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話題 2018.09.19

レポーターに迫る洪水 ハリケーン被害をTVで可視化する技術

米気象予報番組のウェザーチャンネル(Weather Channel)は、米ノースカロライナ州に上陸している「ハリケーン・フローレンス」の予想される被害をAR(拡張現実)MR(複合現実)を活用して報道しました。日本でもTwitterなどでその危機感迫る映像が話題を呼んでいます。

「ハリケーン・フローレンス」は、豪雨をともなう最大風速110マイルが予想されています。沿岸部の劣化の影響もあり、ノースカロライナ州では大規模な洪水の可能性を抱えていました。バージニア州とカロライナ州は、強制力の強い避難指示を出しているものの、最悪な状況下においては甚大な被害と死傷者が出ることは免れないことを予想しています。

ハリケーン被害の最悪の事態をMRで可視化

大災害の危険性を把握できていない住民がいることも想定されるため、ウェザーチャンネルは没入型のMR技術を駆使し、沿岸南部の住人たちがどれくらいの被害がおよぶのか、リアリティある映像で報道しました。

Unreal Engine 4で制作された嵐のAR映像は臨場感溢れるものとなっており、リポーターはARの嵐の中から天気予報を伝えます。洪水の深刻さや予想される水位、それに伴う損害などを、リポーターの解説に合わせてリアルタイムで反映しています。叩きつける雨の音や風で倒れそうになる木々や電柱、水位が上昇して屋根の高さにまで浮かぶ自動車など、予想される被害映像が流れ、そのリアルさは視聴者に危機感を訴えます。

ウェザーチャンネルのデザイン担当Vice PresidentであるMichael Potts氏は、Webメディアのインタビューで次のようにコメントしています。

私たちの仕事は安全を確保することです。天気とは理屈ではなく物理的な現象であるので、可能な限り現実に近い方法で再現することを試みています。

これまでにもウェザーチャンネルは、MRを専門とするテック企業のFuture Universeと提携し、135mph(約時速217km)の巨大な竜巻が発生した場合のデモ映像を制作し、災害の危険性を再現しています。

天気図を机の上に映し出すARアプリも登場

米メディアのUSA Todayも「ハリケーン・フローレンス」関連のiOS、Android対応のARアプリを配信しています。このアプリでは、ARで映し出される天気図を現実空間にある机や床などの平面上に映し出すことができ、ハリケーンの強さや予想経路、風速などが配信され、リアルタイムで確認が可能です。

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(参考)VRScout
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