Home » スマートコンタクトレンズのMojo Vision、初の装着テストを実施 「目に入れるだけのコンピュータ」実現にまた一歩


業界動向 2022.06.30

スマートコンタクトレンズのMojo Vision、初の装着テストを実施 「目に入れるだけのコンピュータ」実現にまた一歩

米国のMojo Visionが、初めてスマートコンタクトレンズ「Mojo Lens」の装着テストをスタートしました。CEOのDrew Perkins氏自らが被験者となり、「文字通り言葉を失った」と語っています。

7年間の成果がついに実るか

Mojo Visionは2015年、AppleやAmazon、Google出身のエンジニアを中心に創業。情報を視界に表示するスマートコンタクトレンズ「Mojo Lens」の開発を行っており、2022年1月には累計調達額が2億ドルに達しました。また2020年12月には、日本のコンタクトレンズメーカー大手である株式会社メニコンと共同開発契約を結んでいます。

2022年3月末に公開した最新プロトタイプ「Mojo Lens」は、1インチあたり14,000ピクセルの解像度を持つマイクロLEDディスプレイを搭載。サイズは直径0.5mm未満です。また5GHz帯の無線通信機能を有し、加速度センサーやジャイロスコープ、地磁気センサーなどを使用してアイトラッキング(視線追跡)を行い、手を使わず視線のみでの操作を実現しています。

Mojo Visionによると、目に入れるために電力供給や通信を全てワイヤレスで行う点が最後の技術的なハードルだったとのこと。この「Mojo Lens」は医療グレードのマイクロバッテリーや独自の電力管理システムを採用しています。

「言葉を失う体験」

2022年6月23日、CEOのDrew Perkins氏は同社ラボで「主要機能が全て実装されたスマートコンタクトレンズの、初の目への装着デモ」を実施。前臨床試験や安全上のリスク軽減を重ね、今回の装着デモに至りました。

同氏によると、デモ体験は”刺激的”なものだったとのこと。自身の向く方向を特定し、画像を見たり、スクリーン上の文章を読んだりといった動作が行えたということです。「未来を覗く体験は、文字通り言葉を失うものでした」と同氏は綴っています。

FDAの認可申請を経て、将来の市販化目指す

Mojo Visionは今後もテストを続け、最終的には市販化に向けたFDA(アメリカ食品医薬品局)への申請を計画中です。そして視覚に障害を持つ人の補助や、アスリートのトレーニングサポート等の用途で活用を目指しています。究極的には、現実に目を向けたまま1日中利用できる、目に見えないアシスタントのような存在が期待されています。

(参考)The Mojo Blog


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード