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活用事例 2017.08.08

番組の舞台はゲーム内 MRとスマホを活用したユニークなTV番組




VRやARを取り入れたアニメーションやゲームは様々なものが登場していますが、ノルウェーではMR(=複合現実)技術を取り入れたテレビ番組『Lost in Time』を放送しています。新技術を応用することで、これまでにない新しいTV番組のあり方を提案しています。

『Lost in Time』とは

テレビ番組『Lost in Time』はMR技術を取り入れたゲーム番組で、参加者はシューティングやドライビング、障害物越えや迷路などの様々なゲームに挑戦してハイスコアを目指します。

撮影はグリーンバックのスタジオにて行い、ゲームの参加者がスタジオ内に設置されたセットを用いてゲームをプレイする映像に、リアルタイムで生成したCG映像を重ね合わせます

参加者は、恐竜時代や1920年代の繁栄期のアメリカ、中世時代など、様々な年代のロケーションへとタイムスリップしてゲームを行う様子を放送します。

たとえばフライトシミュレーターのような装置に搭乗してレースゲームを行う場合、そこにCG映像を重ね合わせることによって、まるで1920年代のニューヨークを、プロペラ式の複葉機に乗って飛び回る様子を観客が視聴できます。

https://www.youtube.com/watch?v=O-84piSTkyY

CG映像の合成にはゲームエンジンのUnreal Engine 4を使用し、リアリティのある映像を生成することができます。参加者の感情やリアクションをよりリアルに伝えるため、参加者はVRヘッドセットを装着せずにゲームをプレイするために、演技力が要求されます。

観客参加型のゲーム番組

『Lost in Time』のもう一つの大きな特徴は、視聴者がスマートフォンを用いて番組に参加できることです。もちろん観客は参加者のように身体を動かしてゲームをプレイする訳ではありませんが、スマートフォンのゲームを使い参加者と同じ内容のゲームをプレイします。

番組には賞金が用意されており、スタジオの参加者も観客も同じ条件でスコアを競い合い、トップスコアを獲得したプレイヤーに賞金が与えられます。

『Lost in Time』の制作会社であるThe Future Groupにてゲームディレクターを務めるEllen Lyse Einarson氏によると、スマートフォンを通したゲームは常にプレイ可能で、その間にゲーム内で獲得したコインの金額に応じて、番組放送時に開催する賞金付きの大規模トーナメントに参加できるシステムを取り入れたとのこと。視聴者の関心を高めることが可能になります。

MRや、CG映像をリアルタイムでレンダリングする技術、そしてスマートフォンのゲームを融合した『Lost in Time』は、テレビ番組の枠を超えた新しいエンターテイメントの形を提示しています。本番組は8つのエピソードによって構成され、そのうちの約半分がすでに放映されたとのことですが、日本のテレビ番組にも『Lost in Time』のような、最新技術を融合したエンターテイメントの登場が望まれます。

(参考)
VRScout / A Look at the World’s First Interactive Mixed Reality TV Show(英語)
https://vrscout.com/news/interactive-mixed-reality-tv-show-lost-in-time/

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