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VR体験施設 2022.11.05

新宿駅から徒歩1分でVR体験できる! 小田急が開業する日本初のXR特化型複合施設「NEUU」レポ

11月1日、XRをテーマにした常設施設「NEUU」が新宿駅西口にオープンしました。「体験スペース」「ワークスペース」「ショールーム」の3つのゾーンが設けられており、最新デバイスやXRコンテンツを実際に体験可能です。


(小田急電鉄)

コワーキングスペースとしても運営され、XRクリエイターの交流場所とするべくイベントなども開催予定です。今回は、実際に施設内で体験可能なXRコンテンツがどのようなものなのか、取材してきました。

新宿駅から徒歩1分!日本初のXR特化型複合施設


(小田急電鉄)

NEUUは、東京都事業「西新宿先端サービス実装・産官学コンソーシアム」における「5Gサービス実装プロジェクト」の一環としてつくられた、日本初のXR特化型複合施設。場所は、新宿駅西口から徒歩1分の距離にある新宿三葉ビルの1階です。

施設内は「体験スペース」「ワークスペース」「ショールーム」の3つのゾーンがあり、いわゆる「VR体験施設」にとどまりません。詳しくは後述しますが、クリエイターが交流する「ハブ」としての役割も想定した施設となっています。

VR映画鑑賞や新デバイスを気軽に体験できる

では、NEUUではどのようなことができるのでしょうか。


(小田急電鉄)

第一に、ショールーム。施設を訪れた人が最新デバイスを試せる展示スペースです。現在はHTC Japan・日本HP・KDDIなどのデバイスを展示しています。


(小田急電鉄)

第二に、XR体験スペース。まだまだ触れる機会の少ないXRコンテンツを、専門のスタッフのサポートを受けながら体験できるスペースです。常時4、5本のVR映画を体験でき、ゲームでも映画でもない、没入感と臨場感のあるストーリーテリング作品を味わえます。


(小田急電鉄)

第三に、ワークスペース。最新のXRデバイスがレンタルできる、XRクリエイター向けのコワーキングスペース(最大36席)。初回のみ会員登録が必要ですが、予約不要で誰でも利用可能です。

利用料金は1時間600円で、デバイスのレンタルに別途料金はかかりません。また毎週末にはスペースを活用して、VRプロフェッショナルアカデミーが授業を実施するそうです。


(小田急電鉄)

第四に、イベント開催。「創作したXR作品を発表する機会がない」「クリエイター同士で交流する場所がない」といった問題を解決するために、施設内でたびたびイベントを開催する予定との話でした。


(小田急電鉄)

それ以外にもNEUUでは、施設外でのAR体験提供も予定しているのだとか。「未来都市」をテーマにしたAR作品のハッカソンを開催し、制作した作品は実際に西新宿の街中で体験できるようになるそうです。もちろん、デバイスは施設でレンタルできます。

初めての人でも安心手軽に体験できるXRコンテンツ

体験スぺースで実際にXRコンテンツを体験してきました。


(小田急電鉄)

現在ラインナップされているコンテンツは、BEAT」「Feather」「MOWB」「In the pictures」の4作品。複雑な操作やアクションは一切なく、それでいて没入感もしっかり感じられるラインナップです。VR初体験の人でも理解しやすいストーリーが展開され、どれも終わったあとは満足感を得られる作品でした。

ラインナップは3ヶ月ごとに入れ替わる予定で、Webから予約が可能。体験は有料チケット制となっており、座った状態でも楽しめる「360度映像」タイプの作品は600円、VR空間内を実際に移動できる「6DoF」タイプの作品は1,200円で利用できます。


(小田急電鉄)

今回の取材陣の中にはVR初体験と思しき人もいましたが、機材の装着からスタッフが丁寧にサポート。体験中に迷うことがあれば必要に応じて案内してくれるので、初めての人でも安心して楽しめます。通常営業時も、体験スペースでは専門のスタッフが手助けしてくれます。

