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企業動向 2023.11.09

Robloxが2023年の第3四半期決算を発表。支出削減で赤字縮小へ

11月8日、Robloxは2023年第3四半期の業績を発表しました。売上高は前年同期比で37%増加し、日間アクティブユーザー数、ユーザー総滞在時間、ユーザー支払総額ともに前年比約19%増を記録しました。非-北米圏の売上・ユーザー増が続き、赤字縮小に向けた財務改善が進んでいます。

米Robloxが運営する​「Roblox(ロブロックス)」は、プレイヤー自身がゲームを作って公開できるほか、他のプレイヤーが作ったゲームを遊べるプラットフォームです。ゲーム内通貨「Robux(ロバックス)」を介して、アバターやアイテムなどが盛んに売買されているほか、企業とのタイアップやライブイベントなども各国で開催され、世界有数の“メタバース”として広く知られています。2021年3月には、ニューヨーク証券取引所へ上場しました。

好調なユーザー増が続き、四半期ベースでの赤字規模は縮小

Robloxの決算発表によると、第2四半期の売上高は7億1,322万ドル(約1,076億円)で、前年同期比37%増加しました。営業損失は2億7,715万ドル(約418億円)と前年同期比7%減少しており、赤字は四半期ベースで縮小傾向にあります(為替レートは2023年11月09日時点)。


(出所:Roblox)

同プラットフォームの日間アクティブユーザー数(DAU)は7,020万人と前年同期比19%増、ユーザー総滞在時間(Hours Engaged)は160億時間と同19%増でした。

また、サービス内のユーザー支払総額(Bookings)は8億3,950万ドル(約1,266億円)と、前年同期比19%増でした。ユーザー支払総額を日間アクティブユーザー数で割ったユーザー1人当たりの平均通貨販売数(ABPDAU)は11.9ドル(約1,795円)で、前年同期比ではほぼ横ばいです。


(出所:Roblox)

非-北米圏の年長ユーザーが続伸、4Q決算に期待か

地域・年齢別にみると、日間アクティブユーザー数(DAU)は、前期に引き続き「非-北米圏」「13歳以上」の増加が続いています。地域別のDAUはヨーロッパが1,890万人、その他(ROW)が1,940万人、アジア太平洋が1,620万人、北米が1,570万人でした。また、「13歳以上」のDAUが初めて4,000万人に達するなど、ティーンエイジャー以上の年齢層が多数を占める傾向が続いています。


(出所:Roblox)

ユーザー1人当たりの平均通貨販売数(ABPDAU)は、各地域ともに横ばいから微減となりました。Robloxは例年、クリスマスシーズンを含む第4四半期にABPDAUが高まる傾向にあります。今四半期に増加した非-北米圏のユーザー行動が、来期決算にどういった影響を与えるのかに注目です。


(出所:Roblox)

経営陣は支出削減とユーザー増に手応え

今回の決算発表に際して、同社でCFOを務めるMichael Guthrie氏は、「営業費用と設備投資の伸びが鈍化したことで、営業レバレッジとフリー・キャッシュフローを生み出せる新たな局面を迎えています」とコメントしています。

また、Robloxの創業者でCEOを務めるDavid Baszucki氏は、支出削減による営業利益率の改善にふれつつ、「今四半期も力強い成長を遂げることができました。特に西ヨーロッパと東アジアで予約数が大きく伸びました。」とコメントしています。

(参考)Roblox


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