ソニー株式会社は、3DCGの映像を円筒スクリーンに投影可能な「円筒透明スクリーンディスプレイ」を開発しました。本製品に3DCGの映像を投影することで、360度どこからでも映像を見ることができるとのこと。
通常、光は透明な物体に対して透過するため、透明ディスプレイはその透明度と投影された映像の輝度を両立するのが困難とされています。今回ソニーは、高い透明度を保ちながら高輝度の映像表示が可能な円筒透明スクリーンディスプレイを開発。独自の円筒投影光学設計により、360度全方位から鮮やかな映像の視聴を可能としています。
「SIGGRAPH 2019」に出展
ソニーは、米国・カリフォルニア州ロサンゼルスにて開催中のコンピュータグラフィクスとインタラクティブ技術の国際会議「SIGGRAPH 2019」にて、本製品を出展しています。
「SIGGRAPH 2019」では、本製品を使用した以下の展示を行っています。
360度高速カメラトラッキングによる2D映像への実在感付与
毎秒1,000フレームで撮像が可能な高速ビジョンセンサーを用いたカメラにより、視聴者の位置を360度リアルタイムでトラッキング。これにより、常に映像が円筒内にあるように表示し、2D映像でありながら実在感の高い表現を実現します。
複数台連動による新しい空間演出アプリケーションの提案
本ディスプレイを複数台使用し、それぞれの映像を連動させることで新たな空間演出手法を提案するデモ展示を行います。
360度映像を活かした、光と音のリアルタイムインタラクション
360度映像とそれに協調するサウンドをハンドジェスチャーでリアルタイムに操作し、新しいインタラクティブな体験を楽しめるアプリケーションです。本アプリケーションはソニー・インタラクティブエンタテインメントが開発を行い、デモ展示に協力しています。
なお、「SIGGRAPH 2019」には本ディスプレイ以外にも、網膜直描技術を使ったフルカラーのARアイウェア試作機の展示も行われているとのことです。
(参考)ソニー株式会社 プレスリリース