いずれも10分程度なので「ずっとVRヘッドセットを装着していて疲れてしまった」ということにもなりにくく、そういう意味でも満足感を得やすいのではないでしょうか。必要以上に動き回る必要もないため、VR酔いが不安な人も問題なく楽しめるはずです。


(「PICO 4」)


(「HP Reverb G2」)


(「Vive Flow」)


(「Nreal Air」)

また、デバイスやサービスを展示するショールームでは、「PICO 4」「HP Reverb G2」「HTC VIVE Flow」「Nreal Air」が展示されていました。これらのデバイスをまとめて試せる機会はそうそうないでしょうし、実際に手に取って試すこともできます。

クリエイターが集い、共感し、交流するための場所に


(左から、小田急電鉄新宿プロジェクト推進部XRチームリーダー・岡本享大氏、小田急電鉄取締役社長・星野晃司氏、東京都副知事・宮坂学氏、NEUU館長・村岡大介氏)

今回の「NEUU」はどのような目的で設立された施設なのでしょうか? 報道向けのお披露目会では、設立の経緯についても詳しく説明されていました。


(小田急電鉄)

小田急電鉄の取締役社長・星野晃司氏によれば、現在の小田急グループは「コロナ禍が収まっても、在宅勤務などで2割程度のお客様は戻らないと覚悟している」「どのようにお客様にお戻りいただくかが大きな課題である」といった現状認識があるとのこと。多くの人
が「移動」する目的を作り出す必要があり、その課題を解決する一手として、XRをはじめとするテクノロジーに着目。小田急の資産である乗り物の魅力にXRを掛け合わせ、新しい価値を提供していきたいと語っていました。

また、小田急電鉄の新宿プロジェクト推進部でXRチームリーダーを務める岡本享大氏は、これまでのXR関連の事業から「マネタイズが難しく、単発のイベントで終わってしまう」という課題が浮かび上がったと説明。そこで目を向けたのが、「クリエイター」の存在だったとのこと。XRに関わるプレイヤーの課題解決を行いながら、クリエイター同士の連携を加速化することによって、「継続性」という課題を乗り越えたい。そのための施設が、今回オープンしたNEUUだったと説明しています。つまり、NEUUは、クリエイターが集い、共感し、交流するための場所として活用していく場所になることが目指されています。


(小田急電鉄)

東京都副知事・宮坂学氏も登壇。都が取り組んでいる「スマート東京」プロジェクトについてふれつつ、今回のNEUUが「西新宿先端サービス実装・産官学コンソーシアム」の第一弾プロジェクトであると説明。「NEUUの開業によって、西新宿で世界最先端のXRの技術を誰もが手軽に体験できるようになる。本当にすばらしいことだと思います」「若いクリエイターのみなさんの創作や発表の場を作っていくのは本当に大事なことであり、未来のヒーローがこの場所から生まれればいいなと思っています」と語っていました。


(小田急電鉄)

その後の質疑応答では具体的な数字も示され、「今年度は10,000人、来年度は20,000人の来場者数を目指している」とのこと。星野社長からも「XRに興味がある人や関心のある企業関係者においでいただき、XRに関わる人がどんどん増えてほしい」「XRを活用することで、小田急の持っているリアルの魅力や観光地に付加価値を与えたい」といった展望が語られていました。

「新宿駅から徒歩1分」という近さも魅力の、XR特化型複合施設・NEUU。今後、ここを起点として新たなクリエイターたちが続々と登場することになるかもしれません。気になる方は一度足を運んでみませんか?

施設概要

営業時間:9:00〜21:00(最終入場20:00)
定休日:火曜日
アクセス:新宿駅西口より徒歩1本
住所:東京都新宿区西新宿1-5-11 新宿三葉ビル 1階
お問い合わせ:03-5990-5933
公式サイト:https://neuu.jp/
Twitter:https://twitter.com/neuu_jp

【ワークスペース利用料金】
1時間以内:600円
3時間以内:1,200円
6時間以内:1,600円
1日:2,000円

【体験スペース利用料金】
BEAT:1,200円
Feather:1,200円
MOWB:600円
In the pictures:600円


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