Oculusは同社が制作したVRアニメーション「Henry」を一体型VRヘッドセットOculus Go(オキュラスゴー)およびモバイル向けヘッドセットGear VRに配信開始しました。対応デバイスを持っているユーザーは無料で見ることができます。
[ads]
「Henry」は友達のいないハリネズミのヘンリーの誕生日を描いたVRアニメーションです。これまでのアニメと全く異なるVRにおけるアニメーションの表現手法を模索して2015年に制作されました。制作を手がけたのはトイストーリー3のチームなどから集まったCGアニメーションのプロフェッショナルチームです。
2016年3月にPC向けVRヘッドセットOculus Riftの発売とともに無料配信されました。非常に美麗なグラフィックとヘンリーの喜怒哀楽に思わずユーザーが感情移入してしまうこの作品。同年にはVR作品としては史上初のエミー賞を受賞しています。
VR動画の新たな基準作りに挑戦した「Henry」
Oculus Rift版を体験した人は気づくのですが、Oculus Goで体験してもそのクオリティに大きな差は感じられません。Oculus Rift版と違い、動き回ることはできませんが、もともとこの作品では動かなければいけないシーンはありませんでした。
Unreal Engine 4で開発されたRift版の「Henry」そのままに処理能力が大幅に劣る一体型VRヘッドセットのOculus Goでも大きな劣化を感じることなく体験できることには驚嘆を感じ得ません。
この移植には世界最高峰のエンジニアでありOculusのCTOを務めるジョン・カーマック氏が関わっています。
カーマック氏は、5月末に新たなVR動画再生技術についてツイートをしています。ツイートによれば、新技術は5K×5K解像度の動画をフレームレート60fpsで再生可能(明記されていませんが、おそらく3D映像と考えられます)。「VR動画の新たな基準を作る」としています。
カーマック氏はこの技術を用いて「Henry」の移植を行いました。まるで動画とは思えない、リアルタイムにCGを描画しているような高品質なグラフィックで体験することができます。
Oculus Goを持っているユーザーはぜひ体験したい作品です。
Oculus Store「Henry」(Oculus Go版)
(参考)Road to VR
Mogura VRはRoad to VRのパートナーメディアです。