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活用事例 2022.11.15

英国の水道会社がVR研修を導入、より安全な“実地”訓練に期待

英国サザン・ウォーター社は、水道汚染事故の対処法改善のため、VR研修を導入していると発表しました。VRで研修を改善できれば、結果的には上下水道事故の減少、生活や環境への影響低減につながると同社は語ります。

事故対応、VR研修でより実践的に

サザン・ウォーター社は水道事故の対処法を学ぶ研修で、新人が現実の事故をきちんと手順を踏んで経験できるようにしたい、また教室での訓練を実践で活かせるようにしたい、といった課題を抱えていました。当初、専門家の指導のもと「汚染事故訓練」を実施していましたが、限界があったため、VR研修を検討するに至ったと振り返っています。

同社はVR研修に期待できる効果をいくつか語っています。たとえば、VRは没入感が高く、高度な技術のわりに費用対効果が高い訓練方法だと述べています。現場での強いプレッシャーや緊張感を再現できるVRは、運用チームを実践的なレベルまで引き上げるのに効果的とのこと。

安全に失敗できる研修体制づくりへ

さらに、没入感や費用対効果とともに、過酷な状況を安全に模倣できることもVR研修の恩恵だと同社は触れています。

水道事故の初期対応には、周辺環境への被害を抑えると同時に、対応者自身の安全確保も必要です。このことは、対応者が多くの手順を覚えなければならず、事故対応には強いプレッシャーや緊張感が伴うことを意味します。VRによって、運用チームは現実世界に重大な影響を与えずに、安全に失敗することさえできるようになります。

VR研修導入のために、サザン・ウォーターは、研修でのVR利用を専門とする地元企業と、PoC(概念実証:ある方法や概念の実現可能性を示すためにつくられる試作品)を開発したと述べています。この地元企業は、以前に水道事業者と共同した経験もあるとのこと。
同社は、「事故発生時に初期対応者がうまく立ち回る一助となるよう、汚染事故対応のトレーニングとして本システムをロールアウトする前に、PoCのテストを完了する予定です」とコメントしています。

(参考)AuganixSouthern Water


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