一般社団法人VRコンソーシアムが開催する日本最大級のVRアワードイベント「VRクリエイティブアワード 2016」のファイナリスト、全11作品が発表されました。
「VRクリエイティブアワード 2016」は、“これからのVRの可能性を表すクリエイティブなもの”であれば、法人/個人、商用/非商用を問わず広く作品を募集しています。
今回発表されたファイナリストの制作者も、法人から学生、アーティスト、インディー開発者、さらには医師の方までと幅の広いものとなり、本アワードの特徴である多様性が現れたものとなりました。
以下、「VRクリエイティブアワード 2016」のファイナリスト、全11作品の紹介です。
「VRクリエイティブアワード 2016」のファイナリスト
Metamorphosis Hand
センサー型ハンドコントローラー「Leap Motion」を使い、自分の手の動きを同期させた、様々な色や形、動き方に変化する“バーチャルな手”でピアノを弾くというVR体験です。
Metamorphosis Handは、ヘッドマウントディスプレイを使用するタイプではなく、スクリーン上にCGを映すというもの。動的で変幻自在な身体拡張の感覚が疑似体験できるシステムです。
「Leap Motion」が設置されたボックス(上面がスクリーン)の中に手を入れて、ピアノ演奏をVR体験します。
ピアノを弾いている途中で指の形状が長くなったり、指の数が増えたりと、不思議な感覚を得ることができます。
制作: 東京大学大学院 廣瀬・谷川・鳴海研究室の小川奈美氏。
SYMMETRY(シンメトリー)
SYMMETRY(シンメトリー)は、VRコンテンツ制作ツールです。3DCADを使用している方向けのもので、CADデータをドラッグ・ドロップすることでVRコンテンツとして簡単に出力することが可能。直観的な操作で3Dモデルや、地形などのコンテンツ制作ができます。
制作: DVERSE Inc. NUMAKURA SHOGO氏
きぐるみライブアニメーター KiLA
リアルタイムで人間の動きが3DCGキャラクターに反映されるシステムです。コンセプトは「まるで着ぐるみショーのようにその場でスグにCGアニメが作れる」リアルタイムアニメ(Live Cartoon=生アニメ)システム。
3DCGのアニメーションを生放送で配信するため、視聴者とのインタラクティブなコミュニケーションが可能なアニメーションを制作することもできます。
https://www.youtube.com/watch?v=R8MUVmpfrg8
攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver
映画『攻殻機動隊 新劇場版』をもとにした360度立体映像のVR作品です。スマートフォンアプリとして配信されているほか、提携するネットカフェでのVR体験も展開しています。
制作: 株式会社プロダクション・アイジーの荻野宏之氏
border
「border」 は、昨年末に開催された、ダンサーと観客である体験者が参加して成立する斬新なダンス公演です。メディアアーティスト真鍋大度氏・石橋素氏らが主宰するRhizomatics Reseachと演出振付家のMIKIKO氏が率いるダンスカンパニーELEVEN PLAYがコラボレーションしたことで話題を呼びました。
体験者はVRHMDを装着し車いす型の自動制御のパーソナルモビリティ『WHILL』に乗って、ダンスに参加します。
制作: Rhizomatiks Research / ELEVENPLAY / evala / Takayuki Fujimoto
関連記事: 【体験レポ】ライゾマティクスと振付家MIKIKOによる公演「border」。現実と虚構が交じり合う新たな体験
ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM
Oculusを創業したパルマー・ラッキー氏もファンであることが知られている世界的に人気のライトノベル『ソードアート・オンライン』のVR体験です。
参加人数限定で行われた体験会には、多数の応募が集まり、大きな反響を生みました。
https://www.youtube.com/watch?v=FTo7xMiDQ8A
制作: 株式会社ワン・トゥー・テン・デザインの小川丈人氏
アニュビスの仮面
アニュビスの仮面はVRを使ったボードゲームです。複数人で遊ぶタイプの協力型のゲームで、ピラミッドの内部を見ることができるVRヘッドセット「アニュビスの仮面」を使って、見えている内部の特徴を仲間に口頭で伝え、ピラミッドの地図を完成させることで、お宝をゲットするというものです。
制作: ギフトテンインダストリ株式会社の濱田隆史氏
SKY CIRCUS
東京・サンシャインシティの「SKY CIRCUS サンシャイン60展望台」では、2つのVRアトラクション「TOKYO弾丸フライト」「スウィングコースター」を体験することができます。
映像とマシンが組み合わされたダイナミックなVR体験ができることが特徴です。
制作: 電通・電通テック・乃村工藝社・ハシラスの寺本誠氏
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Hyper medicine for augmented human 人間の能力を拡張する超越医療
「Hyper medicine for augmented human 人間の能力を拡張する超越医療」は、VR/AR技術を医療の分野に活用したシステムです。
臓器などを含めた人体をデータ化、バーチャル化して、VR/ARでの外科手術のシミュレーション、トレーニングを行うものです。視覚だけではなく触覚も再現していることが特徴です。
HADO
HADOはVRヘッドセットを装着して、実際のフィールドで体を動かしながら、相手を攻撃したり、逆に相手の攻撃を防御したりする「テクノスポーツ」です。腕の動きを認識するリストバンド(Myo)によって、ARで現実の様子を見ながら、CGのエネルギー弾を撃って攻撃したり、バリアを張って防御します。
https://www.youtube.com/watch?v=lJw2kuKB1iE
制作: meleap, Inc.の冨田由紀治氏
関連記事: 【体験レポ】ニコニコ超会議のHADOはさらに楽しく進化している
Rez Infinite – SynesthesiaSuit
Synesthesia Suit (シナスタジア・スーツ)は、ゲームデザイナー・水口哲也氏が制作するVRゲーム『Rez Infinite』用の、音の触感を全身で感じることのできる共感覚スーツです。
Synesthesia Suitは、音楽に合わせて振動とLEDによる光が点灯します。また振動にはテクスチャ(質感)が伴うため、例えば弦楽器で弾かれている感覚や太鼓で叩かれている感覚などが再現されます。
制作: 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の花光宣尚氏
関連記事: PS VRを使った共感覚体験。『Rez infinite』で水口哲也氏が実現した思わずハマるグルーヴ感
「VRクリエイティブアワード 2016」にはデモ体験会も!
「VRクリエイティブアワード 2016」では、ファイナリストによるプレゼンテーションのほかに、デモ体験会も予定されています。デモ体験会にはファイナリスト作品も展示されるとのことです。
【プログラム】
12:00 ~ 開場・受付・体験デモ(要整理券※)
13:00 ~ 開式挨拶
13:15 ~ キーノート:福原 志保 氏
13:50 ~ ファイナリストプレゼン
15:40 ~ 一般体験
17:15 ~ 受賞者発表
17:45 ~ 閉式
18:30 ~ 懇親会(別会場にて)
※整理券の配布は、3Fで受付後、12:00から4Fデモ会場にて行います。
プログラムは予告なく変更になる場合がございます。
「VRクリエイティブアワード 2016」の参加費は一般が3,000円、VRC会員が無料。また懇親会参加費は一般、VRC会員共に4,000円となります。
ファイナリスト作品を確認すると、どれも高い質の作品であるように思われます。今年はどの作品がアワードを受賞するのでしょうか。今から非常に楽しみなところです。
(関連記事)
【レポート】VRCアワード2015の展示には、日本中から本気なVRコンテンツが結集
VRクリエイティブアワード 2016が応募作品を募集中。締切は4月30日まで
(参考)
VRクリエイティブアワード 2016 公式サイト
http://vrc.or.jp/award2016/