CESのゲーミング/VRエリアでひときわ目を引いていたのがVirtuxが開発中のデバイスOmniです。
VR内での様々なアクションを可能とするOmni。2013年のKickstarter以来、これまでも何回か注目を集めてきたデバイスです。今回は、その特徴や価格などをまとめてみました。
特徴
VR内で歩く、走る、しゃがむ、ジャンプするといったアクションを、プレイヤーは現実に動くことで可能にする歩行型のコントローラーです。
その分、筐体は大きく。安全性なども考慮した結果、床面だけでなく胴部に固定用のリングがあるというものになります。このタイプのコントローラーは他にもVirtualizerなどがあり、トレッドミル型と呼ばれています。
床面はすり鉢状の構造になっており、専用の靴を履き摩擦を減らした状態で、胴体をハーネスでOmniに固定します。
体験レポート
2016年1月に開催されたCES2016では、Omniが体験展示されており、筆者も体験してきました。
体験できたのはVirtux社が開発したデモ用のFPSでしたが、2人が同時に体験する協力モードでした。2人でアリーナを走り回り、敵を倒す体験はこれまでにない楽しさです。
歩く際は実際に床面で前に足を踏み出します。走る際には、現実に走るのと同じように歩きより足を前に大きく出す必要があります。方向転換は腰を回転することで、 可能。専用靴が非常に滑りやすい設計になっているため、まるでスケートで歩いたり走ったりするような感覚です。
通常の歩行とは異なるため、Omniを使った移動には慣れが必要です。固定されてはいますが、凍結した道で目隠しをされたまま前に進むような感覚です。慣れて足を動かせるようになるまでは小幅な歩き方になってしまい、非常に時間がかかります。また、方向転換も日常では腰を捻ることはしていないため、慣れが必要です。直感的に慣れていくので、スケートと同じように、直に慣れてくるとさらに楽しさの幅が広がります。
初心者である筆者の体験動画と練習を積んだプレイヤーのFPS試合動画を並べてみました。
筆者(初心者)が体験している様子
Omniが主催したFPSの対戦試合でプレイ中の選手。熟練の動きです。
Omni使ったFPS大会、走り方がプロすぎた。試合中から曇って見えにくそうで、さはに終わってはずしたら顔中が汗でびっしょりなってた pic.twitter.com/aeTIb7BRhs
— すんくぼ (@tyranusII) 2016, 1月 10
足元が見えないため、どの程度足を踏み出していいかも分からず、重心の移動に苦労する筆者と移動方法を熟知し、縦横無尽に駆けまわるプレイヤーではまさに動きが雲泥の差です。
胴体のサークルにより掛かることで後ろ方向に移動するなど現実には不可能な動きも可能なところも興味深いですね。
そして、忘れてはいけないことですが、実際に足を動かすため、10分程度体験でもかなり疲れます。
実際に足を動かし、身体感覚の通りにVR内で動くことが可能になるため、酔いはほとんど感じられません。VRの中にいる感覚は、座って体験する時と比べて段違いに深くなります。
対応機器
Oculus Rift、HTC Vive、Gear VRに対応します。
筆者はHTC Vive版を体験しましたが、ポジショントラッキングのあるOculus Rift、HTC Viveの方がより体験の質は高まります。
別途PC等が必要です。
出荷時期と価格
2013年のKickstarterで110万ドル(約1.3億円)を集め、開発を続けています。 2015年12月からは、Kickstarterの出資者への出荷が始まっています。生産台数には限りがあるようですが、一般商品者向けの発売も近く、予約販売が始まっています。
価格は、1セットあたり699ドル。さらにアジア向けには150〜250ドルの送料がかかるとされています。日本円で換算すると合計で1セットあたり10万円強から11万円強となります。 1セットの内容は以下の通りです。
・本体(トレッドミル) 1つ
・専用シューズ 1足(単品では、59ドル)
・シューズに装着する小型のトラッキングポッド 2個1セット(単品では1セット79ドル)
・ハーネス 1つ(単品では79ドル)
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英語公式サイトでの購入になりますが、日本への発送も可となっています。大型の装置になりますが折りたたみなどはできません。購入の際はスペースを確保したうえでの購入をオススメします。
対応身長:142cm × 195cm
デバイスの幅:140cm ×139cm
重さ:130kg