4月6日(木)、モバイルモーションキャプチャー「mocopi」のアプリケーションがアップデートされました。iOS版のアップデート配信が開始され、Android版のアップデートは後日公開予定です。
今回のアップデートで、新たに「AR背景機能」と「VRoid Hub連携機能」が追加。より使いやすく、より幅広く使えるモーションキャプチャーへと進化しました。
本記事では、アップデート配信に先駆けてMoguLive編集部が体験した、「mocopi」アプリの新機能「AR背景機能」「VRoid Hub連携機能」の全容をお伝えいたします。
VRoid Hub連携でアバター導入がとてもかんたんに!
まずは「VRoid Hub」連携からご紹介します。アバター作成ツール「VRoid Studio」などで作られたVRM形式のアバターをアップロードできるサービス「VRoid Hub」。ここに登録したアバターは、連携対応したアプリケーションでかんたんに利用することができます。
「mocopi」アプリにおいても、その手軽さは健在。デモンストレーションでは、「VRoid Studio」で作成したアバターを「VRoid Hub」へアップロードし、さらに「mocopi」へ持ってくるという流れが紹介。一連の流れは5分とかかりませんでした。
せっかくなので、筆者の「VRoid Hub」との連携も体験させてもらいました。とはいえ、やることは簡単。スマホ側で「VRoid Hub」へのログインを済ませた状態で、「mocopi」アプリで連携処理を行うだけ。
1分〜2分で「VRoid Hub」に登録していたVRoidアバターを持ってこれました! これまではスマホに直接アバターのデータを入れるしかなかったため、自作アバターを「mocopi」で動かすまでがほんとうに簡単になりました。
アバターを現実世界へ。AR背景機能もお手軽でかんたん
続いて「AR背景機能」について。こちらは既存の「背景変更」に新たに追加される形となります。
「背景変更」から「AR背景」を選択後、任意の場所を選べばアバターがカメラ越しに表示されます。操作はとってもシンプル。アバターの位置調整、拡縮、回転でこまかに立ち位置も調整でき、位置リセットも画面から1タッチで実行できます。
この機能も、筆者の「VRoid Hub」から持ち込んだアバターで試してみました。スマホのカメラ越しにアバターを表示できるツールは「カスタムキャスト」などがありますが、それらと比較しても精度は劣らない印象です。
近い位置に配置すれば、自撮り的なアングルにすることもできます。
座標を指定してアバターを呼び出すため、接近したり、背後に回り込むこともできます。単純にアバターを眺めるツールとしても使えそうです。
VTuberの外ロケにも革命が!? 屋外で使ってみた
そして、モバイルモーションキャプチャ「mocopi」との組み合わせで進化を発揮するシーンといえば「屋外ロケ」です。実際に屋外でアバター外ロケを実施する様子を見せてもらいました。
「mocopi」を用いたアバター外ロケで最も強力な点は、アバターを動かすアクターが現場にいるということです。これまでは、アクターはどうしてもモーションキャプチャースタジオから出られないため、外ロケとなる現場の様子は想像で補うしかありませんでした。
しかし、屋外でも動作する「mocopi」であれば、アクターは現地にいながらアバターを動かすことができます。やろうと思えば、「mocopi」アプリを動かす端末の画面を見ながらアクションできるため、より臨場感のある表現を行いやすくなっていると言えるでしょう。もちろん、自分ひとりでこれらの撮影を行うことだってできます。
カメラマンとアクターが息を合わせれば、このように「現実世界をアバターが歩く」動画撮影もできます!
筆者もこの撮影を体験してみたのですが、もはやリアルの人間の撮影と大差ない感覚で、現実世界に”存在する”アバターを撮影できました。「バーチャルな存在の外ロケ」がたしかに実現しています。
余談ですが、先日投稿された「mocopi」公式アバター・RAYNOSちゃんがVTuberデビューする……という内容のこちらの動画は、実は今回リリースの「AR背景機能」を使って制作されたものだそう。なんと、撮影から編集まで数時間ほどでできたのだとか。外ロケをしたいVTuberにとって、この手軽さは大きいはずです。
もっとかんたんに、もっとはばひろく
誰でも手早く簡単に使えるモーションキャプチャーデバイスとして、現在「mocopi」はVTuberを中心に大きく活用が進んでいます。
一方で、これまでは自前のアバター導入のハードルがやや面倒で、かつAR機能が存在しないという弱点を抱えていました。外ロケのために買ってみたものの、アバターを入れるのに手こずったり、グリーンバック撮影と映像合成をするハメになった、という方も多いのではないでしょうか。
今回のアプリアップデートによって、「mocopi」の大きな需要である「アバターを現実世界で動かす」と、「アバターを導入しにくい」という問題点が同時に解消されることになります。屋内でも、屋外でも、自分のアバターをいろいろな場所へ、自分の動きとともに連れ出すことができるようになり、よりユーザー・クリエイターフレンドリーになりました。
これからアバターを作ろうと考える初心者から、様々な表現を実現してみたいクリエイターまで、幅広い人に扱いやすいデバイスとなった「mocopi」。今後も、ユーザーの声をもとに改善を続けていくとのことなので、さらなる発展にも期待が持てそうです。
mocopi公式サイトはこちら。
https://www.sony.jp/mocopi/