半導体材料メーカーの株式会社レゾナックは、半導体の材料開発でVR技術を活用すると発表しました。第1弾として分子構造解析の事例を紹介しています。
分子の構造・動力をVRで解析
レゾナックは、VR技術を活用した分子レベルの材料解析の第1弾として、無機基板と有機分子の相互作用メカニズムの解析事例を公表しました。CMPスラリー（研磨材料）をはじめとした半導体材料や、電子材料分野への応用が想定されています。
0.1ナノメートル（1mの100億分の1）サイズの世界を3次元で表現することで、分析者が直感的に操作しながら観察できるようになりました。同社のYouTubeチャンネルでは、イノシン酸の水酸基中の水素が、シリカ基板の4つの酸素原子に束縛されている様子が紹介されています。
ヘッドマウントディスプレイを介することで、計算科学者による統計解析だけでなく、材料開発者の構造解析が可能となり、両者の円滑なコミュニケーションやスピーディーな材料開発が期待されます。
レゾナックの計算情報科学研究センター長・奥野好成氏はプレスリリースで、「このVRの導入・活用を全社に展開し、将来的には、社内のインフラにまで高めていきたいと考えています」と語りました。
（参考）プレスリリース
