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企業動向 2023.08.31

Robloxが2023年の第2四半期決算発表、ユーザー増も赤字拡大

8月9日、Robloxが2023年第2四半期の業績を発表しました。売上高は前年同期比で15%増加し、日間アクティブユーザー数、ユーザー総滞在時間、ユーザー支払総額ともに前年比約20%増を記録しました。他方で営業損失の拡大は続いており、同社はインフラ費用などを抑制する方針です。


(出所:Roblox)

米Robloxが運営する​「Roblox(ロブロックス)」は、プレイヤー自身がゲームを作って公開できるほか、他のプレイヤーが作ったゲームを遊べるプラットフォームです。ゲーム内通貨「Robux(ロバックス)」を介して、アバターやアイテムなどが盛んに売買されているほか、企業とのタイアップやライブイベントなども各国で開催され、世界有数の“メタバース”として広く知られています。2021年3月には、ニューヨーク証券取引所へ上場しました。

赤字は続くも、利用者・支払金額ともに増加

Robloxの決算発表によると、第2四半期の売上高は6億8,080万ドル(約996億円)で、前年同期比15%増加しました。一方で、営業損失は3億1,398万ドル(約459億円)。前年同期比では損失が84%増加しており、赤字が拡大しています(為替レートは2023年8月29日時点)。


(出所:Roblox)

同社が公表した非-財務指標をみると、日間アクティブユーザー数(DAU)は6,450万人と前年同期比25%増、ユーザー総滞在時間(Hours Engaged)は139億時間と同24%増でした。

また、サービス内のユーザー支払総額(Bookings)は7億8,070万ドル(約1,142億円)と、前年同期比22%増でした。ユーザー支払総額を日間アクティブユーザー数で割ったユーザー1人当たりの平均通貨販売数(ABPDAU)は11.9ドル(約1,741円)でしたが、前年同期比で3%減少しています。

非-北米圏の年長ユーザーが増加も、収益化の途上

地域・年齢別にみると、日間アクティブユーザー数(DAU)は「非-北米圏」「13歳以上」の増加が続いています。地域別のDAUはヨーロッパが1,820万人、その他(ROW)が1,770万人、アジア太平洋が1,550万人、北米が1,420万人でした。また、13歳以上のDAUが全体の56%(3,680万人)を占めるなど、ティーンエイジャー以上の年齢層も増えています。


(出所:Roblox)

他方で、ユーザー1人当たりの平均通貨販売数(ABPDAU)は、北米の34.3ドル(約5,020円)に比べ、ヨーロッパ・アジア太平洋・その他では10ドル未満(約1,465円)に留まっています。Robloxの地域別売上高は北米が4億3,950万ドル(約643億円)と最多ですが、「アジア太平洋」も前年同期比で30%増の6,900万ドル(約100億円)と成長しており、非-北米圏の収益増は途上にあると見られます。


(出所:Roblox)

インフラ費用や来期報酬を抑制する計画

今回の決算発表に際して、同社でCFOを務めるMichael Guthrie氏は、支出金額の高い費目インフラストラクチャーとトラスト&セーフティ、および2024年第1四半期に計上予定の報酬費用について、「今四半期中に営業レバレッジを効かせられると期待できる計画を立案しました」とコメントしています。

また、Robloxの創業者でCEOを務めるDavid Baszucki氏は「クリエイターやブランドに価値を提供し、ユーザーにより革新的で没入感のあるアバターや体験を提供できるよう、プロダクト・リーダーシップの拡大に引き続き注力していきます」とコメントしています。

(参考)Roblox(1)Roblox(2)


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