フランス・パリのスタートアップNextMindは、CES 2020にて自社の最新デバイスを発表しました。このデバイスは、ユーザーの脳の視覚野からシグナルを読み取り、何に注目しているかを判断。“見ること”だけで、コンピューターやVR/ARのコントロールを可能にします。
ユーザーの注目を用いて操作
重さ60グラムのこのデバイスは、後頭部に装着して用います。人が何かに注目しているとき、その情報は視覚野に伝達されます。このシグナルをデコードして、PC等の操作につなげるのがデバイスの働きです。単純に目の動きでコントロールを行う、アイトラッキングとは別物となります。
NextMindによれば、将来的にはユーザーが注目するものだけでなく、頭に思い描いたり、記憶を呼び起こしたりした内容に沿って、コントロールを実現したいということです。
TVの操作やゲームプレイなど
メディアVenture Beatの記者は、実際にデバイスを装着し複数のデモを体験。テレビのチャンネルや音量を変えたり、シューティングゲームをプレイしたり、ランプの色を変えたり、といった操作を行いました。これらはすべて、手やコントローラーを動かす必要なく、視点を集中させる動作だけで可能です。
ハンズフリーのVRコントロールも可能
さらに注目されるのが、デバイスを用いたVRの操作です。NextMindはこの機能により、CES 2020で“Best of Innovation in VR/AR”と“Honoree in wearable technologies”の2つのアワードを受賞しました。
公開されたデモによると、ユーザーはVRヘッドセットと共にNextMindのデバイスを装着。手を一切動かさず、ゲーム内の敵の狙撃や、テレポートを行えます。
原稿執筆時点、操作には不完全な点もありますが、同社は改良を進めていると言います。さらに将来的なユースケースとして、ARグラスとの併用も検討しているとのこと。よりサイズダウンし、ジェスチャー操作やアイトラッキングと共に用いることが可能だとします。
2020年1月に出荷する開発者向けキットの価格は399ドル。同年第2四半期にも、先行予約者向けの出荷を予定しています。プレオーダーの登録は、公式ウェブサイトから行えます。
(参考)Venture Beat