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VTuber 2023.05.24

Twitch視聴者は4万人超!? 日韓VRChatコミュニティから生まれた「VTuberのボクシング大会」に注目

いま、韓国と日本の垣根を超えた、とある企画が注目を集めています。韓国のストリーマー・woowakgoodさんによる、バーチャルボクシング大会「バーチャルファイター」です。


(写真:とりさんツイートより引用)

woowakgoodさんが率いるストリーマーコミュニティ「WAKTAVERSE」とVRアイドルグループ「異世界アイドル(ISEGYE IDOL)」によるチームと、公募によって集められた韓国のVTuberチームが、VRChat上の本格的なボクシング会場ワールドを舞台に、己の拳で競い合うという企画です。

Twitchにて配信がスタートした本企画は、第1回配信が4万超の同時接続数を記録し、大きな話題となりつつあります。本記事では、この前代未聞のバーチャルボクシング大会の全容を、流れを整理しながらご紹介していきます。

韓国ストリーマー・VTuberと日本VRChat格闘技イベントが出会う

「バーチャルファイター」の企画が発表されたのは5月9日のこと。woowakgoodさんは自身のファンクラブにて、以下のような要項で企画に参加するVTuberの募集をスタートしました。

参加条件:

  • 女性であること
  • バーチャルアバターを所持している人
  • バーチャルアバターのサイズ変更が可能であること(公正なゲーム進行のため)
  • VR環境・機材を所持している人
  • 発声できること
  • 夕方の時間帯に対応できる人
  • 【優遇】フルトラッキング環境所持者

選手募集記事より引用。筆者意訳を含む)

この募集選手の対戦相手は、「WAKTAVERSE」や「異世界アイドル」のメンバー。いずれも人気タレントがそろったグループで、特に「異世界アイドル」はデビュー曲「RE:WIND」のMVがクオリティの高さから大きな話題になった、韓国注目のVTuberグループです。

会場として選ばれたのは「VRCボクシング大会」。「VRChat」にて定期開催されている日本の格闘技イベントで、極めて本格的なVRボクシングゲームを制作・運用しているのが最大の特徴です。格闘技e-sportsと呼んで差し支えないゲームクオリティの高さから、「バーチャルマーケット」とのタイアップ大会開催のみならず、地上波番組の取材を受けるなど、いま急速に注目を集めているイベント団体です。

参考:バーチャルライフマガジン掲載記事「余計なモン全部無視して、魂がぶつかり合う。もう一つの青春の形。『VRCボクシング大会』」

「VRCボクシング大会」が会場に選ばれたことについて、運営メンバー・ゲームシステム開発者のムシコロリさんに問い合わせたところ、woowakgoodさんが人づてに「VRCボクシング大会」を紹介され、実際に会場ワールドを訪問したのがきっかけだったのだそう。

(5月5日のwoowakgoodさん配信アーカイブ)

そして、5月頭に関係者経由で、会場使用の許諾確認がムシコロリさんへ連絡。ムシコロリさん側も専用大会ワールドや韓国語対応を提案し、合意が得られたことで、「バーチャルファイター」の企画が進行したとのことです。

第1回配信が大盛況! 練習配信も日夜続く

woowakgoodさんの一声によってスタートした「バーチャルファイター」は、5月12日には「TEAM WAKTAVERSE」と「TEAM VTuber」のメンバーが発表。両チームともに7名で構成されることが明かされました。

以後、参加者によるVRChat上でのボクシング練習がスタートします。練習配信は本記事執筆時点でも、Twitchにてライブ配信されています。

そして、5月17日に「バーチャルファイター」の第1回配信が放送されました。開会式や「TEAM WAKTAVERSE」の作戦会議、そして「WAKTAVERSE」メンバー4名が監督選抜戦としてボクシングの試合を実施。見事優勝した뢴트게늄(roentgenium)さんが「TEAM VTuber」の監督に就任しました。

この第1回配信はTwitchにて放送され、同時接続数は4万人を突破したと報告されました。こうした反響から、「バーチャルファイター」は「WAKTAVERSE」や「VRCボクシング大会」といったコミュニティを超えて、各所で話題になりつつあります。

その後、日本最強選手 VS 韓国最強選手という対戦カードのエキシビションマッチも発表。早速、韓国側は最強選手決定戦を5月22日に開催し、日本側も同様に最強選手決定戦が実施されている模様です。日韓最強決定戦とも呼べるこのエキシビションで、どんな試合が繰り広げられるか期待したいところです。

日韓、VRChatとVTuber――様々な文化が交わるイベント


(写真:ムシコロリさんツイートより引用)

韓国の著名なストリーマー・VTuberが、日本のVRボクシング大会イベントに掛け合い、一大ボクシング大会を開催する。国境を超えるだけでなく、VRChatの活用が目立つ韓国のVTuber/バーチャルタレント文化もかけあわさり、「バーチャルファイター」は様々な”境界”を超えた、非常におもしろい動きを見せるイベントと言えるでしょう。

また、VRChat文化の視点から見ると、日本ユーザーと韓国ユーザーは比較的距離が近いのが大きいでしょう。日韓ともに、お互いの言語を学んだ上で日常的に国際交流を行うユーザーも少なくありません。アバターやアバター衣装の制作者も韓国ユーザーはかなり多く、「VisitoR」のように日韓をはじめとした世界中のユーザーで創作活動に取り組む団体もいます。こうした”距離の近さ”が、「バーチャルファイター」の実現につながったようにも感じられます。

様々な文化の交わりを感じる、2023年だからこそ生まれた展開ですが、このイベントで最後に決着をつけるのは己の拳。両チームがどのような試合を見せてくれるのか、「バーチャルファイター」の今後の展開に期待がかかります。気になる方は、いまから練習配信なども合わせて追いかけていくと、より一層楽しめるはずですよ!

(参考)woowakgoodファンクラブ、Twitter(WAKTAVERSEムシコロリ


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