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話題 2022.06.10

「スノウ・クラッシュ」作者ニール・スティーヴンスンがTwitterで「メタバース」についてコメント

1992年に「スノウ・クラッシュ」を発表し、世界に「メタバース」という言葉を広めた小説家ニール・スティーヴンスン氏が、Twitterで「メタバース」についてのコメントを投稿しました。

スティーヴンスン氏は、メタバースの現在と今後について以下のようにコメントしています。

スティーヴンスン氏のコメント

メタバースの主流が、AR/VRになるという考えはおかしくはありません。本(スノウ・クラッシュ)ではVR(を使う物だった)ですし、私自身、ヘッドセットに数十億ドルを投資するAR企業で働いてこともありました。

ただ、私が「スノウ・クラッシュ」の執筆時に予測できなかったのが、ビデオゲームの台頭です。私はテレビに似たアプリが、コンピューターグラフィックにとって大きく作用すると考えていました。しかし「DOOM(FPSゲーム)」と“ゲーム世代”が登場しました。これが3Dグラフィックを、一般ユーザーが触れられるぐらい、安価なものにしたのです。

ゲームのおかげで、数十億人が、今や2Dスクリーン上で動く3D環境という物に慣れ親しんでいます。それらで使用されるUI(WASDキー移動とマウス操作など)は、著名なSF作家も予想できませんでした。テック分野での経路依存性を示していると言えます。

我々は、機械式のタイプライターとして作られた機械(=PC)で、リッチな3D環境を操作しインタラクトしています。これはスチームパンクが現実化したようなものです。これらの(環境に親しむ)ユーザーを置き去りにするメタバースや開発者は、間違った道を進んでいると言えるでしょう。

幸いにも、現代のゲームエンジンでは、仕様の最終的な決定は、開発の後半まで保留することが可能です。これは、通常のゲームとは異なり、AR/VR向けの開発を行う難易度を下げる結果にはつながりません。私はMagic Leap社でコンテンツ開発を行っていた時期、それを痛感しました。

ただ、現行の(ゲーム)エンジンは、複数の対象機器を想定して開発するデベロッパーを支援してくれる仕組みがあります、私の予測では、メタバースというコンテンツは主にフラットスクリーン向け(そこに市場が存在するので)に作られますが、手ごろな価格のヘッドセットが将来的に発展する可能性もあると思われます。

スティーヴンスン氏は現在、「Lamina1」と呼ばれるブロックチェーンプロジェクトに携わっています。海外メディアCoindeskによると、同チェーンはVRとARの統合に焦点をあてた“オープンメタバース”の構築に使用されるとのことです。

「スノウ・クラッシュ」早川書房公式サイト:
https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000015028/
Amazon:
https://www.amazon.co.jp/dp/4150123543/ref=cm_sw_r_tw_dp_GC61SXE2N7HQYD2EV7H4

(参考)CoindeskTwitter


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