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投資 2022.10.04

Meta Quest向けサイドローディングアプリ「SideQuest」、Googleの投資部門から1,200万ドルを調達

10月3日、Meta Quest向けのサイドローディング(※)用アプリを開発するSideQuestが、1,200万ドル(約17億円、2022年10月4日時点)の資金調達を実施しました。調達先はGoogleの投資部門であるGV(旧Google Ventures)。本調達はシリーズAで実施され、同社の累計調達額は1,565万ドルに達しました。なお、資金の用途は非公開です。

(※サイドローディング:正規のアプリストア以外から、アプリを入手しインストールすること)

審査の厳しさから生まれた「SideQuest」

SideQuest」は、MetaのQuest公式ストアで配信されていない、いわば「非公式」のVRゲームやアプリケーションを入手できるシステムです。SideQuestのリリース当初、Quest公式ストアはコンテンツのクオリティ審査が厳しいことで知られていました。この審査を回避して、様々なVRコンテンツを配信できる場として「SideQuest」が登場した、という経緯が存在します。

開発・運営は同名の企業であるSideQuestが行っており、2020年5月には100万ダウンロードを突破。2022年6月にはVRヘッドセット「Meta Quest 2」を装着したまま直接アプリをダウンロードできるアップデートを公開しました。

Googleからの支援は「VRコンテンツプラットフォーム」を変えるか

今回の調達先はGoogleの投資部門であるGV(Google Ventures)。本調達の結果として、GVのゼネラルパートナーであるM.G.Siegler氏がSideQuestの役員に就任します。Siegler氏はGVのプレスリリースにおいて、「SideQuestのチームは、この分野のリーダーになる可能性を持っており、ようやく拡大の準備が整ったと感じています。同社の最終目標は、広範なXRエコシステムの主要ハブおよびソフトウェアレイヤーになることです」とコメントしました。

Googleが開発したAndroidはスマートフォン等だけではなく、Meta Quest 2のシステムやソフトウェアの基礎を形成しています。また中国のVRヘッドセットメーカーであるPicoもまたAndroidを採用しています。GoogleはVRコンテンツやハードウェア関連の取り組みを次々とシャットダウンしているものの、SideQuestを通して将来的な「ストア」あるいは「プラットフォーム」を狙う可能性は十分ありえるでしょう。

なおSideQuestの共同設立者のShane Harris氏は、UploadVRに対し「私たちのツールは、サイドローディングをサポートするAndroidベースのデバイスで動作します。Pico 4やPico 3以下のシリーズでも実際にサイドロードィングゲームが動作しますが、現在『SideQuest』でPicoシリーズをサポートするゲームは『Quake 3』だけです」、「私たちは、次のデバイスの波が『OpenXR』のようなオープンスタンダードを採用し、ユーザーが『SideQuest』のような最先端アプリでコンテンツの実験が可能となることを望んでいます」と語りました。

(参考)GV, UploadVR
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