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“バーチャル”は、建築・建設の現場を劇的に変える

(※本記事は「Redshift 日本版」とのライセンス契約を結んだ転載記事であり、ザック・モーティス氏執筆の原稿を翻訳したものを、オートデスク株式会社の許諾を得て転載しています)

建築設計をコンセプトから形にするまでには、大変な労力が必要とされる。そして、そのデザインが現実世界でどう展開されるかを設計者や建築家、エンジニア、クライアントがそれぞれの視点で実感するには、最も洗練されたデジタルモデルであっても深みに欠けることがある。


(ARアプリを使って現場に建築モデルをオーバーレイするSHoP Architectsのスタッフ。提供:SHoP Architects)

ハイパーリアルなバーチャル世界は、昔からゲーム業界の領域だった。「グランド・セフト・オート」や「コール オブ デューティ」を徹夜でプレイしたことがあれば、誰もがそう断言するだろう。だが、いまだにスローで紙ベースのプロセスに押し込められている建設業界では、没入型VRモデリングツールの活用は困難かつ時間を要するものであり、最終製品にマーケティング的な魅力を加えるためだけに適用されることも多い。

しかし、ゲームのテクノロジーから転用されたツールによって、それも変わりつつある。プロジェクト関係者が早い段階で適切なデザイン決定に到達できるよう支援する、本物さながらのインタラクティブ体験を、設計者がその技術スキルを問わず生み出せるようになったのだ。


(Unityの新しいロンドンオフィスのインテリアはリアルタイムコラボレーションを行うビジュアライゼーションを活用して開発された。提供:Unity)

XR(VR/AR/MRの総称)は建築や土木、エンジニアリングのすべてに関連するものだ。プロジェクトへ入札する建築事務所は、リアルなVR環境を作成することで、クライアントを建設予定の空間の内部へと案内できる。クライアントはデザインの向上へ積極的に関わることができ、その変更はバーチャルモデルへ即座に反映。デベロッパーは関係者を現地に案内して、ビルを完成前に販売可能だ。プロジェクトの完成後には、エンジニアがARを活用してビルの保守や機器の交換を行うことができる。

ゲームの世界からバーチャル・ビルへ

ジュリアン・フォーレ氏は、ゲーム業界をルーツに持つソフトウェア会社Unityのプロダクトマーケティングディレクター。同社のミッションの核となっているのが、リアルタイムかつインタラクティブなデジタルモデルを作成するツールの開発だ。

フォーレ氏は、没入型技術により、建築設計を別の視点から体験できる幾つかの手法を強調している。例えば競技場の場合、会場内の位置により試合の観覧体験がどう異なるのかを、モデルによってシミュレート可能だ。「シート配置の最適化、さらには建設以前に個室観覧席を販売することにも役立ちます」。セキュリティ要件を検証する観衆の移動シミュレーションや、運用開始前の会場スタッフのトレーニングなどにも活用可能だ。

病院など複雑なプロジェクトを建設する際には、その設計段階でエンドユーザーからの情報収集が欠かせない。「まだ実際に運用されていないものについて、設計する前にフィードバックなど得られるでしょうか? 唯一の方法は、その建物と外観、機能が全く同じ環境を作り上げ、その環境を没入体験することでフィードバックを得るというものです」。

エンジニアリング会社は、着工の遥かに前からバーチャル環境を活用して、こうした設計変更を行っている。「外科医や医療スタッフ、看護師にVRヘッドセットを装着してもらうと、すぐに問題箇所が見つかります」と、フォーレ氏。それにより、2件の手術を同時に行えるよう手術室内部のレイアウトを変更したり、光が入り過ぎる窓を排除したりすることが可能。「エンジニアリングの知識を持たない関係者に空間を体験してもらうことで、貴重なフィードバックが得られます」。

もうひとつの例はUnityのロンドンオフィスだ。このオフィスをデザインするため、エージェンシーのOneirosと施工者のM Moser Associatesは、室内環境のビジュアライゼーションをリアルタイムでコラボレーションできる、Autodesk 3ds MaxソフトウェアからUnityへのワークフローを開発している。

よりスマートで迅速、安全な建設

建築設計を、その変更ができなくなる前の段階で素早く修正することにより、時間とコストを節約できる。建設・施工会社はVR環境を活用することにより、建設プロセスの順序を、より良好なものとすることが可能。インタラクティブなモデルにより、掘削やコンクリートの流し込み、プリファブリケーションされた空調ユニットの取り付け、レンガ積み作業、屋根葺きなど、各タスクの細かな手順に必要な時間を正確に指摘できる。フォーレ氏によると、こうした作業工程の改善により、企業によってはプロジェクトのスケジュールを最大35%も短縮できているという。

