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企業動向 2023.11.20

仕事用VR/ARヘッドセット「Visor」新情報を発表、PC接続なしで最大4時間まで使用可に

Immersedは、VR/ARヘッドセット「Visor」の大幅なデザイン改良を行うと発表しました。PCとの接続なしでも使用可能になり、バッテリー交換により最大4時間までワイヤレス利用が可能になります。また、Webブラウザ機能、VRでのホームシアター機能、追加のトラッキングカメラを搭載します。


(出所:Immersed)

Immersedは業務支援ツール「Immersed」を開発・運営する米国のスタートアップです。同ツール向けのデバイスとして、PC接続型のAR/VRヘッドセット「Visor」を開発しています。「Visor」はカラーパススルー機能を用いて、現実の風景にバーチャルなディスプレイを最大5枚まで表示できます。片目あたり4K解像度のマイクロOLEDを採用しており、主にデスクワークやポータブルディスプレイとしての用途で注目を集めていました。

同社は2023年9月に「Visor」の予約注文を始めましたが、同年10月には「経営資源を集中する」として、2.5Kモデルの発売を中止。インテルやクアルコムといったチップメーカーの技術協力を得ながら、2024年の出荷開始を目指して4Kモデルの開発・製造に取り組んでいます。

ソフトウェア、ハードウェア、通信・充電など多方面の性能向上

Immersedによれば、今回のデザイン改良により、1.ワイヤレス対応のソフトウェア機能が追加されるほか、2.無線通信と最大4時間のバッテリー交換に対応します。また、3.長時間利用や細かい操作に適したハードウェア改良も施されます。

1.一部機能は単体動作、ワイヤレス対応のソフトウェア機能を追加

これまでVisorは「PCとの、有線または無線での接続が必要」と説明されていましたが、今回のアップデートによりPCに接続せずに、単体でWebブラウジングVRホームシアターが利用できます。また、独自のアプリ配信プラットフォームを持たない代わりに、XRコンテンツの標準規格であるOpenXRに準拠することで、開発者が独自アプリを「Visor」で実行できるようにします。なお、搭載されるチップセット等については言及されていません。

2.無線通信や「最大4時間連続動作するバッテリー」との交換に対応

WiFi通信とBluetooth機能、バッテリーが標準搭載され、30分間パソコンへ接続せずに使えます。また、2時間または4時間分連続使用可能なバッテリーとの交換も可能です。

3.長時間利用や細かい操作に適したハードウェア改良

ストラップが改良されるほか(近日公開予定)、タッチボタンとAIアシスタント機能が統合され、装着中の操作がより簡単になります。また、トラッキングカメラが追加搭載され、より高精度での操作ができるとのことです。

デザイン改良に伴い、200~250ドルの値上げ

デザイン改良に伴い、製品価格はいずれも値上げされ、「Visor 4K」が949.99ドル(約14万円、2023/11/17時点)、「Visor 4K Founders Edition」は1249.99ドル(約19万円)に変更されます。ただし、発表以前の予約注文分に追加料金はかかりません。

なお、予約受付中の価格改訂であることから、Immersedはブラックフライデーまで価格を据え置きし、予約後も全額返金可能にする予定です。11月24日までは「Visor 4K」は749.99ドル(約11万円)、「Visor 4K Founders Edition」は999.99ドル(約15万円)で注文できます。

他社製品と性能・価格を差別化する狙いか

同社はプレスリリースで「Apple『Vision Pro』のようにスタンドアロンで最高級の生産性やエンターテインメントを提供できますが、価格は3分の1以下です」と述べており、今回のデザイン改良には他社製品と性能・価格面での差別化を図る狙いがあると見られます。

Immersedの創業者で代表取締役CEOのRenji Bijoy氏は、今回のデザイン改良について「ヘッドセットの開発会社は、自社製品を日常的に使用していないと気づきました。私たちのチームは『Visor』を私たちが欲しい製品として開発しています、私たちはユーザーと一緒にフルタイムで『Immersed』を使っているからです」とコメント。「この画期的な体験が一般提供できることを楽しみにしています」と述べました。

(参考)Immersed


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