関数的に成長する”ことが予想されるため、軍自身が軍事的なアプリケーションを調べておくことが重要であると述べました。

「ARは医学、研究、化学、トレーニング、教育、遠隔地とのやり取りが必要になる産業など、多岐にわたる分野で応用の可能性が検討されている技術であり、可能性の1つとして採り上げています。」

陸軍やSaabオーストラリアもAR技術を調査中

オーストラリア軍は、空軍以外にも陸軍がARやVR技術を検討しており、トレーニング向けARヘッドセット「ARC4」があります。

また、HoloLensの軍事利用に興味を示しているのはオーストラリア軍だけでなく、以前紹介したウクライナ軍も戦闘用にHoloLensをテストしています。

2016年3月、マイクロソフトはSaabをエンタープライズ向けアプリケーションを開発する企業に加えました。SaabオーストラリアのManaging DirectorであるDean Rosenfield氏は、HoloLensのエンタープライズ向けアプリケーションの可能性について以下のように述べています。

「私たちのトレーニングおよびシミュレーションチームはマイクロソフトHoloLensに大きな可能性を感じており、トレーニング、シミュレーション、教育の分野ですでにさまざまな民間、軍事アプリケーションの開発に取り組んでいます。」

また、SaabのHoloLensアプリケーションスタジオは軍事だけでなく、ヘッドセットを使いどのように健康、緊急サービス、インフラを変えていけるかを調査しています。

(参考)

題名 – (英語)

http://vrscout.com/news/the-australian-air-force-is-now-testing-the-microsoft-hololens/

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この記事を書いた人

  • あつぽん

    日本でMRシステムの開発に携わった後アメリカへ渡り、VR/MRシステムを企業へ導入するための検討・開発に従事。現在は日本在住。

    人間の能力そのものを拡張させるテクノロジー「ヒューマンオーグメンテーション」のコンセプトに惹かれ、その界隈の動向に強い関心を持っています。その中で実用化フェーズにあるVR/MRの盛り上がりをより広い範囲へわかりやすく伝えていきたいと思っています。

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