また着工後、現場のチームはARを活用して現場にVRモデルをオーバーレイできる。これは何千枚もの紙の文書やVRをめくるより、ずっと簡単だ。

建築設計を完全没入型のVR空間へ移行することで、バーチャル環境を機械学習のテストラボ(実験機関)として使用する機会が生まれる。このラボでは、シミュレーション実験を繰り返し行い、そこで生じた課題でデザインを向上させることが可能だ。

例えば洪水や火事、爆発といったエッジケース(特殊な極限的状況)は、現実世界でのシミュレーションはほぼ不可能だ。こうした危険な状態をバーチャル環境で大規模に再現すれば、チームや自律システムの訓練に必要なデータを収集できる。

「こうした手法は、自動運転車両の学習では既に使われています。自動車メーカーは、必要な量のデータを収集するために、センサーを搭載した車両の大群を何十億kmも走行させる必要はありません」と、フォーレ氏。「いまだに事故や怪我が後を絶たない建築・建設業界でも、より優れた安全装置や建設用ロボット、ビル用センサーの開発に大きな変革がもたらされるでしょう」。

VRモデルは、音の感覚入力をシミュレートすることで、建築・建設の世界での音響工学にも対処できる。「世界の人口のほとんどが都市部に居住しており、数百万もの人が、そこでさらされている高レベルの騒音に悩んでいます」と、フォーレ氏。「美しく環境に配慮した空間だけでなく、防音が施された静かな空間を生み出すことも極めて重要です」。

VR building design acoustic simulation

VR building design acoustic simulation

autodesk.wistia.com

BIMモデルをUnityのようなプラットフォームへ取り込むことで、設計者は施設内を通過して特定の材料に反射する音波の音響特性をシミュレート可能。このプラットフォームでは、木と石、窓の開閉に応じた反射音の違いを聞くことができる。

Unityは今秋、Autodesk VR用のVRビジュアライゼーションプラグインの発表を予定している。UnityReflectはVRモデルを、BIMメタデータを保持した没入型VRモデルへと変換。このモデルの検討、変更に技術的な知識はほとんど必要ない。Revitモデルに加えられた変更は、即座にVRモデルへ反映される。

「UnityReflectが目指すのは、データ最適化のプロセスに必要な期間を、数週間から数秒に短縮することです」と、フォーレ氏。Unityはオープンプラットフォームとして設計されており、さまざまな分野のデータソースを自動統合する。「モデルの一部分に機械エンジニアが、また別の部分にインテリアデザイナーが取り組んでいるのであれば、すべてのモデルをひとつに融合させることができます」。(SHoP ArchitectsはVRをニューヨーク・ブルックリン最高峰の構造物となる居住用高層ビルDeKalbのデザインプロセスに統合)


(SHoP Architectsによる、ニューヨーク・ブルックリン最高峰のビルとなる9 DeKalbのレンダリング画像。提供:SHoP Architects)

バーチャルがリアルになる日

フォーレ氏は建築・建設分野におけるXRへの参入障壁が下がり、より直感的に使えるようになることで、シミュレーションをベースとする機械学習が日常生活へさらに組み込まれていくことを期待している。反応性に優れたダイナミックな環境には、人間の行動を読み取るための機械学習による試行錯誤が必要だ。建築・建設のデジタルモデルは、その培養場所になれる。「家具が部屋に誰がいるのかを感知し、好みに合わせて配置が調整されるようになるかもしれません」と、フォーレ氏。「誰が座ろうとしているのかを椅子が把握して、その人の身体に合わせて形を変化させる、というように」。

フォーレ氏は、製造と建築・建設業界間のさらなるコンバージェンス(収束)と、ビル単位の建築・建設シミュレーション、周辺のアーバニズム(都市の生活様式)のシミュレーションの相互運用性が高まると予測している。「自動車メーカーが自動運転車両をシミュレートするには、バーチャル環境内に建築・建設コンテンツが必要です。また、各建築・建設会社は、デザインに自律システムを組み込む必要があります」。

例えばデジタルモデルのセットにより夏の午後、建物内の立体駐車場へ車を駐車することで建物に加わるヒートアイランド現象をどう緩和できるかという影響を検証できるかもしれない。こうした用途向けの建築・建設モデリングアプリケーションは退屈なゲームのように思えるかもしれないが、その累積的な効果は無限だ。今後のXRシミュレーションは、人だけでなくシミュレーション同士によっても改良されていくようになるだろう。そしてデジタルモデル同士が互いにコミュニケートするにつれ、そこから出される結論はゲームと同じくらい斬新で驚くべきものとなり、スマートなモデルからしか生まれ得ない、スマートなビルを実現できる可能性がある。

(参考)Redshift JP



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