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VTuber 2023.01.30

mocopiはVTuber活動にどう使う? 簡単なスマホアプリ活用例や、PCに同期するツールを紹介

小さなセンサーとスマートフォンだけで、どこでも手軽にモーションキャプチャーができるモバイルモーションキャプチャmocopi。特に現在3Dモデルを持っているVTuberにとっては、活動や表現の幅を大きく広げるカギになると、期待を寄せているかもしれません。

まだ発売から日が浅いですが、本記事ではVTuberはmocopiをどのように活用できるか、具体的な活用例などを取り上げながら、現時点での暫定評価も交えてお伝えします。

※「VRChat」でmocopiを使う方法は以下の記事を確認ください。

そもそも、mocopiとは?

mocopiは、センサー本体とスマートフォンを接続し、アプリでアバターのモーションの記録や送信を行います。使用するには、以下のものが必要になります。

  • mocopi本体:価格は49,500円(税込)
  • スマートフォン:iOS/Android両対応(対応機種は公式サイトで確認可能)
  • アバター:VRM形式に対応。Live2Dは非対応。

mocopiにアバターをアップロードする方法

VTuber活動にmocopiを利用する場合は、事前にVRM形式のアバターが必要です。VRMアバターは、スマートフォン内の「mocopi」フォルダの直下に直接アップロードすることで、アプリ上で使用可能になります。入れる方法は以下の例があげられます。

  • クラウドサービスにアバターをアップロードした後、スマートフォンでアクセスしてダウンロードする
  • PCと接続して、mocopiの対象フォルダに入れる(iPhoneの場合はさらにいくつか方法があります。公式ユーザーガイドを確認ください)

自分のアバターがない場合でも、mocopiアプリには2つのサンプルアバターがデフォルトが用意されているので、まずはサンプルをお試しで動かしてみるのもアリです。

なお、「Virtual Motion Capture」や「VRChat」など、外部サービスへ連携する場合は、mocopiのアプリ上で設定したアバターではなく、連携先で設定されたアバターが使用されます。

スマホアプリだけでサクッとショート動画を撮る

「サクッとダンスなどを動画にしたい!」なら、mocopiのスマートフォンアプリだけで録画できます。セットアップしたら、モードを「ビデオ」に切り替えて、録画ボタンを押すだけ。とりわけショート動画などを作りたいときにオススメです。

背景カラーも緑(グリーンバック)、青(ブルーバック)、白の3色と、カスタムカラーが選択できます。グリーンバックで撮影した動画を、クロマキーで抜き出して他の映像ソースと合わせる、といったこともできるはずです。また、マイクをONにすれば、声に合わせてアバターの口も動かすこともできます。

なお、mocopiアプリにはスマートフォンのカメラ映像を取り込む機能はありません。実写合成などを行いたい場合は、別途映像を録画しておき、mocopiで録画したアバターの映像と合成する必要があります。

アプリ上で録画する場合、上記の様な短めのダンス動画のほかにも、ポーズをきめたり、動きでモノマネをしてみたり、体操や短距離走をやってみたりと、様々な映像が作れます。実写映像と合成すれば街ロケっぽい動画もできるでしょう。

月ノ美兎さんのように、動きを使った一発ネタ動画にも使えます。mocopiは大きく激しい動きに強いので、躍動感のある短めの動画を作りたいときに活躍するはずです。

「Virtual Motion Capture」に接続してアバターをPCに表示する

公式に動作対応している「Virtual Motion Capture」と接続すれば、PC上にアバターのモーションを表示させることができます。背景も緑(グリーンバック)、青(ブルーバック)、白の3色と、カスタムカラー、透過から選択できます。

PC上で動作するため、録画はもちろん、「OBS Studio」に読み込めば生配信にも利用もできます。また、PC上で動画を録画することで、後続の動画編集も多少やりやすくなるでしょう。

セットアップの詳しい流れは、「Virtual Motion Capture」公式サイトに説明書があるので、そちらをご参照ください。なお、PCにインストールされたセキュリティソフトのファイアウォールによってモーション送信に失敗することもあるので、適宜設定を確認しておきましょう。

【上級者向け】「Virtual Motion Capture」とさらに組み合わせる

「Virtual Motion Capture」は、先行配信版にはモーション送信機能が搭載されています(先行配信版は、開発者のあきらさんのpixivFANBOXPatreonの支援者限定で配布)。この機能を使えば、VMC Protocol対応アプリケーションへモーションを渡すことができます。

モーション送信機能を活用することで、「Virtual Motion Capture」だけではできない、より幅広い画作りができます。多機能・無料の3Dアバター向けアプリケーション「VSeeFace」へ連携して、よりリッチな配信画面を作ったり、無料アプリケーション「VRoom」を活用して、手軽に3D空間上でアバターが動く配信画面を作ったりすることができます。

一例として、バーチャルアーティストの夢天狗さんは、mocopiと「Virtual Motion Capture」に加え、「waidayo」のフェイストラッキング、「Leap Motion」による指トラッキングも別個取得した上で、「VSeeFace」上にこれらのモーションを統合するという環境例を紹介しています。VRデバイス不要で全身の動きと表情をトラッキングする、ハイレベルな環境と言えそうです。

VMC Protocol対応アプリケーションは数多くあり(詳しくはこちら)、複数のアプリケーションとの連携はもちろん、「Unity」上に持っていって動かすという使い方も可能です。その分、構成は複雑化するため、ハードルは高めです。

これからさらに充実するかも?

本記事執筆時点では、VTuberにとってのmoocpi活用は以下のようにまとめられそうです。

  • mocopiアプリを使ったショート動画収録はとても簡単
  • 配信には「Virtual Motion Capture」を使うことはできるが、絵作りなどは別途OBS上などで行う必要がある
  • 「Virtual Motion Capture」先行配信版を使えば、かなり幅広い環境を構築できる(が、その分複雑化するため、知識・経験は必要)

ただし、mocopiに対応したアプリケーション自体がまだ少ない段階での評価であり、今後の展開次第では、mocopiと無料のアプリだけで配信まで簡単になるかもしれません。

なお、mocopiはソーシャルVR「VRChat」にも対応しています。VRヘッドセットと3Dアバターが確保できていれば、フルトラッキングで「VRChat」へ行くこともできます。興味が出てきたらこちらも挑戦してみるのもアリです。

MoguLiveでは今後も、mocopiの活用例や対応アプリケーションなどを定期的にご紹介していきます。

mocopi公式サイトはこちら。
https://www.sony.jp/mocopi/


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